Jukka Eskola Quintet@Finland Cafe

 先日記述したフィンランド・カフェにてユッカ・エスコラ(クインテット)のライヴを見る。

 開演少し前に行ったところ、既に満席(とはいえ立ち見を含めて60人くらい)。椅子席のすぐ後ろに場所を確保してまもなく、定刻で彼らはステージに現れた。まずびっくりしたのは、ユッカは予想以上にアイドル的な見て呉れだったってこと。プレス用の写真は横顔や影の部分が多かったので、果たして・・・と思っていたのだけど、フロアの女性達が沸くのも無理はない感じ。(私的には、GLAYのJIROを大きくした感じに見えました。童顔なところが。)

 話が逸れました。そのユッカ率いるクインテット、メンバーのほとんどがファイヴ・コーナーズ・クインテット(FCQ)と絡んでいることもあり、終始リラックスした印象。テッポ・マキネンの程よく力の抜けた感じの軽快なドラミングにベースが絡み、トランペットとサキソフォンが代わる代わるに旋律を紡ぐ。そこにフェンダー・ローズがアクセントとなって加わり、クインテットは一気にフロアを演奏に引き込んでしまった。自然にスイングし出すフロアに私もつられてリズムをとってしまう。名前を名乗るだけあって、フロントマンであるユッカのトランペットは、滑らかでどこまでも伸びていく感じでなんとも心地よい。じっくり聴かせるところは聴かせて、テンポのよいところはどんどんフロアを引き込んでいく感じで、何とも魅力的。愛嬌たっぷりにくり出すマキネンの変則するリズムにも、なんなくついていくところは、初めて彼らのステージを見た私でも「さすが!」と思ってしまったほど。

 耳なじみのよい楽曲と軽快なリズムは、FCQもそうだけど、つい数年前にはやったおしゃれラウンジ系、カフェ・ミュージックとして耳にしたジャズを思い出さずにはいられない。けれど考えてみれば、当時そうやって聴いた曲のほとんどは、つまり、ハード・バップやモード・ジャズの中での王道を行く親しみやすい曲をセレクトしてたっていうことになるのか。もっとその時に深く掘り下げておけばこんな風に思い出したりせず、リー・モーガンを思わせるとか何とかと書いたり出来て、こういう形で書くことだってなかったのに・・・。

 などと思いつつ、ステージに酔いしれ、気づけばあっという間に終わってしまった。鳴り止まない拍手に再度登場して演奏されたのはジョン・コルトレーン。

 ステージが終わり、片付けをしている彼らに思い切って聞いてみた。ユッカにはさすがに聞けず、ティモ・ラッシーに「アンコールでのジョン・コルトレーンの曲名を教えて(バカだなー)」と。「“ジャイアント・ステップス”に収録されている“Naima”だよ。」と丁寧に教えてくれた。なのに、聞き取れないし、その作品自体耳にしたことがなかった私は、何度も何度も発音を繰り返してもらい、最後にはスペルまで教えてもらうことになる。あー、恥ずかしい、と思いつつ、ここで覚えればいいと思い、帰りにレコ屋で購入。

 帰宅して今聞き比べてみると、原曲のしっとりした印象に引き換え、ステージでの演奏はテンポよくムードもあり迫力満点の仕上がりだったなぁ、と感じる。それがジャズの今を行く彼らだってことか。

 もっと勉強しようっと。

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