12/21 島崎先生のギャラリートーク@OZONE


 26日まで開催されているノルウェーのプロダクトデザイナー、Peter Opsvik(ピーター・オプスヴィック)の椅子展。その実行委員長である島崎信先生の講演を聴いてきました。

 写真の(Bigですが)トリップ トラップや私が一番好きなカピスコチェア(ノルウェー旅行記2005参照)を生み出したピーター。先生は、彼をはじめとするノルウェー、そして北欧のプロダクトデザインについて広く研究されている方。なかなかお話を聴く機会なんてないので、とても有意義な時間でした。

 先生の話で印象的だったのは、ピーターの考える「座る」という生活が、時代とともに変化しているということ。昔は動くことが主だった人間の生活は、次第に体動も少なくなり、座る時間も長くなっているのだそう。そして「座る」ということも、休憩のためだけではなく、仕事だったり過ごすための動作のひとつとなっていることから、「座るという作業に動きを取り入れる」という考えが加えられるようになったとのことでした。

 考えてみれば、こうしてパソコンに向かっているときも、私は椅子に座って作業をしているわけだし、新聞や本を読むときも、ソファに座るし……。休憩だけではないですものね、座ることって。

 先生の話を通じて改めて考えるピーターの椅子は、どれも動きに溢れています。グラヴィティやヴァリアブル、マルチも、座りながらにして角度を変えられ、その時その時の動作に合わせて最適な姿勢を保つことが出来ます。私の憧れ、カピスコチェアも、見た目は奇抜な乗馬椅子に見えたりもしますが、事務処理をするには最適です って、持っているわけではありませんが。

 もともとは、自分の子どもが落ち着いて座ることが出来る椅子を……というところから生まれた彼の椅子たち。そこから生まれたトリップトラップの2倍サイズなるものも会場内に展示されており、実際に大人が子どもの目線に立って座ってみることで、その安定ぶりを感じることができるというユニークな試みも。

 見て、座って、そして聴いて納得の貴重なイベントでした。

ピーター・オプスヴィックの椅子展
2009年12月10日(木)~26日(土)
リビングデザインセンターOZONE 5F

 余談ですが、先生とピーターの共通する考えも考えさせられるところがいっぱいでした。ピーターの悩みは、「デザインすることの意味」。新しいものを生み出すことで、以前のものが処分されてしまうのであれば、デザイナーは無駄な消費を助長させてしまうのではないか、ということだそう。不便を便利にするためのデザインは、便利になった現代ではどんな意味を持つのでしょう?

 正しい答えを求めるのではなく、「生あるかぎり、使い続けることが、買ったものの使命」だと先生はおっしゃいました。なるほどなぁ。買うということには、それ相当の覚悟が必要なのですね。

 私も今、お鍋を一つ購入するかどうか悩んでいます。「鍋なんて、消耗品では?」と思うかもしれませんが、一人暮らしのスペースでは一大事なんですよね。収納に限りがありますし、鍋はちょっとやそっとでは壊れませんし。浅型、深型…、ステンレスか鉄か…、そしてこれからのことを想定してIH対応のもの?

 うむ~

 
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