先日赤いカーディガンを買って妻の様子見に伺いました。
丁度昼食後で看護士さん達は後片付け・トイレの誘導で大忙しです。
妻は見当たりませんが多分トイレに行ったのでしょう・・頻尿もいくらか良い方向へ向いていますがまだ直りません。妻が私を見つけてニコヤカに手を上げて来ました。
四人がけのテーブルに妻の定位置の横に椅子を持ってきて、いつもの仲間の4人と会話を始めてみました。
「おばあちゃんお元気ですか?お歳はいくつですか?」と聞きますと「83歳です・・大正何年何月です!」とはっきり答えます。他の事を聞きますと「ボケてしまつて分からない」と大きな口をあけ笑っています。妻もそれを見て笑っています。
おばあちゃん達は私に「お昼は食べましたか?」と聞きますので「まだですよ!」と云いますと、おばあちゃん二人はヒソヒソと相談しはじめ、看護士さんから食器を2個貰って来て・・私に何かを食べさせようと相談しています。
又看護士さんに私の座ったテーブルが汚れているので、拭いて下さいと・・何度も催促してくれています。
男性看護士さんは忙しく「今拭きにゆきますよ!」と答えますと、お婆ちゃん二人は「いつも忙しい振りをしている?」とこそこそ話しています。
また二人のおばあちゃん達は私にお茶を出すように何度も看護士にお願いしています・・認知症とは言え今でも昔の気配りと感性は失われてはいません。
妻の他3人は認知症と聞いていますが、二人は話し言葉はしっかりしています。認知症と見受けられません? しかし急に話が変わり、私が(偉い人)が働いている看護士の監督に来たと思いはじめます。
一人は物静かで無関心ですが二人のおばあちゃんは話好きでお互いに言い合いお元気の様子です。
もう一人のおばあちゃんに「お歳はいくつですか?」と聞きますと恥ずかしそうに・・答えてはくれません。
そのおばあちゃんは88歳位でしょうか、しばらくすると私に話始めました・・
息子の戦争時代の話です。入隊時に息子に餅を食べさせたくて、紙に来るんで送りましたが、後日息子に聞きますと「一口も食べていない・・」取上げられて「上官が食べてしまった」と聞き、怒って後日又餅を背中にしょって面会に行き上官に文句を付けて、その場で皆に配りその場で食べさす様にお願いしました・・「大変苦労をしたのですね」と話しますと・目を潤ませて同じ話を何回も話してくれました。
一人ひとり認知症の病状が違いはありますが、昔の記憶は残っています。
妻は話し言葉や内容が理解では来ませんので無表情に聞いているばかりです。
2014.12.14