ικμτの通っていた小学校の学級文庫に、のらくろがあった。
ικμτは見事のらくろにはまり、カタカナの旧仮名遣いで文章を書いていた。
もちろん、文字も横書きで右から左に書いていた
ικμτの身内にもそれを使い、見事ικμτの文章を解読できたのは、小さな頃から私の書いていた漫画になれていた妹と、大学の国文学科を出た友人だけだった。
しかし部下にあそこまで親切な連隊長や中隊長、そしてあんなに家庭的な内務班はどこにもないだろうなあ。
きっとクラスで浮いていた私にとって、のらくろの所属していた猛犬連隊は、自分にも居心地がいい集団に見えたのであろう。
そんなことを不意に思いだしたικμτであった。