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2019-08-01 18:28:29 | 教育
特別支援学校の生徒急増 施設不足が深刻化 埼玉

毎日新聞2019年7月31日

 埼玉県内で特別支援学校に通う生徒が急増し、受け入れ施設の不足が深刻化している。県は学級の増設を進めるとともに、2021年度に県内で初めて普通科高校敷地内に特別支援学校を設置し、障害児と健常児がともに学ぶ「インクルーシブ教育」の旗艦校としたい考えだ。参院選で重い障害を持つ候補者が当選し、共生社会への関心が高まる中、識者は「施設の確保と教員の質向上も必要だ」と指摘する。

 県教育委員会によると、特別支援学校に通う児童・生徒の7割を占める知的障害の児童・生徒数がここ10年間で増加を続けている。08年度には3597人だったが、18年度には5896人と1・6倍になった。

 県内には46の特別支援学校があり、知的障害に限ってもこの10年で5校が新たに開設された。だが県高校教職員組合の坂本修中央執行委員は「学校、教室、教員いずれも足りない『3ない』だ」と訴える。一つの教室を間仕切りで分けて使用する例もある。「算数を学ぶ教室の脇で音楽をやるなど現場対応は限界で、廊下で体育をやっている学校もあるくらいだ」と明かす。

 県教委は18年度までの10年間で知的障害対象の特別支援学校の学級数を774から1163に増やした。今後も21年度に戸田翔陽高敷地内に特別支援学校の新設を予定。また松伏高に特別支援学校の分校を開設し、移転した肢体不自由児向けの旧岩槻特別支援学校の校舎を知的障害向けに再利用する。

 ただし、県は26年度までにさらに約1000人の児童・生徒が増加すると推計しているが、現在はこの3校490人以外の新設計画はない。

 そもそも、なぜ知的障害の生徒数が増えているのか。細渕富夫・埼玉大教授(特別支援教育)は「発達障害が広く知られるようになったことを受け、引っ張られるように知的障害への認知度も高まっている」と言う。特別支援学校への抵抗感が薄れ、軽度の知的障害児童の入学が増えているとみられるという。

 一方、学級数増加に伴い教員の質が問題になる例もある。細渕教授は「特別支援教育の専門性がない臨時採用の教員で回している現場がある。毎日ドリルをやらせるだけの例もある」と話す。

 インクルーシブ教育についても、現状では行事の交流にとどまっている。小松弥生・県教育長は記者会見で「高校内の分校で合同マラソン大会を開いたり、(実習の)パンを販売したり、お互いに良い影響が出ている」と成果を強調するが、例えば神奈川県では、17年度から県立高3校で知的障害の生徒を毎年数人~十数人、面接のみで受け入れ、健常者と同じ授業を40人学級で受けて補助教員が支援に加わる。細渕教授は「インクルーシブ教育は本来、同じ教室で学びの場を共有するもの」と話す。

 県内の学校はどのような共生のあり方を目指すのか。県教委の教育政策に注目が集まる。