アゴーからバギオまでは、30キロほどです。空は青空で快適ドライブでした。昼過ぎにバギオに到着。
町の繁華街の正面にバギオのカトリック教会があります。
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バギオのモールで、グレイグ先生が合流。山間の低地に教会を四つほど開拓している牧師で、現在ピトという地に教会堂を建てているので見に来てほしいとのことです。
ダムで水没した地帯を左に見て、山沿いの幹線道路を上り下りすること三時間、小さなとがった地に教会がありました。
土台に鉄骨や柱が立っていました。使いかけのセメントなどの資材が置かれています。
すべて先生と信徒の手作りで、時間のある日に山越えしてきた信徒などと少しずつ建てているのだとのことです。
グレイグ先生は無口で、牧師としてうまくいかず、若いころには教会の役員たちに牧師をやめさせられて、故郷で農業をしていたこともあったとか。誠実に伝道し、黙々と力仕事をして手作りで教会を造ってきたその姿勢をS牧師は高く評価していました。
大工仕事の大変さは言うまでもなく、すぐ横にある民家でさえ傾斜地に建っているのに、(彼らにとっては大切な)猫の額ほどの平地を、献納した人の信仰の深さを思わされました。
現在使っている会堂で礼拝が始まりました。
日本で言えばバラック小屋でしょうか。
平日の昼間で、そばに住む信徒だけの集まりでしたが、グレイグ先生がギターを取って賛美を歌いだすと、その声に圧倒されました。
決して歌がお上手というのではありませんが、なぜか、突然、ぞくぞくと体がふるえ、涙がこぼれました。
さとうは、決して感情的な信徒ではないので、ちょっと驚きました。