前回の記事「第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち『ジヌよさらば~かむろば村へ~』 vol.1」からの続きです。
アフタートークとサイン会にも参加したので、そのざっくりとしたレポです。
メモと記憶だけを頼りに書きますので、記憶違いはどうかご容赦のほどを。簡潔にするため、「です」「ます」の表現はカットしています。
司会はぴあの荒木さん、登壇ゲストは監督の松尾スズキさん。レポは敬称略で書かせていただきます。
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※ネタばれがありますのでご注意くださいませ。
松尾スズキさん登壇前に荒木さんから「舞台を観たこと(松尾さんの)ある方~!」と挙手を募り、そこそこ手が上がる。
事前に松尾さんから「聞いて欲しい」と要請があった模様。おそらく『あまちゃん』しか知らない、興味ない勢ばかりかと思っておられたのかも、、
紹介の後、観客席に質問のある方を募るのだが、挙手がなく困る荒木さん。「こんなことは初めてです、、」
会場を温めるため、まずは荒木さんが質問をすることに。
荒木:映画化のポイントは?
松尾:前2作が舞台が東京だったので、田舎の抜け感で撮りたかった。原作者のいがらしみきおさんのファンだったし。1ヶ月で撮った。
撮影した町の全面協力でどこで撮ってもOK!エキストラも現地の人。通りすがりの人を捕まえて撮ったりした。
荒川(チンピラ役)の乗っている黄色の車も、現地の方の伝手を頼って用意してもらった。手配できたんだが時間とお金がかかる。潤沢に資金があるわけではないのでありがたい。
荒木:なぜ三谷幸喜さん?(作品中にギャグとして名前が使われている)
松尾:ギャップを狙った。サザエさんの台本を三谷が書いていたのは事実。
荒木:豪華なキャスティングは監督の決定なのか?
松尾:主役の松田は『あまちゃん』で一緒だったし、昔のコネは今使わないと。大人計画は出てもらうのは決めていたし、スケジュールが合わなくてできなかった阿部とやっとできた。
荒木:原作の村長はかなりデブなんだけど、、(作中では西田敏行さんが演じている)
松尾:原作がさほど売れてないのでOK!でっぷりしていていい人がいない。
松たか子さんは舞台『もっと泣いてよフラッパー』で共演して「いいなぁ~♪」と思ったのでオファーした。自分でキャリーをゴロゴロ引いて現場に来たり、ざっくばらんな人なんだけど、カメラを通すと途端に色っぽくなる。
荒木:東北弁はどうだったのか?
松尾:原作どおり。
荒木:今回で3本目の映画だが、演劇との違いは?
松尾:毎日違う本番があるのが新鮮。だけど、1週間に1回は休みは欲しい‥毎日カレンダーを×で消していった。
編集のとき、SE音を入れるときがカタルシス!
荒木:自分の役は考えていたのか?
松尾:自分くらいの年でこんな奴はいないので、自分でやったほうがいいと思ってやった。
ここから、挙手があったので観客席からの質疑応答に。
Q:悪役を描くときはどうやって描くのか?
A(松尾):全員悪人。演劇では自分の作るものや人間は多重構造にしている。映画とは違う。
Q:西田さん演じる村長が亡くなった後、お葬式はやったのか?空から降ってくるザリガニは何を表しているのか?
A(松尾):原作どおり。葬式はやったらしい。奇跡の副産物としてのザリガニ。象徴でもある。
『モテキ』とかのように全部説明する風潮は嫌い。想像の余地があったほうがいい。
伊丹さんの映画はいい。想像の余地がある。
荒木:伊丹さんは海外でも評価が高い。
松尾:塚本さんの映画も好き♪
荒木:今日の(松尾さん)登壇は、高速の事故で間に合わないかもしれなくて危なかった。
Q:映画で何をやるかの基準は?
