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モリモンド村のお医者さん(5)

2017-10-25 05:04:00 | 聖リカルド・パンプーリ
『聖なる医者 聖リカルド・パンプーリ』企画:デルコル神父、文:江藤きみえ、14

◆、モリモンド村のお医者さん(5)

 前にもいったように、パンプーリ先生は、相当の給料をもらっているのに、月の二十日頃になると、もう給料がなくなって、ひとりの仲のよい友人に借金をたのむことがありました。友人は、目をまん丸くして、「あなたは、わたしの四倍もの給料をもらっていらっしゃるのに、どうして借金しなければならなくなったのですか?」といいました。

 パンプーリは、ただほほえみながら、「まあ、そうなったのですよ」と答えるばかりでした。

 この友人は、パンプーリ先生について、次のような一つの例を伝えています。
「あれはたしか寒い冬の日のことでした。パンプーリ先生が自転車で出かけようとしたとき、道ばたのこじきと、ばったり出会ったのです。この寒空にはだしとは!と思った先生は、家にひきかえして自分の靴をもってきて、さしあげたのですよ」と。

 こんな例はたくさんありましたが、それはみな、かれの深い信仰生活をあらわしていました。これほどの献身的な愛徳の泉は、その祈りと信仰にあったのです。かれは勤務以外の自由な時間は、すべて活動的な使徒職と勉強にあてていたのです。

 かれの担当地区は、モリモンド村と他の二つの村でしたが、この三つの村の聖堂で、かれはよく祈っていました。ミサも毎日、この三つの村のどこかの教会にあずかっていました。また他の時にも、教会の前を通る時は、かならず聖体訪問をしていました。

 馬車で帰る時は家の門の近くにあった鉄の輪に馬をつないで、家の近くの教会に祈りに行くのがつねでした。

 こうしたかれに、食事の準備を終わった姉が友だちにかれを呼びに行かせると肩を叩かれて、はっと気付いたかれは、「わかりました、もうちょっとしてすぐ行きます」と答えたものです。でも、そのちょっとは、一時問もかかることがありました。

 ミサにあずかる時はいつも床にひざまづいていましたので、これを見た人たちはみんな、その熱心さに感嘆しました。

(写真はモリモンド村の大聖堂)


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