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『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 16

2017-05-28 04:40:13 | ヴィテルボの聖ローザ
『ばらの聖女 ヴィテルボの聖ローザ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ 16

 少しさかのぼった1357年、聖女ローザの遺体の前に祈りに来た信者のひとりが、ローソクの火を忘れて帰りました。ローソクは倒れて小さな聖堂に火の手があがり、木造りの棺が燃えています。その勢いのはげしいこと、シスターたちは、手のほどこしようもありません。泣きながら、祈りながら、叫びながら助けを求めるシスターたちの声がひひいています。ききつけて集まってきた人々で、やっと火が消えました。

 もくもくと立ちのぼる煙・・・ああ、聖女の遺体は? みんなの目は、しずまる煙のなかを必死にみつめています。枢はもえつき、あとかたもありません。おおいの豪華な布も、灰さえ残っていません。

「あっ!」という驚きの声!声!声!聖女の遺体が、その服もともに、そのままの姿で静かに、安らかによこたわっているのです..神は、こうして聖女の遺体までも特別に守られたのでした。

 新しいみごとな枢にローザの遺体は眠っています。300年たった頃、ローザのぜいたくな、黄金の糸を刺繍したビロードの服も、きせかえられました。今度は、フランシスコ会第三会のシスターのつける服です。服は古くなり、定期的に変えられても、遺体だけは、いつまでたってもそのまま、いま息をひきとったかと思われるばかりの姿です。

 今から200年ほどまえ、さらに遺体は、この絵にあるようなすばらしい芸術的な銅製の棺に移され、まばゆいばかりの黄金で飾られました。壁は見えるようにガラスばり、大勢の巡礼者が祈りに行きます。貧乏なはだしの娘、信仰のために皇帝に追い出された娘ローザは、今では、15名もの歴代の教皇たちがその前にひざまずきました。追害者の子孫の王たち、ヨーロッパの王族たちも、ひざまずいて祈るのです。神は、愛する花よめローザに、これほどの光栄をこの世の中にもお望みになったのです。人類にとって、ああ、なんと偉大な希望よ!




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