A(松尾):映画はこれからもやりたい、お声がかかれば。そもそも大人計画は20数年やっていて、小説も書いたりした。
今度、NHK Gテレでバラエティをやるので観てね♪
笑いに関することは何でもやっていきたい。演劇はまず小屋(劇場)を2~3年先に押さえて、、それから脚本を書いている。
Q:うららさん(レポーター役)のファンなのだが、女優としてどうだったのか?
A(松尾):マニアックですね~(笑 さすがアナウンサーなので長台詞を一発で決めていた。
Q:松田さんがはまっていたと思うが、他の人を考えていたのか?あと、(村長役の)阿部さんが荷物をバスの車内に放り投げるシーンは原作にあったのか?
A(松尾):松田で決めていた。原作にはない、演出で。
Q:原作は漫画であり得ないシチュエーションなので、感情の作り方はどうしたのか?
A(松尾):リアルに興味はない。もっと‥なことを舞台でやっているので、むしろリアルだと思う。
荒木:現場では俳優に動きもつけるのか?
松尾:銀行のシーン(松田さんがふらふらになって倒れる)とか、実際に動いて見せる。
Q:「パンでパンパン!」が好きなんだけど、あれはアドリブなのか?
A(松尾):アドリブは勇気!受ける受けないは二の次。
バスで阿部が蹴り出されるシーンも決死の覚悟でやっている。
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購入したパンフレット。インタビューが多め。
アフタートークの後、パンフレットを購入した方限定でサイン&握手をしていただけます♪
観劇した作品や出演された映画の感想を手短に伝えたら、「懐かしいね~」と。
とてもシャイな印象を受けました。
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以上で~す。ようやくレポ上げ終わりました~!
長々とお付き合いくださった方々、ありがとうございます。
多分、また来年も開催されると思うので参加しますよ~♪
そのときはもっと早く上げられますように、がんばれ自分(笑
しばらく春の庭仕事に励んでいたもので、ミューズシネマ・セレクションの記事をアップするのが遅くなりました。
では、遅ればせながらアップいたしますね。今回は『ジヌよさらば~かむろば村へ~』、これがラストです。
ミューズマーキーホールにて、第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち~『ジヌよさらば~かむろば村へ~』3月21日(月)14:15上映回を鑑賞。
公式サイトはこちら。 → ミューズシネマ・セレクション Part.16
※敬称略。
【企画制作】
ぴあ株式会社 PFF事務局
『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(121分)
【原作】いがらしみきお
【監督・脚本】松尾スズキ
【出演】松田龍平、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、松尾スズキ、西田敏行
【ストーリー】
お金恐怖症になった元銀行マンの青年は、自給自足生活を夢見て寒村のボロ家に住みつくが、この村は異常に世話焼きな村長や写真好きな「神様」など、不思議で濃いキャラがいっぱいだった!
そこで繰り広げられるドタバタ、ハラハラ・ドキドキの数々。
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※ネタばれがありますのでご注意くださいませ。
いやぁ~難しいことは言いっこなし!突っ込みもなし!ただただ、何も考えずに笑って観るとよい♪
安定の大人計画のみなさんに加えて、このキャスト陣だけでもうお腹いっぱい(笑
それにしても松尾スズキさんの形容し難い動きとキャラは、他の人には真似できないだろうと思われる。
笑って笑って、、でも、寒村の現実や自給自足を夢見る現実を知らないはた迷惑な「ドリーマーな若者」とか考えさせれることも多い。
パンフレットにある原作者いがらしみきおさんの表現、「リアルなファンタジー」にはっとさせられた。
阿部サダヲさん演じる村長の言、「田舎なめてんのか?!」 この一言に集約されているのだろうなぁ、、と思った。
「ファンタジー」だけど「リアル」、「リアル」だけど「ファンタジー」。絶妙な塩梅がおもしろいのだ♪
松尾スズキ監督作品の次回作にも期待してしまう♪
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受付でいただいたパンフレット。
vol.2に続きま~す。 → 「第16回ミューズシネマ・セレクション~世界が注目する日本映画たち『ジヌよさらば~かむろば村へ~』 vol.2」