お久しぶりです。
サイトを更新したいなと思いつつ、更新と言い切るほどの長い小説のネタが
中々浮かばずという感じでとても申し訳ないです。
それでも飛蔵の萌えはあるので、発信は頑張っていこうと思います。
バレンタイン、蔵馬から飛影がいいのか
飛影からがいいのか考えていたんですけど、
躯から
「13日パトロールが夕方までだからその日は部屋にいろよ」
とか言い出す。
で、
飛影は「は?」と言い返す。
バレンタインであることは、人間界の習慣に染まりつつある飛影はわかっている。
その日は蔵馬のところに行く、と決めている。
なのに勝手な言い草に躯をにらむ。
「終わったら別にそのあとは俺の自由だ」
と睨みつけるが、躯は意に介さない。
「その日は女たちが、お前に渡したいものがあって食堂で騒がしい。
次の日もだ。部屋にいろ」
14日は、女たちが色めき立って飛影の部屋に押し掛けるために、
部屋から飛影を出したら百足が傾いてしまう。
仕事がある者も、帰った途端に飛影の部屋に押し掛ける。
「知るか!」
俺は、と言いかけた飛影の唇の前に、躯が指を押し当てた。
「去年もおととしもあいつからもらってばかりだろうが。
与えられてばかりのやつが、また今年も貰うために人間界へ行くのかよ」
部屋に入った飛影は、運ばれた食事も手を付けずにクソっと、
呟いただけだった。バレンタインなど、ただの人間界の行事で……。
けれど蔵馬は14日には訪れる飛影に、
小さなチョコレートと、チョコレートケーキを出した。
すっきりしていて甘さが無いんですよと笑った。
「ふ……ん」
暫く天井を見ていた飛影は、小さく笑い、その瞳を閉じた。
13日……。
夕刻戻った飛影は、バサッと報告書を躯に突き出した。
「これで全てだ」
早口で言い切ると、黒衣を翻し……息を荒げているのか、黒衣の動きも急ぎ気味だった。
「拗ねているのかね……」
可愛い、と躯が後姿を見つめ、笑った。
チクチク、と時を刻む音に飛影は窓の外を見た。
時々……魔界に足を踏み入れるとき、蔵馬の姿はこの窓から見える。
魔界に来るときの蔵馬の気配は直ぐに分かる。蔵馬の妖気には自分は最も敏感だ……自負している。
だから、長い黒髪がすぐにわかる…。
魔界に来るときには自分に言えとは何度も言っている。
目が合うと窓の中の飛影に笑いかける。…蔵馬が、…恋しい。
14日……
飛影の部屋の前が、甘い香りで包まれていた。
百足中に広まる甘い香りに躯は「吐き気がする匂い…」
とつぶやいている。
「躯様!!」
夕方…躯の下手を叩く音が激しくなり、頭を抱えてきたのは躯だった。
くしゃくしゃを前髪を弄り乍ら、扉を開けると……。
「躯様!」
おんなたちがひしめいていた。
「…なんだこのにおい…」
思わず口を突いて、そう出た。甘い香りが女たちから漂っている。わきに抱えた小さな袋を見せながら
女たちが口を開く。
「飛影の部屋から!!気配がありません!」
30分も喚き続ける女たちの声に押され……
躯が飛影の部屋まで足を運んだのはその後だった。
コンコンと、態々ノックをして見せれば答えはない。…ほら、という女たち。
「気を集中させてください!!」
喚かれ、部屋の扉に耳を当て集中させて……ため息をついた。
「いないな」
大袈裟にため息をついて、てをひらひらとさせた。
「これは……」
小さな笑いを飲み込み、…躯が悲し気に眉をひそめた。
「飛影は、いないな」
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
14日……。
部屋の片隅に紙袋を置いた蔵馬は、小さなため息をついた。
バレンタイン……普段は真面目で通っている進学校の女子たちも、この日は
贈り物をするというイベントに情熱を燃やす。
甘い香りが紙袋から漏れ……机に突っ伏して、今日という日を呪いながら
顔を伏せる……同じような告白を何度も受け、神経をすり減らす日。
渡したいのも、貰いたいのも一人だけなのに。
顔を伏せて眠る蔵馬の、その肩に、生暖かいものが触れたのは夜刻だった。
風は強くなり、蔵馬の身体が、風が入る度に震え、うっすらと瞳が開く…寒い。
さ、む。そう、思った瞬間。肩に感じた温かい温もり。
「あっ……」
小さな袋を二つ……差し出す手。
後ろから蔵馬を抱く熱い手…。飛影。
「チョコレート……それから……」
二つ目の袋に入ったのは、魔界にしか咲かない…紫の花。
アンティローズ。
遠い情熱という花言葉の。花。
「飛影……」
「好きだって伝える日なんだろ」
唇を、飛影は重ねた。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
数日温めていたバレンタイン小説を、書いてみました。
似たようなテイストになってしまいましたが、やっぱり何かを書くというのは良いですよね。
🌹月に溶ける花の恋歌 R18
飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。
この話はR18が3回入ります。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
このブログは、蔵馬受け小説サイト のカテゴリの一部です。
サイトはこちら➡Pink&Cherry
飛蔵小説、長編などいろいろあります。
結構エロ小説とかもあるので夜にお読みください!!!
