つれづれな日々のつぶやき♪

ドラマや映画、展覧会や写真展の感想をぽつぽつと
日々の暮らしの中でふと感じたことなども

おもしろかった映画*海外編2021

2021-06-17 | 映画/DVD
2021年にTV・DVD・映画館などで観た映画のうち、おもしろかったな~♪というものをざっくりと備忘録として書き残しておきます。

※ネタばれがありますのでご注意ください。
※敬称は省略させていただきます。


『見知らぬ乗客』NHKBSプレミアム「プレミアムシネマ」
アルフレッド・ヒッチコック監督/1951年製作/101分/アメリカ/原題:Strangers on a Train
テニス選手のガイは、不貞な妻ミリアムと離婚して上院議員の娘アンと再婚することを望んでいた。そんなある日、ガイは列車の中で見知らぬ男ブルーノから話しかけられ、ミリアムを殺す代わりに、自分の父親を殺して欲しいという交換殺人を持ちかける。ガイは相手にしなかったが、その後ブルーノは本当にミリアムを殺害し、ガイにも殺人を実行するよう付きまとう。 

さすが巨匠の作品は時代を経ても古びず、テンポも遅くなく見入ってしまう。ヒッチコック作品はどれも、日常にぽっかりと開いた暗い穴が恐怖の入り口なのが怖い。
ブルーノのように一見普通に見えるが、精神を病んでいる者ほど怖いものはない…。




「第19回 所沢ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~」

2021-04-20 | 映画/DVD
ミューズマーキーホールにて開催された、「第19回所沢ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~」に行ってきました。前回の18回には行けませんでした。その後会場は改装工事があり、実に3年ぶりの開催となったとか。時節柄、開催されるかどうか心配していたんですが、無事に開催されてよかったです♪

4月16日(金)に『糸』、4月17日(土)に『スパイの妻〈劇場版〉』、4月18日(日)に『風の電話』を観ました。一日に何本も映画を観続けることができないタイプなので、一日1本です。映画のはしごができる人がちょっと羨ましい。

上映後はPFF(ぴあフィルムフェスティバル)の荒木さんが司会を努め、監督とのアフタートーク、観客の皆さんから質疑応答を受けてくださいます。いつもは、パンフレットにサイン&希望すれば握手もしていただけるのですが、この状況下なのでありません。残念ですが仕方がありませんね。

公式サイトはこちら。→ 「ミューズシネマ・セレクション」

感想とアフタートークを思い出しつつ、ざっくりと備忘録として簡単に書いておきますね。
ネタばれがありますのでご注意ください。敬称等は省略させていただきます。


『糸』 ゲスト:瀬々敬久監督
公式サイトはこちら。→ 映画『糸』公式サイト
王道のメロドラマ。幼なじみ、初恋、すれ違い、不幸な家庭環境、災害(3.11)、病気、死、裏切り、再会からのハッピーエンド♡とてんこ盛り。
お涙頂戴風といえばいえなくもないが、ぎりぎりファンタジーまではいかない感じ。中島みゆきの名曲が散りばめられていて、それがよかったな~。おもしろかったし泣けた。
アフタートークは今まで観た中で一番、監督が作品に思い入れがないように見えた。「あまり覚えてないな~」を連発。俳優の名前(成田凌)も失念していたし。苦笑。
PFFの荒木氏が「俳優さんは大変ですよね~」と話をふっても、「いいんじゃないんですか?ちやほやされるし、好きでやっているんだし」と一刀両断に。冗談にしてはかなりきつめ。
ラストのフェリー乗り場のシーンでは、TBSのプロデューサーに何か言われて、台本を叩きつけてその場から立ち去った。ご自身が好きな「『狼になりたい』をフェリーに乗っているシーンで使いたい!」と言ったら、プロデューサーに断固拒否された。現場の雰囲気は悪かっただろうな…。
「映画は嘘をつくけど、嘘はつかない」をモットーにしている。「映画は作りものだから嘘なんだけど、大きな嘘はわくわくするが、リアルじゃない嘘はしたくない」。特攻隊のドキュメンタリーを撮ったとき、「映画は嘘をつくからな…」と言われた(直接言われたのはAD)ことが頭にあるらしい。


