早咲きの 萩や 季節を 知らぬげに
「見て下さい。もう萩が咲いたんですよ。」
奥様は、うれしそうに言います。
私はカメラを向けて、
「ハイ、ポーズ」
非の打ちどころのないまっさらの花と葉っぱが
しっかりと写っていました。
早咲きの 萩や 季節を 知らぬげに
「見て下さい。もう萩が咲いたんですよ。」
奥様は、うれしそうに言います。
私はカメラを向けて、
「ハイ、ポーズ」
非の打ちどころのないまっさらの花と葉っぱが
しっかりと写っていました。
早咲きの 萩や 季節を 知らぬげに
「見て下さい。もう萩が咲いたんですよ。」
奥様は、うれしそうに言います。
私はカメラを向けて、
「ハイ、ポーズ」
非の打ちどころのないまっさらの花と葉っぱが
しっかりと写っていました。
木槿（むくげ）生い 猫が横切る ツタの家
空き家が繁華街のすぐそばにあるのは、不思議な光景です。
住む人がいない家がツタに絡みつかれて、すっかりおおわれています。
緑に隠され、締め付けられ、小さな戸口がわずかに、なにかを訴えています。
二匹の猫がやってきて、無関心にすれちがう。
崩れそうな門柱の裾で、不意に二匹は顔を見合わせる。
もう何年も誰も出てこない家の中から、
とつぜん、ピアノ曲が流れてくる
昼下がり
小さな花が好き。小さな花がいっぱい咲いているのがいい。
大きな花だと、そのたたずまいが気になってしまう。
ほら、背筋を伸ばして、もう少し、空を見上げて！
うーん。素敵だけど、そのシミが難点ね。
なんだか、少し時期を過ぎていない？
★
小さな花が好き。小さな花がいっぱい咲いているのがいい。
白い花がいい。
神様が、パレットに絵具を出して筆をつけようするのを待たないで、
勝手に、咲いて出てきちゃったみたいなのがいい。
ぼーっとしている群れが、
ある日、
すっかり消えている。
まるで、小さな蝶の群れが、いっせいに飛び立ったみたいに！
その日が夏の始まりだったりするのがいい。
植物には年齢がないと、聞いたことがある。
新芽から茎が伸びて、ぐんぐん伸びて、葉が繁茂し、つぼみがついて、
ああ、紫陽花だ。今年も紫陽花が咲いている。こんにちわ。
みずみずしくてきれいね。いいねえ。若い紫陽花！
別に若くないわ。去年も一昨年も咲いていたのよ。
この庭で、もう３０年も生きているわ。その前は、
坂道の下にある古い家の門の外にあったのよ。ショウワの中ごろだったかしら。
その前は、鎌倉の近くの裏道の脇にも咲いていた。
ええ！
あなたいくつ？
さあ、そうね。
私たちに、年はないのよ。「死」も、ね。
