お久しぶりです。皆様お元気でしょうか。感染は広まっているのでマスクを続けています。
咳も出なくなったし、効果はあるものだと思います。
皆様もご自愛ください。
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久しぶりに、今回はちょっといつもの飛影とか蔵馬とは違う目線の話です。
余りこの視点で語ることはないのですが。躯様目線の小説を書いてみました。
ちょっと長く改めてサイトにアップするかもしれません。
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相打ち……か……
倒れ込んだ飛影の、その口から漏れた言葉が、遠く見ていた躯の耳に聞こえた。
消えそうな声のかけらが、躯の中に響いていた。
倒れ込んだのは時雨も同じで……けれど彼はきっと自分の力で体を起こせる。
消耗は飛影のほうが激しい。
飛影の身体を抱え込み、一瞬だけ、息の小さなその表情を見た。
誰かを求めるように……指先が動いた。ぴくん、と躯の眉が動いた。
……誰を求めている…探すのか知っている。遠い……あの国にいる妖狐のことだ。
『黄泉の国はどっちだ』
百足に来た初めの日に、飛影はそう言ったのだ。
鋭い瞳をしていた、黒龍の使い手は躯を見て怯むこともなかった。
恐れることもなく、ただ牽制するでもなく、飛影は言った。
……そして、ここの誰にも飛影の心には立ち入らせない。
その言葉が、にじみ出ていた。
躯が、あっちだと指をかざすと、じっと飛影はその方向を見つめた。
そうか、とだけ言った。
飛影はいつも、百足の中で闘いの相手を求め挑んでいた。
まだ未熟だった飛影の強さは一日ごとに大きくなり……そして荒れ狂う魔力は
その体を覆っているようだった。
同じにも思える……躯はそっと飛影の手に、自分のそれを重ねた。
「うらやま、しいな」
たった一言、それだけを躯は言った。
そばにずっと誰かがいるその日常を……躯は知らない。
小さな傷でさえ気にかけ、倒れ込んだときに駆け寄る存在を、感じたことさえもない。
魔界では自分の身は自分で守るしかない…気を許せば殺される。そんなことは分かっている。
それは理論で…、現実は、感情を持つ知能の高い種族では結ばれ寄り添うこともある。
躯は生まれたときから一人だった。
傷を負っても誰も声をかけることはない。
国の部下の子どものほうが、親というものを知っていた。
飛影の手を見つめ、躯はもう一度言った。
「何が違ったのか……」
飛影があの黄泉の国の……蔵馬に出会ったのも偶然だと聞いている。
それならなぜ自分には小さな偶然さえ降ってこなかったのだろうか。
苦しい時も自分一人で抱えるしなかった。
自分だけが…そう思う時間さえも、苦しさを増すだけに思えて考えてはいけないと、そう思いさえした。
「お前なら、わかってくれるか」
きゅっと、躯は呟いて扉を開けた。治療を…させてやる。
このまま死ぬほどの気持ちではいない。飛影はきっと。
もがくほど、蔵馬のことを想っている。憎らしいほどの感情の熱さを、百足にきてからの飛影に
ずっと感じている。暖かい存在があることを……羨ましいのか憎いのか、自分でもわからない。
……飛影なら、抱え込み続けた苦しみを、わかってくれるだろう。
小さく、期待してしまう…それを自覚する。
恋慕などではない、これは。
そしてわかったとしても飛影は自分には……あの……蔵馬に向けるような気持ちは抱かない。
わかっている。
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躯さま目線だったらこうなるのではないかと思いました。
飛影には恋じゃないけど、心の一部を共有しているという感じでしょうか。
飛影も、共感するところはあると思うんですけどね。でもそれは蔵馬へ抱く感情とは違う。
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2022冬~2023年 1月までに出した本を、 通販しております。
その通販のお知らせを、サイトトップに載せておきます。
サイトトップ➡Pink &Cherry
直接通販サイトに行きたい方はこちら➡
フロマージュ様
🌹R18 鈴蘭の口づけと秘めやかな花の蜜 飛蔵
蔵馬の片思い小説です。
ある屋敷の主人、飛影。世話係蔵馬の話。飛影に恋をして、
その気持ちに耐え切れず主人の部屋に忍び込む。
言葉に出来ず、近くにいればいるほど想いが募る。優しくされればされるほど苦しくなる。
そんな蔵馬に目をつけ、手に入れようと手を伸ばす男がいた……。
(鴉)
SEIさまの綺麗な絵が表紙です!!
