封建時代の頃の親父には権威があった。
そう、磯野家の波平さんのように。
波平さんの声を当てていた永井一郎さんが、大学での講演したとき、学生たちががやがや騒いでいたそうだ。
そして永井さんが波平さんの声で、「馬鹿もん!」としかりつけたら、学生たちが「波平にしかられた!」といって喜んだそうだ。
子供というものは、尊敬できる親父であれば、悪いことをすれば親父にしかってもらいたいのが人情なのかなあと思う。
ちょうど、母親の懐に抱かれて、優しい愛情に浸っていたいように。
最近妙に親父が懐かしい。
こないだ墓参りに行ってきたばかりだというのに。
そういえば今日は父の日。
何の因果でこんな文章を書いたのだろう?
きっと親父が草葉の陰で、「俺を思い出せ!」と、語りかけているのかなと思います。