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中々浮かばずという感じでとても申し訳ないです。
それでも飛蔵の萌えはあるので、発信は頑張っていこうと思います。
バレンタイン、蔵馬から飛影がいいのか
飛影からがいいのか考えていたんですけど、
躯から
「13日パトロールが夕方までだからその日は部屋にいろよ」
とか言い出す。
で、
飛影は「は?」と言い返す。
バレンタインであることは、人間界の習慣に染まりつつある飛影はわかっている。
その日は蔵馬のところに行く、と決めている。
なのに勝手な言い草に躯をにらむ。
「終わったら別にそのあとは俺の自由だ」
と睨みつけるが、躯は意に介さない。
「その日は女たちが、お前に渡したいものがあって食堂で騒がしい。
次の日もだ。部屋にいろ」
14日は、女たちが色めき立って飛影の部屋に押し掛けるために、
部屋から飛影を出したら百足が傾いてしまう。
仕事がある者も、帰った途端に飛影の部屋に押し掛ける。
「知るか!」
俺は、と言いかけた飛影の唇の前に、躯が指を押し当てた。
「去年もおととしもあいつからもらってばかりだろうが。
与えられてばかりのやつが、また今年も貰うために人間界へ行くのかよ」
部屋に入った飛影は、運ばれた食事も手を付けずにクソっと、
呟いただけだった。バレンタインなど、ただの人間界の行事で……。
けれど蔵馬は14日には訪れる飛影に、
小さなチョコレートと、チョコレートケーキを出した。
すっきりしていて甘さが無いんですよと笑った。
「ふ……ん」
暫く天井を見ていた飛影は、小さく笑い、その瞳を閉じた。
13日……。
夕刻戻った飛影は、バサッと報告書を躯に突き出した。
「これで全てだ」
早口で言い切ると、黒衣を翻し……息を荒げているのか、黒衣の動きも急ぎ気味だった。
「拗ねているのかね……」
可愛い、と躯が後姿を見つめ、笑った。
チクチク、と時を刻む音に飛影は窓の外を見た。
時々……魔界に足を踏み入れるとき、蔵馬の姿はこの窓から見える。
魔界に来るときの蔵馬の気配は直ぐに分かる。蔵馬の妖気には自分は最も敏感だ……自負している。
だから、長い黒髪がすぐにわかる…。
魔界に来るときには自分に言えとは何度も言っている。
目が合うと窓の中の飛影に笑いかける。…蔵馬が、…恋しい。
14日……
飛影の部屋の前が、甘い香りで包まれていた。
百足中に広まる甘い香りに躯は「吐き気がする匂い…」
とつぶやいている。
「躯様!!」
夕方…躯の下手を叩く音が激しくなり、頭を抱えてきたのは躯だった。
くしゃくしゃを前髪を弄り乍ら、扉を開けると……。
「躯様!」
おんなたちがひしめいていた。
「…なんだこのにおい…」
思わず口を突いて、そう出た。甘い香りが女たちから漂っている。わきに抱えた小さな袋を見せながら
女たちが口を開く。
「飛影の部屋から!!気配がありません!」
30分も喚き続ける女たちの声に押され……
躯が飛影の部屋まで足を運んだのはその後だった。
コンコンと、態々ノックをして見せれば答えはない。…ほら、という女たち。
「気を集中させてください!!」
喚かれ、部屋の扉に耳を当て集中させて……ため息をついた。
「いないな」
大袈裟にため息をついて、てをひらひらとさせた。
「これは……」
小さな笑いを飲み込み、…躯が悲し気に眉をひそめた。
「飛影は、いないな」
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14日……。
部屋の片隅に紙袋を置いた蔵馬は、小さなため息をついた。
バレンタイン……普段は真面目で通っている進学校の女子たちも、この日は
贈り物をするというイベントに情熱を燃やす。
甘い香りが紙袋から漏れ……机に突っ伏して、今日という日を呪いながら
顔を伏せる……同じような告白を何度も受け、神経をすり減らす日。
渡したいのも、貰いたいのも一人だけなのに。
顔を伏せて眠る蔵馬の、その肩に、生暖かいものが触れたのは夜刻だった。
風は強くなり、蔵馬の身体が、風が入る度に震え、うっすらと瞳が開く…寒い。
さ、む。そう、思った瞬間。肩に感じた温かい温もり。
「あっ……」
小さな袋を二つ……差し出す手。
後ろから蔵馬を抱く熱い手…。飛影。
「チョコレート……それから……」
二つ目の袋に入ったのは、魔界にしか咲かない…紫の花。
アンティローズ。
遠い情熱という花言葉の。花。
「飛影……」
「好きだって伝える日なんだろ」
唇を、飛影は重ねた。
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数日温めていたバレンタイン小説を、書いてみました。
似たようなテイストになってしまいましたが、やっぱり何かを書くというのは良いですよね。
🌹月に溶ける花の恋歌 R18
飛影に会いたくて魔界に足を踏み入れる蔵馬。しかし足を踏み入れた街に取り込まれ、
男に襲われてしまう。飛影に見つかり抱きつく蔵馬。飛影を呼び助けを求めていた。
この話はR18が3回入ります。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
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