先週は、週末の天気を気にしながら毎日を過ごしていた。天気が良ければ、天城山のアマギシャクナゲを見に行こうと計画をしていたのであった。ところがしばらく土日とも天気が悪いという予報が続いていたので、半ば諦め気分でいたのだが、金曜日に突如、土曜日は晴れるかもしれないと予報が変ったのだ。それじゃ行こうかと、そそくさと準備を整えて、静岡県は伊豆の天城高原を目指したのであった。早朝4時に起床して5時前には自宅を出発、東名高速の厚木インターを目指す。早朝にも関わらず交通量が多いのに驚く。9時前には天城高原ゴルフ場前の駐車場へ到着した。早朝だったつもりだが、既に駐車場はほぼ満杯。かろうじて数箇所空きがあったのでラッキーだったが、この後に来た人達は、駐車場内の隙間やら路上駐車を余儀なく強いられていたのがかわいそうであった。身支度を済ませて、登山道へ向かう。標高で1400m程度のお手軽の山が何故、深田久弥が百名山認定したのか興味があるところだ。伊豆の踊り子の舞台でもあり、越すにこされぬ天城越え、どんな山行になるのだろうか。
本来ならば、天城越えをしてみたいところだが、そうすると総延長17キロ程度のロングなトレッキングとなる。駐車場へと戻ってくることを考えると、万二郎岳、万三郎岳を回って一周するコースになってしまう。時間にして3~4時間程度だ。いつかは縦走しようと思いながら、まずは最初のピーク、万二郎岳を目指す。シャクナゲは最初は中々お目にかかれない。その代わり目に付くのがヒメシャラの木だ。肌色で妙にセクシーな樹木なのだ。このヒメシャラの木がいたるところにニョキニョキと生えている。一部では林と化していてとても妙だ。思わずカメラのシャッターをバシャバシャと切ってしまった。標高で言うと1200m付近をしばらくダラダラと歩いて行くが、山頂直下からぐっと角度が上がった。
万二郎岳の山頂は割りと広々としていたが、シャクナゲの時期のせいか多数の登山者で賑わっていた。休憩するスペースも少なくここは素通りすることとした。眺望は望めず、新緑まぶしい林間の中を先に進む。下り際にチラリと見えたのがニッポンの象徴、富士山であった。天気は晴れてはいるものの、ガスが多くてイマイチすっきりとしないが、ここから見えた富士山は雲に浮かぶなんとも素晴らしい富士山であった。一気に高度を下げて、しばらくは平坦なコースを辿る。万三郎岳が近付くに従って、ポツポツとアマギシャクナゲが姿を見せてきた。淡いピンク色、もしくは白に近い色の花だ。時期としてはギリギリだったかもしれない。散りかけた樹木もたくさん見受けられた。もう来週はどうかな、といった感じだ。やがて急登となったが、ここにもシャクナゲが咲き乱れており、写真を撮る人、眺めている人で渋滞気味だ。どうにかすり抜けて山頂に到着したのだが、山頂も人、人、人。こりゃゆっくりすることも出来ないかな、と思っていたが、どうにかスペースを見つけて楽しいお昼の時間となったのである。
本日のお昼は、昨晩スーパーで売れ残っていたソフトバケットのオープンサンドイッチだ。レタスとハム、ツナを好きなだけ挟んで食べるのだ。カボチャのポタージュに、一口大のトマトと山頂とは思えない充実振り。最高に幸せな瞬間ではあったのだが、虫がもの凄く多くて、結果的にはあまりゆっくりと食事している場合ではなかった。食後にコーヒーを入れて、柏餅を楽しむ予定だったが、虫の多さにさっさと終わらせて撤収を強いられた。これからの時期は虫が多くなるのが難点である。
万三郎岳からはほんの少し眺望が望めるが、まだ雲が多く、ガスっているので遠くまで見渡すことができなかった。それでも雲海チックな眺望はちょっと刺激的だ。ここからはシャクナゲコースをゴルフ場まで目指すことになる。シャクナゲもチラチラと点在し、楽しませてくれる。駐車場までのコースは下りだけかと思いきや、アップダウンが多くて飽きさせないコースだ。途中、二十数名のパーティーを追い越したのだが、道幅も狭くて、気を許すと滑落しそうなところも多数あった。侮れないぞ、天城山。途中、ヒメシャラの群生地もあってホント楽しめる。13時半には万二郎岳登山口まで戻ることができ、ここから駐車場へはもうすぐである。車に戻って、本日のお宿は沼津市内のビジネスホテルを目指す。せっかく伊豆まで来たのだから温泉でも、と思ってもみたが、沼津で上がった新鮮な魚を自由に食べてみたい、と思って、あえての選択であった。
沼津市外へ戻る途中のベゴニア園にて天城山の登山記念バッチをゲット。ホテルへ到着したら、早速熱いシャワーを浴びる。程よい空腹感で時間を確認すると17時、まさにグッとタイミング。予め調べておいた地元の海鮮居酒屋を目指した。新鮮な刺身と煮付けに地酒、至極の時間だ。開店してすぐに入ったので、しばらくはボクらだけしかお客はいなかったが、あっという間に満席となった。いやぁ~、ホント美味しかった。また機会があったら訪れてみたい居酒屋だ。
翌日の日曜日は特に予定も組んでなかったので、帰り際に御殿場のアウトレットに寄ることにした。冷やかし気分でブラブラとウィンドショッピングを楽しんでいたのだが、ついに見つけてしまった欲しかったモノ。ティンバーランドの靴が半額以下。こりゃ買うっきゃないでしょう、と意思即決。思わぬ良い買物が出来たことに超満足。百名山を登ったことも忘れて、ウキウキしながら帰路についたのであった。
いつかは縦走してみたい、「あなたと越えてみたい天城越え♪」、その時は温泉でゆっくりとしてみようと思っている。