『スパイの妻〈劇場版〉』 ゲスト:黒沢清監督
公式サイトはこちら。→ 映画『スパイの妻』
NHKのドラマ版を観たような気が…。ストーリーはうろ覚えだったけど。
第二次大戦下の満州で関東軍が行っていた細菌兵器の人体実験が絡む話。舞台  NODA MAP『エッグ』を思い出した。こちらはもっと生々しい感じだったが…。
サスペンス仕立ての戦争もの?かと思っていたが、戦争自体はそんなに重く扱っておらず、残虐シーンはほとんど映っていなかった。夫婦愛の映画かも?と感じた。改めて高橋一生、蒼井優はいい俳優だな~と思った。
雰囲気のある本物の古い洋館、衣装も素敵♡
アフタートークは前日とうって変わって、監督は明るく話し、質疑応答にも誠実に答えてくださっていた。
衣装は高橋一生、蒼井優、東出昌大と憲兵たちの衣装はフルオーダーという贅沢をさせてもらった。だからサイズがぴったり!
NHKのアーカイブをただで使えてラッキー♪
高橋一生、蒼井優クラスの俳優になると、説明とかしなくていいし、「これはどういうことなんですか?」とか聞いてこない。蒼井優の台詞回しは昭和映画の大女優、田中絹代をイメージしている。
かつてのハリウッド映画のサスペンスが好きでやりたかった。現代劇だと価値観が多様化していてできない。時代劇だとできる。「サスペンス+メロドラマ」の映画。
ラストのテロップは編集中に付け足した。脚本にはなかったので、俳優は試写を観て驚いていた。観客の皆さんで思い思いに感じていただければ。


『風の電話』 ゲスト:諏訪敦彦監督
公式サイトはこちら。→ 映画『風の電話』
3.11で家族を亡くした高校生のハルが、出会った大人たちに助けてもらいながら故郷を目指すロードムービー。余韻の残る素敵な映画だった…。あちらこちらですすり泣く声が聞こえていた。
出会う人たちはみなそれぞれ背負うものがあり、傷ついている。ハルだけでなく…。
主演のモトーラ世理奈がとにかくよい! ハルは彼女しかいないと思う。
アフタートークで登壇した監督はスタンダールの『赤と黒』よろしく、赤と黒の装いで現れ、PFFの荒木氏も赤と黒の装いで一致するという偶然。
広島から岩手まで順番どおりに撮っていった。普通は順番どおりには撮らないと思う。
台本には台詞はほぼなく、3~4行の「こんな感じで」みたいなことが書いてあるだけ。ほとんど俳優の即興。PFFの荒木氏曰く、「西田さんは西田さんでしたね~」と感想を話す。
子供たちに観て欲しい。各地で上映会を行っていた。長野県上田市では不登校の子供たちを市が招待して、参加すると出席扱いにする。いいアイデアだと思う。
オーディションでモトーラ世理奈を観たときに、「彼女しかいない!」と思った。名前の“ハル”は自分がつけた。“春香”は脚本家がつけた。
森尾とハルは精神年齢が一緒。年齢は森尾のほうがずっと上だが、ハルは森尾を呼び捨てにする。同じ傷をもつもの同志だから。支えてもらっていたのはハルでもあり、森尾でもある。
退席のとき、監督はテーブルに飾られていた真っ赤なガーベラを一輪、すっと持っていかれた。スマートね~。ちなみに、4月18日は「ガーベラの日」♪

余談。監督のこの振る舞いを観て、某若手舞台俳優のことを思い出した。彼は自分に送られたファンからの花を一輪だけ持ち帰る。先輩からそう教わったのだそうだ。素敵だな~♡


ホワイエに飾られていたポスター、監督の直筆サイン入り♪
『糸』



『スパイの妻〈劇場版〉』 



『風の電話』
 



パンフレットいろいろ♪











1階チケットカウンターの近くで、ディレクターチェアに座ったゆるキャラの「トコろん」。可愛い♡
スタッフらしいです。何のお仕事するんだろう~?




これからもPFFの荒木氏は所沢市と協力して、シネマ・セレクションを続けていく意向らしいので期待していま~す♪





「第17回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~」

2017-03-21 | 映画/DVD
ミューズマーキーホールにて、「第17回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~」に行ってきました。
3月18日に『無伴奏』、3月19日に『団地』、3月20日に『オーバー・フェンス』を観ました。3本ともジャンルも時代も違うけど、それぞれに胸にくるものがあるいい映画でした。

一日に何本も映画を観続けることができないタイプなので、もっと観たかったんですが涙を飲んで一日1本に。映画のはしごができる人が羨ましい。

上映後は監督やキャストさんのアフタートーク、その後にはパンフレットを購入した方のみですが、サインしていただけます。希望すれば握手もしていただけます♡

公式サイトはこちら。→ 「ミューズシネマ・セレクション」


『無伴奏』



『団地』




『オーバー・フェンス』



ディレクターチェアに座ったゆるキャラの「トコろん」。可愛い♡
スタッフらしいです。何のお仕事するんだろう~?



