創造主なる救い主は、万事につけて、つねに祝せられ、たたえられますように。この無限に寛大な神から、あらゆる善と恵みはあふれ出るのです。どうか主なる神が御あわれみの泉を日ましに開かれて、あなたがたに与えられた賜物をますます豊かに与えつづけてくださいますように。私は、いつでも賜物を与えようと御手を広げておられる主なる神のこの上ない全善についても、私たちが完徳を得たいと望むよりはるかに熱心に、私たちに完徳を与えようとされ、また必ず与えてくださるその永遠の愛についても、疑いをもっておりません。もし、そうでなければ、イエズス・キリストは、ご自分を通してしか〔私たちには至ることのできない〕完徳に達するよう私九ちを励まされて、「あなたがたの天の父が完全なように、あなたがたも完全でありなさい」とは仰せにならなかったにちがいありません。ですから、私たちのほうにそれなりの用意ができてさえいれば、主なる神はいつでも〔恵みを与えようと〕しておられることは確実なことなのです、それには、私たちが謙虚な器となり、神の恵みをいただきたいと望み、いただいた賜物をむだにせずに生かし、うまずだゆまず恵みを祈り求めていなければなりません。
聖イグナチオ・ロヨラ 「コインブラのイエズス会士への書簡」1547年5月7日
聖イグナチオ・ロヨラ 「コインブラのイエズス会士への書簡」1547年5月7日
