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むかしは酒を小売する酒店が町中にたくさんあり、仕事帰りの私たちは、そこでよく立ち呑みをしていた。 私が贔屓にしていた店は何軒かあり、なかでも関内駅近くの「S酒店」には足しげく通った。店舗の半分以上が立ち呑みスペースで、そこには薄給サラリーマンたちが夜ごと集まっていた。 他社、他業種の方々としばしば顔を合わせているうちに、いつとはなしに仲間意識が芽生え、なんとなく“お立ちコミュニティ”が出来上がっていった。 長時間“お立ち”で呑んでいると、どうしても足が疲れてくる。そこで私たちは、片足を浮かせて休ませながら酒を呑むことになる。そんな姿から「フラミンゴの会」などと名づけたグループもあった。 しかし会社組織などとは違って、規則があったり固定の会員がいるわけではなく、緩やかな集まりだった。 最近の立ち呑み状況はどうなのだろう。町中の酒店がコンビニに転換してしまい、仕事帰りに「酒店でキュッ」という人も減ってきているのではないだろうか。 一方、飲食店としての「スタンディングバー」などは、最近の経済状況を反映してか増えているし、新しいスタイルの店も登場して盛況のようである。 そんなニューウェーブの魁として登場したのが、6,7年前、関内駅前にできた「キュヴェ」。酒店の半分を改造して、洋風でスタイリッシュなスタンディングバーがオープンしたのである。(現在、酒店部分はなくなっている) ベッカム似の店長、安藤美姫似のおネエさん、洋酒などさまざまな品揃え、おしゃれなツマミ類、ボサノバのBGM…などなど、若い人たちも簡単に立ち寄れる雰囲気が人気となり、女性の一人客でも飲みに来るようになった。 これがきっかけとなって、洋風立ち飲み屋さんが続々とオープンした。私の記憶が正しければ、2店目は弁天通りのノーチェアだったと思う。ここには何故か、「キュヴェ」のおネエさんがいた。 その後、太田町の「虎」とか、住吉町の「コトブキヤ」などが続いたが、これらはあくまでも飲食店としての「立ち飲み」だ。酒類は原価ではないし、ツマミ類もキッチンで調理したものが提供される。 しかし私たちの原点は、あくまでも小売店としての酒店で、一合升に注いでもらった日本酒をその場で呑むというスタイルだ。最近は量り売りする店も少なくなってきているので、その場合はワンカップを購入する。ツマミだって調理されたものではなく、店で売っている缶詰や乾き物の類。 こういう呑み方を「角打ち」という。 さて、そんな角打ちから遠ざかって久しいのだが、先日、急に思い立って酒屋に出かけてきた。遠征先は元町の「愛知屋」である。冒頭の写真がそれだ。 ![]() 店内の左側に背の高いカウンターがあり、自分が購入した酒をここで呑むことができる。カウンター下にはステンレス製のバーが設置されているので、お客さんは片足を乗せて休ませることもできる。 天井からは、まるでドライミストのように、軽いジャズが降り注ぎ、ここが角打ち場とは思えないような雰囲気だ。かなり洋風にアレンジされている。 普段なら日本酒を注文するところであるが、こんなお洒落な酒店だから、ついビールなどを頼んでしまった。さすが元町の角打ち、グラスだって違う。 とは言うものの、やっぱり私のような労働者には雰囲気が合わない。酒店での角打ちではあるが、どこか今風のお洒落なスタンディングバーのような感じがするのだ。 ![]() 一方、こちらは寿町。かつては“日雇い労働者の町”とか、山谷・釜ヶ崎(あいりん地区)と並ぶ日本の三大ドヤ街の一つとか言われていたが、最近は住民の高齢化に伴い「福祉の町」とも評されるようになっている。 昔はかなり荒れた感じだったので、その頃のイメージを持ったままの人は、なかなか足を踏み入れたがらないようだが、今ではかなり落ち着き、のんびりとした雰囲気になってきている。 空室の目立ってきた簡易宿泊所をホステルとして転換し、外国からのバックパッカーや、大会に参加する運動部の学生たちが利用するようになり、町内を歩く人々の姿も変わってきた。 そんな町で、私が唯一気軽に入れる酒店が、この「山多屋」である。