高田郁作の「みをつくし料理帖」全10巻の内の9巻目「美雪晴れ」を読み終えて、
いよいよ残すところ最後の1巻だけになってしまった。
今まで時代小説を読むことはほとんどなかったが、ちょっとしたきっかけで読み出したら
止まらなくなった
元来食いしん坊なので、女料理人澪が今度はどんな料理を思いつくのだろう?という興味と、
彼女を取り巻く人々の人情にほろりとする場面が多いのにも惹きつけられた。
あと一冊、完結編でどういう結末になるのかが楽しみでもあり、
これで終わってしまうのか・・・という寂しさもある。
それは、読み応えのある長編小説を読み終える時にいつも感じることではあるが。
閑話休題。
そんなこんなで「食」。
人を思う時、そこには食がセットで浮かんでくることが多い。
(単なる食いしん坊?(笑))
例えば、最近逝ってしまった友を思い出す時。
一緒に食べに行った蕎麦づくしのお料理と、彼女の車の中で交わした言葉の数々。
例えば、
厳しかった祖父に子供の頃よく作ってもらった寒天や水羊羹。
普段料理しない父が寝込んだ母の為に苦労して作っていたお粥。
どんなに真似て作ってみても母の味に届かない煮ナマス。
七輪の網の上で、彼手作りの焼きおにぎりの醤油が焦げる香り。
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斯様に、食は自分の身体を作る上では勿論のこと、とても大切な心の支えでもある。
大切な人と大切な時間を共有し、美味しく食べることができる幸せ。
最近特にそんなことを意識し、また大切な誰かと美味しい時間を共に過ごしたいと思う日々。
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