🌹月に溶ける花の恋歌 R18
飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。
この話はR18が3回入ります。
咳も出なくなったし、効果はあるものだと思います。
皆様もご自愛ください。
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久しぶりに、今回はちょっといつもの飛影とか蔵馬とは違う目線の話です。
余りこの視点で語ることはないのですが。躯様目線の小説を書いてみました。
ちょっと長く改めてサイトにアップするかもしれません。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
相打ち……か……
倒れ込んだ飛影の、その口から漏れた言葉が、遠く見ていた躯の耳に聞こえた。
消えそうな声のかけらが、躯の中に響いていた。
倒れ込んだのは時雨も同じで……けれど彼はきっと自分の力で体を起こせる。
消耗は飛影のほうが激しい。
飛影の身体を抱え込み、一瞬だけ、息の小さなその表情を見た。
誰かを求めるように……指先が動いた。ぴくん、と躯の眉が動いた。
……誰を求めている…探すのか知っている。遠い……あの国にいる妖狐のことだ。
『黄泉の国はどっちだ』
百足に来た初めの日に、飛影はそう言ったのだ。
鋭い瞳をしていた、黒龍の使い手は躯を見て怯むこともなかった。
恐れることもなく、ただ牽制するでもなく、飛影は言った。
……そして、ここの誰にも飛影の心には立ち入らせない。
その言葉が、にじみ出ていた。
躯が、あっちだと指をかざすと、じっと飛影はその方向を見つめた。
そうか、とだけ言った。
飛影はいつも、百足の中で闘いの相手を求め挑んでいた。
まだ未熟だった飛影の強さは一日ごとに大きくなり……そして荒れ狂う魔力は
その体を覆っているようだった。
同じにも思える……躯はそっと飛影の手に、自分のそれを重ねた。
「うらやま、しいな」
たった一言、それだけを躯は言った。
そばにずっと誰かがいるその日常を……躯は知らない。
小さな傷でさえ気にかけ、倒れ込んだときに駆け寄る存在を、感じたことさえもない。
魔界では自分の身は自分で守るしかない…気を許せば殺される。そんなことは分かっている。
それは理論で…、現実は、感情を持つ知能の高い種族では結ばれ寄り添うこともある。
躯は生まれたときから一人だった。
傷を負っても誰も声をかけることはない。
国の部下の子どものほうが、親というものを知っていた。
飛影の手を見つめ、躯はもう一度言った。
「何が違ったのか……」
飛影があの黄泉の国の……蔵馬に出会ったのも偶然だと聞いている。
それならなぜ自分には小さな偶然さえ降ってこなかったのだろうか。
苦しい時も自分一人で抱えるしなかった。
自分だけが…そう思う時間さえも、苦しさを増すだけに思えて考えてはいけないと、そう思いさえした。
「お前なら、わかってくれるか」
きゅっと、躯は呟いて扉を開けた。治療を…させてやる。
このまま死ぬほどの気持ちではいない。飛影はきっと。
もがくほど、蔵馬のことを想っている。憎らしいほどの感情の熱さを、百足にきてからの飛影に
ずっと感じている。暖かい存在があることを……羨ましいのか憎いのか、自分でもわからない。
……飛影なら、抱え込み続けた苦しみを、わかってくれるだろう。
小さく、期待してしまう…それを自覚する。
恋慕などではない、これは。
そしてわかったとしても飛影は自分には……あの……蔵馬に向けるような気持ちは抱かない。
わかっている。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
躯さま目線だったらこうなるのではないかと思いました。
飛影には恋じゃないけど、心の一部を共有しているという感じでしょうか。
飛影も、共感するところはあると思うんですけどね。でもそれは蔵馬へ抱く感情とは違う。
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蔵馬の片思い小説です。
ある屋敷の主人、飛影。世話係蔵馬の話。飛影に恋をして、
その気持ちに耐え切れず主人の部屋に忍び込む。
言葉に出来ず、近くにいればいるほど想いが募る。優しくされればされるほど苦しくなる。
そんな蔵馬に目をつけ、手に入れようと手を伸ばす男がいた……。
(鴉)
SEIさまの綺麗な絵が表紙です!!
🌹月に溶ける花の恋歌 R18
飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。
この話はR18が3回入ります。
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