館外の自販機も「トコろん」。指揮をしたり楽器を演奏したりしています♪




毎年、詳細な内容や感想を書くんだけど今年はパスします。一応、上映後のアフタートークのメモもあるんだけど、ちょっとお疲れ気味なので撮影した画像のみで。
また来年参加できるといいな~。


第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち『ジヌよさらば~かむろば村へ~』 vol.2

2016-04-29 | 映画/DVD

前回の記事「第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち『ジヌよさらば~かむろば村へ~』 vol.1」からの続きです。

アフタートークとサイン会にも参加したので、そのざっくりとしたレポです。
メモと記憶だけを頼りに書きますので、記憶違いはどうかご容赦のほどを。簡潔にするため、「です」「ます」の表現はカットしています。
司会はぴあの荒木さん、登壇ゲストは監督の松尾スズキさん。レポは敬称略で書かせていただきます。


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※ネタばれがありますのでご注意くださいませ。


松尾スズキさん登壇前に荒木さんから「舞台を観たこと(松尾さんの)ある方~!」と挙手を募り、そこそこ手が上がる。
事前に松尾さんから「聞いて欲しい」と要請があった模様。おそらく『あまちゃん』しか知らない、興味ない勢ばかりかと思っておられたのかも、、
紹介の後、観客席に質問のある方を募るのだが、挙手がなく困る荒木さん。「こんなことは初めてです、、」
会場を温めるため、まずは荒木さんが質問をすることに。

荒木:映画化のポイントは?

松尾:前2作が舞台が東京だったので、田舎の抜け感で撮りたかった。原作者のいがらしみきおさんのファンだったし。1ヶ月で撮った。
   撮影した町の全面協力でどこで撮ってもOK!エキストラも現地の人。通りすがりの人を捕まえて撮ったりした。
   荒川(チンピラ役)の乗っている黄色の車も、現地の方の伝手を頼って用意してもらった。手配できたんだが時間とお金がかかる。潤沢に資金があるわけではないのでありがたい。

荒木:なぜ三谷幸喜さん?(作品中にギャグとして名前が使われている)

松尾:ギャップを狙った。サザエさんの台本を三谷が書いていたのは事実。

荒木:豪華なキャスティングは監督の決定なのか?

松尾:主役の松田は『あまちゃん』で一緒だったし、昔のコネは今使わないと。大人計画は出てもらうのは決めていたし、スケジュールが合わなくてできなかった阿部とやっとできた。

荒木:原作の村長はかなりデブなんだけど、、(作中では西田敏行さんが演じている)

松尾:原作がさほど売れてないのでOK!でっぷりしていていい人がいない。
   松たか子さんは舞台『もっと泣いてよフラッパー』で共演して「いいなぁ~♪」と思ったのでオファーした。自分でキャリーをゴロゴロ引いて現場に来たり、ざっくばらんな人なんだけど、カメラを通すと途端に色っぽくなる。

荒木:東北弁はどうだったのか?

松尾:原作どおり。

荒木:今回で3本目の映画だが、演劇との違いは?

松尾:毎日違う本番があるのが新鮮。だけど、1週間に1回は休みは欲しい‥毎日カレンダーを×で消していった。
   編集のとき、SE音を入れるときがカタルシス!

荒木:自分の役は考えていたのか?

松尾:自分くらいの年でこんな奴はいないので、自分でやったほうがいいと思ってやった。


ここから、挙手があったので観客席からの質疑応答に。

Q:悪役を描くときはどうやって描くのか?

A(松尾):全員悪人。演劇では自分の作るものや人間は多重構造にしている。映画とは違う。

Q:西田さん演じる村長が亡くなった後、お葬式はやったのか?空から降ってくるザリガニは何を表しているのか?

A(松尾):原作どおり。葬式はやったらしい。奇跡の副産物としてのザリガニ。象徴でもある。
  『モテキ』とかのように全部説明する風潮は嫌い。想像の余地があったほうがいい。
  伊丹さんの映画はいい。想像の余地がある。
  
荒木:伊丹さんは海外でも評価が高い。

松尾:塚本さんの映画も好き♪

荒木:今日の(松尾さん)登壇は、高速の事故で間に合わないかもしれなくて危なかった。

Q:映画で何をやるかの基準は?

