PARCO劇場で、PARCO劇場40週年記念公演『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』 7月23日(火)開演14:00を観てきました。
※ネタバレがありますので、ご注意くださいませ。
【作・演出】マキノノゾミ
【音楽】清水一雄
【美術】奥村泰彦
【照明】中川隆一
【衣装】三大寺志保実
【ヘアメイク】河村陽子
【キャスト】
佐々木蔵之介:平賀源内
岡本健一:杉田玄白
小柳友:菊千代/佐吉
奥田達士:中川淳庵/僧侶/小野田直武/秋田屋久五郎
篠井英介:おきぬ/瀬川菊之丞/須原屋市兵衛/前野良沢/田中三太夫
【ストーリー】※フライヤーより
江戸の町に、時代を先駆ける天才が二人。
一人は時代を先取りすぎた孤独な男、平賀源内。もう一人は学究肌の真面目な男、杉田玄白。
男同士の友情と崩壊を通して描く、男の生き様とは・・・・・・!
公式サイトはこちら → 『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』
特設サイトはこちら → 『非常の人 何ぞ非常に~奇譚 平賀源内と杉田玄白~』
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客入れは60~70'sと思われるPOPS。休憩時間にも流れております。
舞台美術は第一幕は、陰間茶屋。華やかな飾り格子に緋毛氈。第ニ幕は、平賀源内の自宅。高い天井に大きな梁、左右の壁いっぱいに書物の詰まった棚と梯子。
幕中に転換はなく、黒子さんが小道具などを片付けや準備をしていました。
暗転前にかかる曲は基本、ロック。ギターやベースがギュイ~ン! ☆新感線かと思ってしまいました(笑
平賀源内役の佐々木蔵之介さんの衣装が粋な柄の着物でしたね♪ 波紋のような柄物とか。こういったデザイン色の強い柄もあるんですね。
マキノノゾミさんご本人もおっしゃっておられるように、マキノ節全開のどストレートな芝居です。真っ向勝負の直球。熱いです!
M.O.Pを彷彿とさせるような「男!漢!侍!」な感じ。
第一幕は、元禄時代の洒脱な風情が感じられ、軽めの笑いが中心で気楽に観ていられます。第ニ幕は、平賀源内の歯車が狂っていくさまが描かれています。天才なのに不遇なまま生涯を終えることになった平賀源内、しかも最後は獄中死。
早すぎた天才と実直な秀才、モーツァルトとサリエリのような、男同士の友情の物語。
ラストシーン、杉田玄白の独白は少々、気恥ずかしくなるほどのどストレート。その直後の号泣にうるっと。。ときたところで、「えっ?!」という展開に。
ぽん!と洒落っぽく終演。小粋な終わり方だな~と。こういう感じ好きです♪
個人的に笑えて好きだったのは、第一幕で杉田玄白と中川淳庵が「ターヘル・アナトミア」の翻訳に行き詰まり、平賀源内に会いにきて二人で「あぁ~!」と嘆いているところ。当の本人たちは真剣そのもの。でも、それを端で観ていると可哀想だけどおかしいわけで。
キャストさんは男性5人のみ。無駄にわちゃわちゃした感がなくてよいです。まとまりもあっていいカンパニーなんだなと。
何気に小劇場系の方が多いですよね。作・演出のマキノノゾミさんと奥田達士さんは元M.O.P。佐々木蔵之介さんは元惑星ピスタチオ。篠井英介さんは元花組芝居、現3軒茶屋婦人会。
奥田達士さんと篠井英介さんは役数が多く、それぞれの役のキャラクターを、短時間できちんと演じわけておられてすごいなぁ。。と。やっぱり上手いです。
篠井英介さんの女形は絶品です♪ 見目も所作も美しい。
小柳友さんは初めて観たのですが、菊千代(佐吉)の陰とか闇の部分がよく出ていてよかったです。お綺麗でしたし、大きいけど(笑
岡本健一さんは意外とコミカルな役もお似合いでした。
佐々木蔵之介さんは洒落っ気と色気、プライドと寂しさを合わせもつ複雑な平賀源内を好演されておりました。
カーテンコールは1回。
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フライヤー。
パンフレット A4判1200円也。
用語解説やマキノノゾミさんと夢枕獏さんの対談など。キャストさんのお写真では、個人的に、佐々木蔵之介さんのキメ顔とツツジに囲まれて微笑む篠井英介さんが好きです♪
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劇団M.O.Pはもうすでに解散してしまいましたが、好きな劇団のひとつでした。特に、『黒いハンカチーフ』が好きでした。といっても、実際に劇場で観たわけではなく映像のみですが。。
ここのブログ内に、NHK ハイビジョン特集で放送された、解散公演に密着したドキュメンタリー『さらば八月のうた 青春が終わる日』を観た感想記事がありまして。今でも時折、検索でいらっしゃる方がおられます。ちょっと感慨深いです。
そのときの記事はこちらです。 ドキュメンタリー『さらば八月のうた 青春が終わる日』