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蔵馬ウケネタ、日常のことなど思った事を綴る。

そのくちびるを誓いに重ねる 飛蔵結婚ネタ

2019年03月13日 23時47分46秒 | 蔵馬受けblog内小説



ちょっとぶりです。

WEB拍手、押して下さる方。ありがとうございます。
こんな小さなサイトでも、応援してくれていると思って受け取っています。
本当に、ありがとうございます。


最近忙しくて小説を書く事柄少しの間離れていて、「文章ってどうやって書くんだっけ」と言う感覚に
なってしまっているので、リハビリをかねて…。
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「蔵馬」
そっと、名を呼んでみた。
宵闇が包む、人間界の夜。小さく呼んだ名は、そのまま静寂に吸い込まれた。
「蔵馬」
もう一度、名を呼んだ。
思い立って降り立った人間界、その人は、いつもなら気付くはずの飛影にも気付かず
深い眠りに入っていた。白い頬が、すっと浮かび上がっていく。魔界の埃をかぶった
黒衣が、蔵馬の部屋で揺れた。

暗闇の中で眠る蔵馬を見て。ふと思い出す光景がある。

今は静かな人間界も、昼の賑わいの中では、仕事をする者以外は街を明るく歩いていた。
最近話題の、カフェの集まる繁華街に、その声はあった。
若いカップルが手を繋いで歩く、アクセサリーの店が連なる街は、ときめきに溢れていた。
三角の交差点を行き交う人が笑い合ってはしゃいでいた。落ち着いたベージュの三ピースが、
ウインドウから見えた。黒髪を綺麗に巻いた女が、笑い合って歩いて行く。
その光景の、小さな路地の裏に、それはあった。
ある日見つけた、その教会…。

小さな、水色の屋根の前を、一つのカップルが手を取り合って歩いていた。広がった裾が、花の刺繍で
彩られて光に反射していた。ドレス姿の女が、髪をアップにして眩しそうに笑った。その手を、隣の
タキシード姿の男が掴んでいく。周りの客が、二人に花びらを投げていく。リンリン――と言う音がした
瞬間に、大きなベルが二人の後ろで揺れた。きゃあ、と言う声がして、そこに居た客が拍手をしていた。
――これは、何だ
一瞬そう思い、飛影は舞い降りた空から、それを見ていたのだ。
そのとき浮かんだ一つの言葉――。ああ、これが、これがそうかと、そうか、これがと思ったのだ。
結婚式――これが、蔵馬がいつかの夜に行っていたものだ。
白いドレス、微笑む二人。手袋を外した女が、隣にいる者に手を添えた。キラリと光る指輪が、太陽の
光に眩しく煌めいた。

その光景が、不意に浮かんだ。

眠る蔵馬の、その黒髪を一房取ってみる。
眠る蔵馬の、頬の白さが今少し気に入らなかった――人形がそこに居るようで。
これでは嫌だ。
目を覚まして、自分を認識させたいと、ふと思った―重なる―唇。
昼間に見たその光景が、蔵馬と重なっていた。
「きれいだったぞ」
花が散らばるように編み込まれて広がるレースのなかで、花嫁が微笑んでいた。きっと、きっと蔵馬にも
あのベールが似合う。似合うと思う。
「こういう儀式も――いいな」
多くの人の前で誓うなんて下らないと思っていたけれど。
パトロールの最中まで、蔵馬の事ばかり考えてしまう。黄泉のところに蔵馬がいる間、何度も蔵馬のことを
思いだしていた。蔵馬がふわりと微笑むその瞬間が。頭から離れなかった。
「お前がいつも」
激しい感情を秘めた目で飛影を見ている。そのことを、飛影も気付いていた。その激しさが、飛影を強く
駆り立てた。蔵馬の傷つく姿を、もう見たくないと――。
好きの形を、こんなにも心に染みるほど知ったからこそ、もう蔵馬を離したくない。あのベールを、一瞬
蔵馬に重ねていた。蔵馬の黒髪を覆うベールが風に吹かれた瞬間が、ふと浮かんできた。多くの人の前で、
恋を誓いたいと、熱いものが指に溢れてきた。
「結婚――」
そっと、もう一度唇を重ねた。

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ちょっと
中々ネタが浮かばない日々が続いていたので、
文章の書き方を思い出そうと思って、それでちょっとだけ書いてみました。
もう少しちゃんとしたあらすじを考えたかったのですが
今中々あらすじが浮かばないので、少しだけ、書きたい場面を書いたので
お付き合いいただきました。

飛影も、人間界の結婚式を知ったら
「蔵馬にはこういうのが似合いそう」とか
思うこともありそうです。
飛影にも、ロマンチックな意識はありそうです。















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