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観光客が行列する「海員閣」、牛バラカレーの「保昌」、500円ランチの「謝謝」など人気店が連なる香港路。大半は小型の店ですが、そんな中で異彩を放っているのが「順海閣新館」です。 このゴチャゴチャした路地ではひときわ大きなビルとして、その存在が目立ちます。というのも、実はここはかつて銭湯だったから敷地が広いのです。私の手元に昭和51年頃の地図があります。それによると、現在の「順海閣新館」のある場所には「山元湯」という銭湯がありました。これについては2004年2月5日の記事に書いていますので、どうぞ参考としてご覧になってみてください。 山元湯の記事(2004.02.05) 以前の「順海閣新館」では安いランチが食べられたのですが、いつの頃からか食べ放題が主流となってしまい、最近はほとんど足を向けたことがありませんでした。ところが、なにげなくショーウィンドーを眺めていたら「スーラータンメン(840円)」というメニューが眼に飛び込んできたのです。 「コレは何だろう?」 漢字で書くと酸辣湯麺(あるいは酸辛湯麺)となるようで、読み方はスーラータンメンともサンラータンメンとも呼ばれるようです。酸っぱくて辛い汁そばという意味でしょうか。気になるので久々に入ってみました。
ご覧のように具は豊富です。海老・豆腐・椎茸・キクラゲ・ニンジン・グリーンピース・玉子・タケノコ・ハム、それからあとは、よく分からない食材、緑色したタケノコのようなものが入っていました。なんと10種類です。 スープの酸っぱさは「酢」、辛さは「辣油」で出しているのでしょうか。この味付けで10種類の具がトロミをもってまとめられています。サンマーメンの場合は中央付近に乗せられた具だけにトロミをつけていますが、酸辣湯麺は上から下まで、スープ全体がトロミ状態です。深酒したあと路地裏で吐く“小間物”を思い出せば分かると思います。(そういえば、あの小間物も酸っぱいですよね) 見栄えはイマイチかもしれませんが、お味の方は☆☆☆☆☆でした! 日本蕎麦屋の「あんかけ蕎麦」か「卵とじ蕎麦」のようでありながら、あれほど単純ではない、複雑なスパカラ(酸っぱくて辛いという意味)がクセになりそうです。 ![]() 結局、このスープ、最後まで飲んでしまいました。こんなことって、あまりないのですが、食べ終えたあと、もう少し、もう少しとレンゲですくいながら、とうとうここまで飲んでしまったのです。写真には撮っていませんが、最後はドンブリまで舐めてしまいました。隣席の客の冷たい視線を浴びたことは言うまでもありません。まさに『辛酸を嘗め尽くす』とはこのことでしょう。違うか、酸辛湯を嘗め尽くすでした。 ところで、順海閣は、崎陽軒にシウマイの造り方を伝授した“元祖シウマイ”で知られています。お店のテーブルには、その歴史を書いた紙が置いてありました。そこから抜書きすると… 『シウマイ翁とし名を残す呉遇孫(順海閣創業者・呉笑安の父)が崎陽軒の要望に応えて美味しいシウマイを作ろうと日夜努力しましたが、満足した味が得られませんでした。ところがある日、何気なく貝柱を混ぜて食してみたところ、素晴らしい味のシウマイに出来上がり、今日の横浜を代表する味を作り上げました』 あの崎陽軒のシウマイには、このような歴史があるのですが、他にも醤油を入れる容器「ひょうちゃん」や、赤い制服を着てタスキをさげた「シウマイ娘」など、話題には事欠きません。それらについては、別稿で改めて書いてみたいと思います。 ![]() 「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒ ![]() |
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