8月25日晴れ。気温35度(広島)…。7時半に東京駅を出発した新幹線は、11時半に広島駅に到着した。4時間冷房の中で快適に過ごしてきた身には広島の空気はなんともいえない夏の暑さで満ちていた。
老舗のお好み焼き屋で昼食を済ませて、市電に乗り込み早速原爆ドームへ向う。今回の主たる目的は、サッカーである。サンフレッチェ広島のホーム、ビックアーチは19時キックオフ、まだ時間の余裕があるので、広島と言えば外せない平和記念公園へと向ったのであった。
ボクはン十年前に高校の修学旅行でここを訪れているし、仕事で広島来た時も時間の許す限り寄っている。カミさんは初めてだというので、連れて来たかった。しかし今回ほどじっくりと訪れたことは無かったかも。高校時代の修学旅行なんてテンション高いだけで大して覚えてないんだよね、実は…。
日本人なら一度はここに訪れるべきだ。戦争は恐ろしい。核兵器なんて人類滅亡のちょうど良い道具でしかない。折しも先の震災で福島の原発問題があるが、核の平和利用なんてのも見直す必要がある。そんな過去の悲劇がここで起こったなんてまったく想像できないくらい綺麗な公園だし、未来永劫こういう平和ボケした世界が続いて欲しいと心底思った。本当に一度で良いからアメリカの大統領はここに来て世界の平和を誓って欲しいと思う。
ボクなりに平和宣言をした後、ホテルを間違えるというアクシデントがありつつも、どうにか予約したホテルにチェックインしてから、スタジアムへと向った。ビックアーチスタジアムは、広島市街からやや離れたところにあり、ぐっと山の景色が近くなっている。アクセスは、市街中心部からアストラムラインという、東京で言うゆりかもめのような新交通システムで約40分弱、シャトルバスで30分弱で到着する。割と離れているのであるが、夕方は暑さも治まり風が気持ち良いスタジアムだ。
現在首位を走る広島は、3バックのDFを基本としてしっかり守備をし、相手のスキを突くカウンターとアーリークロスにFWが飛び込んで来る、今のFC東京にとってマジ怖い相手である。そんな広島相手に我らがFC東京ポポヴィッチ監督は奇策に出た。なんと広島とまったく同じフォーメーション、3-4-2-1で陣形を組んで来たのだ。しかも左SHにはオリンピック代表(OA)の徳永選手を起用し、広島のミキッチ選手への徹底したマークを指示。これが割りと効果があり、広島はボールを持つものの、マンマークがはっきりしている東京の守備に対してパスを出すことができずにロングボールを蹴る、するとそもそもDFラインが高いのが東京のスタイルだからオフサイドが多くなる、という広島側からしたらフラストレーションのたまるゲーム展開になった。とは言いつつも東京が有利に進めてたかというとそうでもなく、相手のミスで助かった場面も多々あった。そんな中、後半早々にルーカス選手がネットを揺らす。この虎の子を必死に必死に必死に守り抜いて、広島から勝ち星を頂いた。約1ヶ月振りの勝ちゲームで、しかもアウェーの広島戦で勝つことが出来て本当に嬉しかった。順位も12位から10位に上げ、首位広島が負けたことで、またしても混戦のJ1となったのであった。
勝利の余韻は翌日にも続いており、ルンルン気分で広島観光へと繰り出した。この日は市電でのんびりと宮島へ向かうことにした。JRだと早いのだが、あまり市電に乗る生活の無いボクらは興味もあってゴトゴトと走る市電の景色に釘付けだ。写真は市街を走る運転台からの景色。
これが西広島駅を過ぎると景色が一変する。ここから広電の宮島線という路線になるのだが、道路を車と一緒に走ってきたのが、ここからは専用の鉄道となるのだ。スピードも一気に上がり、この手の市内電車も普通の電車並みに走るのには驚いた。
宮島口駅に到着し、まず向ったのが名物の穴子飯屋さん。老舗の「うえの」という店だ。まだ11時前だからそんなに混んでないだろう、と思ったが、既に待合室は大混雑。1時間以上待つということだったが、せっかく来たのだから辛抱強く待つことにした。良く見ると青赤イナゴさん達もチラホラいるし(笑) 正午過ぎにやっとボクらの番が来て、白焼きと穴子飯の並を1つずつ注文。それにおちょこ一杯だけのぐいのみという冷酒も頼んだ。もうね、お味は格別です。あーだこーだ説明する必要はありません。ただ一言「うまい!」で決定。宮島行ったら是非寄って下さい!!
船に乗って宮島入りするが、船上は風が気持ちイイ。しかし島に降りると猛暑がたまらん。汗がボタボタと落ちてくる。厳島神社までの仲見世には様々なみやげ物屋が軒を並べており、うまそうな匂いも漂っている。NHKの大河ドラマ「平清盛」は人気が無いようだが、この厳島神社は清盛ゆかりの神社だけにいろんなところに清盛のノボリやらポスターが貼ってある。宮島歴史民族資料館が「清盛館」としてリニューアルされていて、清盛ファンの我が家は早速覗いてみた。番組で使用した衣装やら備品やら、そして登場人物の相関図とかあって、毎週欠かさず見ている我が家にとっては満足なところであった。
宮島と言えば「もみじ饅頭」が有名だが、老舗から新しいベンチャー物まで様々なお店があるのも特徴だ。ここの博多屋さんには冷凍したもみじ饅頭があり、1個から買える。暑い中、冷たいもみじ饅頭は美味しかった。ギリギリまで宮島散策し、広島駅に戻ると、缶ビールとつまみを買い込んで帰りの新幹線に飛び乗った。やがて心地よい疲れが訪れて眠りに落ちたが、なんか新幹線の中でも良い夢を見ていたような気がする。またいつかのんびり広島を訪れてみたい。