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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 15

2017-05-27 06:23:18 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 15

 ドミニコ坊やは、山に仕事にでかけるおとうさんについて行きました。おともだちもいっしょです。ふと、ふり返えったおとうさん・・・子どもたちが絶壁でたわむれています。「あぶない!」と叫んだときは、すでにトミニコが深い谷に落ちていく瞬間でした。かけおりていく父親の目にやっと坊やの姿が見えてきます。ぐったりとたおれ、気を失ったのか? 死んでしまったのか? もうまったく動いていません。だめだと悟った父親は、それでもあきらめません。聖女ローザに深い信頼をこめていいました、「どうぞ、わたしの子どもを助けてください」

 祈りながら、願いながら走りよる父親は、今ドミニコの側に立ちました。急に坊やが目を開けました。そして片手をあけ、だれかに引き起されてでもいるかのように、むっくりと起きあがったのです。「おお、ドミニコ!」

 涙にぬれた頬をすりよせて抱きしめるおとうさんは、驚きました、「聖女ローザよ、ありがとう」

 1419年、ヴィテルボ市で、メニコという人が亡くなりました。悲しみのあまりに、気違いになるのでは?と、まわりの人は、心配しましたが、未亡人は、急におちつきをとり戻して家を出ました。"葬式も終わっていないのに、どこに?"と思っても、だれもとめる勇気がありません。

 かの女が一直線に向かうのは、聖女ローザの修道院。遺体の前につきました。妻は、力ある聖女のとりつきを思い出したのです。夫のために涙ながらに祈るかの女を、まわりで、ついて来た人々が見守っています。とつぜん、明るい顔をあげた妻がいいました。

「さあ、家に帰りましょう、聖女ローザがききいれてくださいました」。もう涙のあともありません。みんなか驚くほどのスビードでかけもどると、これはなんとしたことか? 夫が棺の上に起きあがっているではありませんか! 夫婦は、手をとりあって聖女ローザに感謝の祈りをささげました。


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