A(松尾):映画はこれからもやりたい、お声がかかれば。そもそも大人計画は20数年やっていて、小説も書いたりした。
    今度、NHK Gテレでバラエティをやるので観てね♪
    笑いに関することは何でもやっていきたい。演劇はまず小屋(劇場)を2~3年先に押さえて、、それから脚本を書いている。

Q:うららさん(レポーター役)のファンなのだが、女優としてどうだったのか?

A(松尾):マニアックですね~(笑 さすがアナウンサーなので長台詞を一発で決めていた。

Q:松田さんがはまっていたと思うが、他の人を考えていたのか?あと、(村長役の)阿部さんが荷物をバスの車内に放り投げるシーンは原作にあったのか?

A(松尾):松田で決めていた。原作にはない、演出で。

Q:原作は漫画であり得ないシチュエーションなので、感情の作り方はどうしたのか?

A(松尾):リアルに興味はない。もっと‥なことを舞台でやっているので、むしろリアルだと思う。

荒木:現場では俳優に動きもつけるのか?

松尾:銀行のシーン(松田さんがふらふらになって倒れる)とか、実際に動いて見せる。

Q:「パンでパンパン!」が好きなんだけど、あれはアドリブなのか?

A(松尾):アドリブは勇気!受ける受けないは二の次。
    バスで阿部が蹴り出されるシーンも決死の覚悟でやっている。



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購入したパンフレット。インタビューが多め。




アフタートークの後、パンフレットを購入した方限定でサイン&握手をしていただけます♪
観劇した作品や出演された映画の感想を手短に伝えたら、「懐かしいね~」と。
とてもシャイな印象を受けました。 





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以上で~す。ようやくレポ上げ終わりました~!
長々とお付き合いくださった方々、ありがとうございます。
多分、また来年も開催されると思うので参加しますよ~♪
そのときはもっと早く上げられますように、がんばれ自分(笑

            







 







 




 


第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち『ジヌよさらば~かむろば村へ~』 vol.1

2016-04-29 | 映画/DVD

しばらく春の庭仕事に励んでいたもので、ミューズシネマ・セレクションの記事をアップするのが遅くなりました。
では、遅ればせながらアップいたしますね。今回は『ジヌよさらば~かむろば村へ~』、これがラストです。


ミューズマーキーホールにて、第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~『ジヌよさらば~かむろば村へ~』3月21日(月)14:15上映回を鑑賞。

公式サイトはこちら。 → ミューズシネマ・セレクション Part.16

※敬称略。

【企画制作】
ぴあ株式会社 PFF事務局
『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(121分)
【原作】いがらしみきお
【監督・脚本】松尾スズキ
【出演】松田龍平、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、松尾スズキ、西田敏行
【ストーリー】
お金恐怖症になった元銀行マンの青年は、自給自足生活を夢見て寒村のボロ家に住みつくが、この村は異常に世話焼きな村長や写真好きな「神様」など、不思議で濃いキャラがいっぱいだった!
そこで繰り広げられるドタバタ、ハラハラ・ドキドキの数々。


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※ネタばれがありますのでご注意くださいませ。

いやぁ~難しいことは言いっこなし!突っ込みもなし!
ただただ、何も考えずに笑って観るとよい♪
安定の大人計画のみなさんに加えて、このキャスト陣だけでもうお腹いっぱい(笑
それにしても松尾スズキさんの形容し難い動きとキャラは、他の人には真似できないだろうと思われる。
笑って笑って、、でも、寒村の現実や自給自足を夢見る現実を知らないはた迷惑な「ドリーマーな若者」とか考えさせれることも多い。
パンフレットにある原作者いがらしみきおさんの表現、「リアルなファンタジー」にはっとさせられた。
阿部サダヲさん演じる村長の言、「田舎なめてんのか?!」 この一言に集約されているのだろうなぁ、、と思った。
「ファンタジー」だけど「リアル」、「リアル」だけど「ファンタジー」。絶妙な塩梅がおもしろいのだ♪

松尾スズキ監督作品の次回作にも期待してしまう♪


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受付でいただいたパンフレット。










vol.2に続きま~す。 → 「第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち『ジヌよさらば~かむろば村へ~』 vol.2」