缶コーヒーと空、と言うか少し前に書いた
学生ものの飛影と蔵馬の話を考えてみました。
大分短い話になっていますが…。
SSよりは長く短編よりは短い感じで行きたいと思います。
続きを読むにすると全部の日記がそれになってしまうので、
このまま書こうと思います…。
すみません…。
FC2の刻の方が便利だったかも…、
テンプレートは好きなんだけど…。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
少し離れた場所から、声が聞こえた。
「蔵馬」
低い声が誰のものかは、すぐに分かった。
こんなに低い声で呼ぶのは一人しか居ない。
空は夕焼けは広がり始めて、うっすら青とグレーの狭間の色に染まりつつあった。
校庭の外灯が上に見えた。
「飛影」
あの日から、飛影と呼ぶだけでも、鼓動が速くなる…。
これじゃだめだと思っても…。
「帰りか」
「…うん」
鞄を持つと、飛影は早足でそばに来ていた。
好きだと告げたのは蔵馬だったけれど、俺もだと言ったのは飛影だった。
そしてそのまま手を握ってきた…同じくらいの熱量、そこにあって…。
誰も居ない体育館の中、少し離れた場所で、片付け忘れたボールが転がっていた。
それから3日、だからといって何…が変わったと言うこともなく…。
変わったと言えばお互いの視線だろうか…。
でも、蔵馬は前と同じ声で呼んでくる飛影が心地悪く、そして前以上に
見つめることが出来なくなっていた。
「帰り…だけど」
「部活終わったのか」
「うん、今…飛影は…」
「委員会は終わった」
飛影は普段余り喋らないほうで…それで愛想もよくないのに、投票で生徒会に入っていた。
女子の投票で決まったという側面を除けば、同じくらいの時間に帰れる可能性が高くなり、
それは…告白する前は単純に嬉しかったのだけど。
「大変だね」
「別に…書類纏めるだけだ」
嫌がる風でもなく、他のやつとつるむでもない飛影は、それでも仕事は淡々とこなしていた。
不思議に思いながらも…蔵馬はなにも言わなかった。
「もうすぐ大会なんだね…」
ソフトボール部が、纏まって帰るのが見えた。
「今年もそこそこ成績良いだろ」
淡泊な言い方をしながらも、飛影は一瞬だけ蔵馬の視線に重なった。
「っ…くしゅ」
夏も気配を消し、秋が始まる時期、風は突然冷たくなっていた。
ふ、と肩を震わせる蔵馬を、飛影がチラ、と見た。
「寒いか」
「…ちょっとだけだよ」
かかる声が暖かく、うんと言えなかった。
「これ、着ておけ」
パサっ…と何かがかかり、指に触れた。
「あ、ありがと…」
肩にかかったのは、飛影のジャケットだった。
「ちょっと待ってろ」
ジャケットを整えると、袖口を蔵馬の手を包むように重ねた。
飛影の服は、蔵馬より少し大きい。
「あ…」
飛影の動きを視線だけで追うと…ガチャと言う音が聞こえた。
校庭の自販機だった。
「ほら」
投げられたものを受け取ると…それは缶コーヒーだった。
いつも飲んでいるカフェオレ。
…好きなの…覚えているんだ…
持てないほどの熱さでもなく…ゆっくりと、指先から広がる温度が、からだを
包むようだった。
「それ飲んだら…帰るぞ」
ゆっくり飲み始めた蔵馬を見て、飛影が言った…。
そっと、指が絡まっていた。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
たまには初々しい恋も良いかなと思って書いてみました。
中々進展しないけれど
学生ものだし
このくらいの、恥じらいのある恋が良いなと思います。
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学生ものの飛影と蔵馬の話を考えてみました。
大分短い話になっていますが…。
SSよりは長く短編よりは短い感じで行きたいと思います。
続きを読むにすると全部の日記がそれになってしまうので、
このまま書こうと思います…。
すみません…。
FC2の刻の方が便利だったかも…、
テンプレートは好きなんだけど…。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
少し離れた場所から、声が聞こえた。
「蔵馬」
低い声が誰のものかは、すぐに分かった。
こんなに低い声で呼ぶのは一人しか居ない。
空は夕焼けは広がり始めて、うっすら青とグレーの狭間の色に染まりつつあった。
校庭の外灯が上に見えた。
「飛影」
あの日から、飛影と呼ぶだけでも、鼓動が速くなる…。
これじゃだめだと思っても…。
「帰りか」
「…うん」
鞄を持つと、飛影は早足でそばに来ていた。
好きだと告げたのは蔵馬だったけれど、俺もだと言ったのは飛影だった。
そしてそのまま手を握ってきた…同じくらいの熱量、そこにあって…。
誰も居ない体育館の中、少し離れた場所で、片付け忘れたボールが転がっていた。
それから3日、だからといって何…が変わったと言うこともなく…。
変わったと言えばお互いの視線だろうか…。
でも、蔵馬は前と同じ声で呼んでくる飛影が心地悪く、そして前以上に
見つめることが出来なくなっていた。
「帰り…だけど」
「部活終わったのか」
「うん、今…飛影は…」
「委員会は終わった」
飛影は普段余り喋らないほうで…それで愛想もよくないのに、投票で生徒会に入っていた。
女子の投票で決まったという側面を除けば、同じくらいの時間に帰れる可能性が高くなり、
それは…告白する前は単純に嬉しかったのだけど。
「大変だね」
「別に…書類纏めるだけだ」
嫌がる風でもなく、他のやつとつるむでもない飛影は、それでも仕事は淡々とこなしていた。
不思議に思いながらも…蔵馬はなにも言わなかった。
「もうすぐ大会なんだね…」
ソフトボール部が、纏まって帰るのが見えた。
「今年もそこそこ成績良いだろ」
淡泊な言い方をしながらも、飛影は一瞬だけ蔵馬の視線に重なった。
「っ…くしゅ」
夏も気配を消し、秋が始まる時期、風は突然冷たくなっていた。
ふ、と肩を震わせる蔵馬を、飛影がチラ、と見た。
「寒いか」
「…ちょっとだけだよ」
かかる声が暖かく、うんと言えなかった。
「これ、着ておけ」
パサっ…と何かがかかり、指に触れた。
「あ、ありがと…」
肩にかかったのは、飛影のジャケットだった。
「ちょっと待ってろ」
ジャケットを整えると、袖口を蔵馬の手を包むように重ねた。
飛影の服は、蔵馬より少し大きい。
「あ…」
飛影の動きを視線だけで追うと…ガチャと言う音が聞こえた。
校庭の自販機だった。
「ほら」
投げられたものを受け取ると…それは缶コーヒーだった。
いつも飲んでいるカフェオレ。
…好きなの…覚えているんだ…
持てないほどの熱さでもなく…ゆっくりと、指先から広がる温度が、からだを
包むようだった。
「それ飲んだら…帰るぞ」
ゆっくり飲み始めた蔵馬を見て、飛影が言った…。
そっと、指が絡まっていた。
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たまには初々しい恋も良いかなと思って書いてみました。
中々進展しないけれど
学生ものだし
このくらいの、恥じらいのある恋が良いなと思います。
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