ネットで自殺願望者と知り合い、彼らを釣り上げるようにして自分に引きつけ、
あらかじめ計画した場所で、計画したように、殺害したらしいというニュースに
ショックを受けた人は多いと思います。
じっさい、この地上には、どんな出来事が起きても不思議ではないのは、
歴史をちょっと調べただけでも、知ることができますが、
一見平和なこの日本で、わずかな騒音にも、ていねいなサ―ビスにも、
目に見えないウイルスの可能性にも、
細心の注意を払って、しずしずと生きている市民が多いこの日本で、
「こんなことが、あるの!!」と、さとうも驚いているのです。
ネットは、私にとって全く新しいツールです。
クリック一つで情報やメールが何千人にでも拡散できるなんて、
アナログ世代には、まだ、信じられないのですが、私も一応SNSも使っていますし、
このようにブログも利用しています。しかし、ネットで世界に知人ができるということは、
「愛ある関係が増えることではない」のは、自明です。
ですから、
どれほど、ネット上での知り合いが増えても、自分の書き込みに「いいね」が増えても、
本当の慰めや癒しにはなりません。
「死にたいのです」と投稿する人たちの寂しさの多くはほんとうなのでしょう。
そして、「僕もです」「私もです」と共感の投稿を読んで、それ自体は、慰められるのかもしれない。
けれど、それが永続性のあるものかどうか、本人が一番よくわかっているのでしょう。
本当に風を避けたい時は、ビニールシートだって、ないよりあったほうが楽になります。
のどが渇いて死にそうなときは、ミネラルウォーターにこだわってはいられないでしょう。
ネットで寂しさを訴えて、癒しを求めて、仮に誠実な人から返信をもらっても、
じっさいに知り合って、付き合って、結婚して、家族もできて・・・
それでも、「孤独」だと気がつく日が来るかもしれません。
★ ★★
ネットでの知り合いは、楽な関係です。自己紹介も名前も、嘘でもかまわないのです。
性別や年齢のような事実さえ、だませるかもしれません。
住所や出身地や、勤め先や、学歴や、家族関係、財産も明かす必要がありません。
自分をうまくカモフラージュできるように、相手の「事実」も、カモフラージュされているわけです。
相手が、幽霊か、獣か、狼か、あるいはただの幻である可能性は、あるのです。
「行きずりの知り合い」と言うことばは、昔からありました。
酒場や街路で、出会った相手と、いっしょにお酒を飲むとか、ときには、一夜を共にする・・・、
そのような危うい出会いは、人の暗い部分をふるい立たせるロマンがあるのです。
しかし、それが夢であり幻想であることを、ふつうはみんな「知っている」のです。
★★
ネットでの出会いが、三文小説の「行きずりの出会い」と
どれほども変わらない、かもしれないのです。
少なくとも吟味してみる価値は、あるのではないでしょうか。
犯罪をそそのかす悪魔は、どこにでもいます。
年配者には、手を替え品を変えて、「振り込め詐欺」が生まれているように、
ある意味、悪に免疫のない若いナイーブなたましいから、だまし取る者がいると思います。
わずかなお金ならともかく、いのちまで奪われてはおしまいです。
いのちを下さった神様、お父さんお母さん、育ててくれた社会や学校や、先生や友人の悲しみを、
想像してみてください。 、
私の小説「世界はだれのもの」をふくむ、短編集1を
明日(金曜日)の午後5時から来週月曜日の午後4時まで、
ゼロ円で販売をいたします。
ネットで知り合った「怪しげな自殺請負人」から、間一髪で逃れることができた女性の話しです。
読んでいただけると感謝です。
アマゾンの販売画面から、さとうまさこ「短編小説集1」で検索して、お求めください。
直ちに、無料の読書アプリをダウンロードして、PC,スマホ、タブレットで、お読みいただけます。
読書アプリは、アマゾンで販売されているほかの電子書籍も、所蔵できる読書アプリです。
ぜひ、この機会に、お試しください。