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蔵馬ウケネタ、日常のことなど思った事を綴る。

陰から、それでも誓う恋  飛蔵小説

2019年06月05日 23時44分52秒 | 蔵馬受けblog内小説
久しぶりに、飛蔵プチ小説を書いてみました。

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カランカランと、大きな音がした。
「あっ」
蔵馬の声に、飛影は立ち止まった。人間界の繁華街の
裏通り…
レストランが並ぶ道に、白い教会がある。
ピンクの花々が教会の脇を彩り、赤い絨毯が、前に
広がる。
ワア、と言う喜びの声に、柱の陰に蔵馬は体を隠した。
「なに、隠れている」
言う飛影に、シッと口元に指を立てる。
「見て」
結婚式だよと、蔵馬が飛影の耳元で囁いた。
フラワーシャワーが、舞い散ったところだった。
「結婚式?結婚とは何だ」
小さく訊いた飛影の瞳に、巻いた髪を弄りながら笑う女が見えた。
隣の男を見ると、ガチガチな顔をした男が、白いドレスの女を
見て笑っていた。
「うーん…から」
一言で、いい言葉が浮かばない。
人間界とは違う基準で生きる飛影に伝えたいもの…。結婚式の意味…。
「お前に」
訊きながら、飛影が口を開いた。答えを要求しているのか、していないのか。
「似合いそうじゃないか、あれ」
指差す飛影が何を言っているか分かる…蔵馬は飛影に背を向けた。
「…もう」
ばか。
ふわりと広がったドレスと長い手袋、それを指しているのだ。 
「結婚って…誓う儀式だよ」
ずっと一緒にいて、ずっと寂しくない…それを誓うことだと、蔵馬は言った。
「何だ。お前も、ああ言うのが好きなのか」
からかうような、飛影の声だった。
「……そうじゃ、ないけど」
なんと言うのが良いのかわからない。好きと言えば好きだけど、そう言う感じとは違う。 
「やってもいいぞ」
くっ、と笑って飛影は言った。
「お前が着るならな」
…小さく、飛影を睨んだのは蔵馬だった。
「からかわないでよ」
「からかってないぞ」
柱に、蔵馬の体を押し付けた。
えっと、蔵馬は飛影を見つめていた。
蔵馬は背中を柱に預ける形になっていた。
「…誓ってもいいぞ」


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たまに、調査アマイ飛蔵を書こうと思うときがあって、そう言う波が来たので、書いてみました。
飛影をキザにするのが好きなので、
強引に強めにしてみました。

ノスタルチュアリィを作ったから、結婚ネタが好きになりましまた。

ノスタルチュアリィは

「お互いがお互いを思うあまりすれ違い、お互いが居なくなって寂しさを知る。
飛影は蔵馬を求めて、生きる意味をなくす。
再会したふたりだが、キズついた蔵馬を抱え、とある教会へ行く。
そこで、手当をして、飛影は蔵馬に熱いプロポーズをする。」
と言う話です。

boothでも売っています。

5月の新刊です。