営業時間は朝9時から夜7時まで。仕事帰りに立ち寄るには、残業などせずサッと帰宅できる場合に限られてしまうが、朝からフリータイムという人には充分過ぎるほどの時間である。 ![]() ワンカップ大関、230円。切っただけのトマト、60円。 お客は単独での来店がほとんどだが、黙って呑んでいる人は少なく、見知らぬ客でも気軽に話しかけ、なんとなく仲間内で呑みに来たような雰囲気にさせられてしまう。 それでも、たまには激しい言い争いなども発生したりするのだが、お店の方のとりなしによって、すぐにもとの穏やかな雰囲気に戻る。 ![]() 立ち呑みのあとの〆は、「さなぎの食堂」で食べる寿カレーライス。 300円! まともなカレーライスに、味噌汁・小皿・タクワンまでついて、この値段である。素晴らしい! 【2019.3.15追記 ここは閉店しました】 ![]() 近くには、さらに安くランチが食べられる店もある。 K2が運営するお好み焼き「ころんぶす」だ。 K2といっても、バッグで有名なあの「キタムラ」とは違う。もちろん総合格闘技「K1」の2軍でもない。 運営主体は、ニートや引きこもりなどの若者を支援するK2インターナショナルジャパンという会社。 店は石川町駅と寿町地区の間に位置し、昼間はなんと250円でランチが食べられる。名づけてニコマル・ランチ。 ![]() これは別な日に食べたカレーと牛丼の愛盛り丼。カレーに牛丼の甘辛風味が加わって、素晴らしい一品に仕上がっている。250円とは思えないほどの味わいだ。 しかし、私たちはただ安さだけを享受していてはいけない。そう、ここは“ニートや引きこもりなどの若者を支援する”という大きな目的があるのだから。 お客さんの方にもそれなりの支援策が用意されている。このニコマル・ランチが10回食べられるニコマル・チケットを3000円で購入するのだ。 本来なら2500円分のチケットなのだが、それを3000円で買うことによって、差額の500円分が就労支援に役立つ。 中華街で300円ランチ、500円ランチを食べたら、今度はニコマル・チケットで愛盛り丼を食べたいものである。 【追記】 その後、システムが変わり、会員登録(年間1,000円)すると1食250円ということになった。 もちろん会員にならなくてもいい。その場合は1食300円だ。 //////にこまる食堂とは/////// ![]() 「ハマる横浜中華街」情報はコチラ⇒ ![]() |
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だからと言ってKIRIN Freeじゃねぇ、、。
私も愛盛カレー食べました、250円とはホント衝撃価格でしかも美味しかったです。
それと、キュウベ、ノーチェアーの女の子!
思い出しました。たしか、アッコさんです。
彼女はお酒勧めるのウカマッタなぁ。
ついついもう一杯飲んでしましました。
なつかしいです。
ここで売ってるものを購入してその場で飲む。
それが、お茶でもいいのですよ。
あるいはジュースでも。
ほんとうに上手でしたね。
そして記憶力が良かった。
お客のことをよく覚えていました。
今は東京の店にいるのでしょうかね。
なんて素晴らしいレポ!!!
「ふむふむ。なるほどーーー」と声に出して読んでしまいました。
ニコマルチケットとはそういうことなんですね。
250円でとっても安いランチだったんだですけど・・・
なんかお尻が落ち着かないっていうか、この恩恵を普通に受けてていいのかな?なんて思いながらのランチだったんです。実は(~_~;)
チケット買いたいと思います♪
それでも安いし(^^ゞ
1食あたり300円ですから、破格の安さですよね。
でも、ここは夜も行ってあげないとね。
ただし、夜はニコマルチケットが使えません。
酒飲みは、ほんとうにあちこち
お店を探し回り開拓する習性がありますよね!
桜木町~石川町あたりは、飲食店の物価が安く
酒飲み天国ですよね!
美味いもの、良いお店の選択肢が多すぎ(笑)
やはり、この辺に出没しているんですね。
私も選択肢が多すぎて、いつも迷っています。