今年初めての山歩きは、東京の明峰、高尾山と決めていた。子供の頃からもう何度となく登っているが、ウォーミングアップ代わりには調度良い山と思って決めたのだ。ただし普通の観光案内に出ているような正面切ったコースは面白くないので、ちょっと裏側から登ることにした。このブログを始めたきっかけも高尾山だった。その時は陣馬高原からのアプローチだったので20キロは歩いたことになる。今回はもっとお気軽に、ということで、JR高尾駅からバスに乗り、小仏で下車してまずは小仏峠に登る事にした。
読んで字の如く、この峠は小さな仏様が奉られていることから名がついたようだ。江戸時代街道の要である関所もあったらしく、この峠が旧甲州街道だ、という説もある。武田信玄の甲斐の国と徳川治める武蔵の国の境目でありこの峠の前後には影信山、城山、高尾山があるので、まさに通り道として機能していたらしい。ここでちょっと誤算があったことを報告しよう。関東地方は1週間程前に大雪に見舞われており、その後割と気温が高い日が続いたこともあって、都会では雪はすっかり消えていた。その感覚で来てしまったものだから、残雪の多さには驚いた。裏高尾に続く尾根道はすっかり雪中行軍となった。
昼食は途中の城山の山頂にある峠の茶屋でなめこ汁を注文し持参したオニギリを食べた。今回も友人のT氏が同行しており、彼の愛妻水筒が目についた。水筒がリュックに入っていたことも水筒の中身が何なのかも彼は知らなかったようだ。奥さんの愛情を山頂で感じるなんて幸せなT君!捨てられないようにね。
高尾山まで来ると返りは薬王院でお参りして帰りたくなる。実は高尾山頂上を目指すには何通りもコースがあるのだが、薬王院を通るのは1つしかない。だからいつも同じコースになってしまう。整備された道を降りるのだが、雪の中を歩いてきた足腰には妙な負担がかかっている。もうニュートンの法則に逆らうこともできずにただひたすらに手足を動かしての下山であった。下山後は恒例のビール一気飲みだが、今回は名物である蕎麦屋で飲むことにした。生ビールで乾杯し、おでんをつまみ、仕上げはとろろ蕎麦だ。ほろ酔い気分で店を後にしたが、我々の足元が泥水だらけで異常に汚れていたらしい。許しておくれ、お蕎麦屋さん。風は多少吹いていたようだが、冬の散策としてはまずまずであった。次は何処に行こうかね?