お久しぶりです、さくらです。
ちょっと前に蔵馬誕生日ありましたね。
蔵馬の誕生日って本人は意識しなくても、まわりは
しっかり覚えてそう。
帰りに屋台に寄ったら幽助に「誕生日にこんなところいていいのかよ」
とかため息つかれたりして。
幽助としては、嬉しいけど飛影に怒られるのは困る…。
でも蔵馬だって、飛影がそんなこと覚えてくれているとは思えない。
それに、忙しくて、誕生日なんて自分でも忘れていた。
だから、今更だけど、幽助に言われたから気づいた。
でも頼んだし、ラーメンに箸をつける蔵馬。
「誕生日…」
そうだぜ、忘れてんのかよ、と呆れた声で言う幽助。
はやく帰って、待ってるやつに会えよ、って言う幽助。
待ってるやつに…?と戸惑う蔵馬。
冷たい空の下、かじかんだ手を擦りあわせて、
はあと息をついて歩く蔵馬。マンションの前まできて、立ち止まる。
飛影…。
そこに立っていたのは飛影。
「飛影…」
まさか待っていたとは思わず。
そっと、飛影は蔵馬の手に触れた。
「冷たい」
重なった手のひらから、ぬくもりが伝わってきた。
近づく距離に、蔵馬は顔を上げた。
「どうして」
今…。
本当に来るとは思わなかった。
「お前の、大事な日だろ」
今更思う…。
一日一日を重ねて、また新たな年を始められるのは奇跡だと。
からだに傷をつけてもそれを治し…またはなにも怪我もなく…互いに笑って会える奇跡。
それを今更噛み締めている。
だから、今日、蔵馬のために人間界に降り立つくらい、無理ではない。
「帰らないのか」
「あ…」
はっとして、蔵馬は歩き出した。
優しい…。
飛影の、多くは語らない優しさが…染み込んでくる。
僅かに、飛影は後ろを歩く蔵馬を見た。
こんな遅くまで人間界で仕事をして、イベントも楽しむ余裕も余りない生活…。
飛影とは違う世界で、違う苦しみを、同じ時間に
味わっている。違う世界にいても、どちらかだけが満たされるわけでない。
だから…。
今からは、ふたりの時間。
という話を、考えてみた。
飛影って、蔵馬のちょっとした行動で、考えることや、
辛い気持ちや幸せな気持ちを、理解する気がします。
頭が良いと言うか、洞察力がある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます