9/27 67歳まで働けますか?

行ってきました。
H.C.R.2012 国際シンポジウム
「税と社会保障の改革で財政危機と高齢化に立ち向かう
 ~デンマークの取り組みは日本に生かせるか~」

仕事が片付かず、途中から聴講しましたが、とても興味深い内容でした。

漠然としたイメージで、「北欧の高齢者福祉モデルは理想的で快適」と
捉えていましたが、現実は、当然のことながらいい面ばかりではありません。

素晴らしいと思える部分は、裏を返せば現実社会において厳しい面もあるということ。

★収入の半分近くを税金として納め、その代わり教育や医療にかかるお金は無料。(歯科は保険適用外なので、全額自費)
★高い税率で国民が納めた税金の使途は、とてもクリア。日本は限りなくグレー。
★日本のほうが失業率は低いものの、世界の中では高い就労率。つまり、税率が高いから遊んでなんていられないということ。
★ワーク・ライフ・バランスがいい。理由としては、上記同様で、共稼ぎでも収入は低いので時短でも働かないといけないから。

高齢者福祉が充実しているデンマーク。でも、日本ほど問題ではないけど高齢化は進み、
労働供給の低下が懸念されていたりもします。
労働力が低下し、高齢化が進めば、今の福祉保障のレベルももちろん下がるのですが、
国民は、国を信頼しているので、高い税率でも不満を持たず、それどころか、きちんとした保障のために、さらなる増税を望む声もあるそうです。

とはいえ、デンマークの税制はもう限界。これ以上上げることが出来ない状態まできているのだとか。

2008年から続くユーロ危機の影響で、経済成長は難しく、新たな税制を施行そして検討中。グリーン税の強化や、昨年話題になった飽和脂肪酸税の実施(あらら、酪農大国なのに…)、そして、定年制の延長により、段階的年金受給年齢の延長。65歳→67歳。

話の最後のほうで、シンポジストから衝撃のコメント。
「早期退職者には、罰則が設けられるかもしれない」
高齢化が進むんだから、体の自由がきくギリギリまで働いて労働供給を維持してもらわないと。働けるのに働かないのは罪、ということなのかしら。早期退職でのんびり…なんてことは、将来は犯罪なのかも? 確かな保障はなくとも、すべてが曖昧でゆるゆるの日本の制度のほうが、抜け道いっぱいでもしかすると快適なのかもしれませんね。悲しいけれど。


高齢者に優しい国は、高齢者になるまではとても厳しい国なのかもしれませんね…。

もう少し資料をちゃんと読み込んでみます。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 9/26 日本の福... 9/29 ノルウェ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。