料理の話しはさておいて・・・BS松竹東急で石坂浩二さん主演の金田一シリーズ5作品一挙放送をやっておりまして、昨日は第一作「犬神家の一族」(1976年)、今夜は「悪魔の手毬歌」(1977年)だったのですが、私は個人的邦画ベストワンが「犬神家の一族」だと思っていて、過去何度も犬神家を観ても毎回「面白いなあ」と感じるので、今回も正座して視聴している訳ですが、
昨今世間を揺るがせている話題といえば「ジャニーズ問題」です。この石坂金田一映画、犯人の息子の準主役・犬神家の本物スケキヨ役が、あおい輝彦さん。初代男性アイドルグループ「ジャニーズ」のメンバーで、子供の頃少年野球をしていて、その指導をしていたのがジャニー喜多川氏。その少年野球チームの名前を「ジャニーさんが監督なんだし、ジャニーズでいいんじゃない」と提案したのがあおい輝彦さんなんだそうで・・・いわば昨日無くなることが決まった「ジャニーズ」の名づけ親なんですね。
そして今夜放送された「悪魔の手毬唄」で犯人の息子役が、のちにあの有名なジャニーズの内幕を暴露した本「光GENJIへ」(1988年)を出版した元「フォーリーブス」の北公次さんなんですね。
「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」を二夜連続で見て、これはなんという偶然・・・。ジャニーズが消滅した記者会見前後で、あおい輝彦さんと北公次さんの映画が!
そしてこの二作とも愛と欲、憎しみ、すでに亡くなった人が生きている人たちを右往左往させる。「犬神家」に至っては、元々愛憎劇を生み出す事となったのは、神社の神官、野々宮大弐と拾われた美少年、犬神佐兵衛の衆道が原因だったのですよねえ。なんか映画と今の現実世界が相まって、原作者横溝正史さんの視点ってスゴイなあと今更ながら思うのです。
私が石坂金田一シリーズが好きなのは推理劇やスリラーが面白いのではなく、横溝正史・市川崑作品特有の日本の歴史から続く暗部・家族を描いているからなんですよね。そして現代日本で暴かれているのも皆が見て見ぬふりをしていた「日本の暗部」。この先どうなるのでしょうか。
そして私はこんな古いトランクを持つほど金田一好き。でもこれ持ってたら「金田一さん」じゃなくて、「寅さん?」といわれますが(笑)。