5/18 大橋トリオ@日比谷野音

plugged (ALBUM+DVD)
クリエーター情報なし
rhythm zone


17時。
会場は満員。立ち見席もいっぱい。あたりを見回すと、ロン毛帽子メガネの男子が目立つ。
年齢層は…、20代後半~30代中ぐらいといったところで、客層も少し落ち着いた感じの人が多い。

最新アルバムのテーマは、ロックということで、これまでのジャズ的要素の強い作品とは一線を画していて、深みが増した、というか、彼の幅広い音楽性を感じさせる作品だ。

5年前。
入稿前のドタバタ時、原稿に行き詰まって書けない私を、営業さんとデザイナーさんが、事務所近くにあるバールに誘ってくれた。美味しい料理とお酒を前に、少し気分が楽になったかな…、というところで、店内で流れていたのが「そんなことがすてきです。」だった。少しひねくれているようで、心に入り込んでくる声とメロディーラインだなと思ったのが、大橋トリオの音楽との最初の出会いだ。

今年になって、なんとなくラジオに耳を傾けていたところ、流れてきた曲。
あ、あの曲かー
と共に、お世辞にもいい思い出とはいえない、大変だった出来事がじわっとよみがえってくるけど、心にひっかかる、辛いけど楽しいような、あの感じがいい余韻を残す。

実際のライブを見てみたいと呟いてみたところ、友人がチケットを手配してくれた。
感謝しつつの初ライブ。


登場の際流れた曲は、massiveattackのTear Drop!
そうか、ロックだもんなー、と納得しつつも嬉しい意表を突かれてテンションが上がる。
バンドスタイルなので、ドラム、ベース、ギター、ピアノ、そして大橋トリオ、という編成。
オープニングは、新作アルバムの最初を飾る「マチルダ」。ロック色を強調するだけあって、大橋流のワイルドなパフォーマンスで幕を開けた。

ライブ構成は、ほとんどが新作中心で、その中にこれまでリリースした作品の中から比較的ロックな香りのするものが散りばめられていた。
私は、どちらかというと、ジャズ的なものやAORの要素が強い曲を好んで聴いていたので、勝手に大橋トリオという人はそういう趣向の人なんだと思っていた。や、そうあるべきと勝手にイメージを作り上げていたようだ。

この人の曲は、なんというか、心をギュッと掴まれて苦しくなる…というよりも、思いは少し軽い。どぶっとはまり込んでしまう手前のその絶妙なさじ加減が素晴らしい。

野音という雰囲気がそうさせたのか、みんなでハミングしたり、素直に手拍子をしたり、スウィングしたり。そんな事を素直に悩まずに出来る幸せなライブだった。

アンコールは2回。
一度目は、バンドメンバーと共に。
二度目は、1人でピアノ弾き語り。

その時、彼が夢じゃないんですよね、と呟いた。
15年前、学生だった頃野音を訪れて、裏方みたいな事をしていた自分が、今、そのステージに立って歌っているという事実。
最後に、ありきたりだけど、皆さんも頑張ってくださいと。

そう思う事って、大切だな…。
ちょっと気恥ずかしい気もするけど、今日は素直にそう思うことにしよう。
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