巨樹に魅せられて

巨樹巡りを趣味としていますが、気がつくと神社巡り。その周辺の話題もココに書き留めています。

震災を受けた「森は海の恋人」の畠山さん近況

2011-08-01 06:33:39 | 漁業
 「豊かな漁場は森が造る」として「森は海の恋人」運動で有名な畠山重篤さん。
 活動場所の気仙沼は東日本大震災で甚大な被害を被った土地です。
 その畠山さんから、漁場も復活の手応え有りとのうれしい報告が河北新報(2011年7月31日版)に掲載されました。

■ 仏からの恩返しに感銘/カキ養殖業(気仙沼市唐桑町)・畠山重篤さん

 東日本大震災から4カ月余りが過ぎ、行方不明だった方の死亡届が家族から出され、葬儀に参列する機会が多くなっています。あらためて悲しみを深めながらも、養殖の再開に向けた作業を続ける毎日です。
 海につるす種ガキをロープに挟む作業に加え、養殖施設のいかだ作りも進めています。出来上がったのは20基ほどですが、秋までには震災前の70基まで復活させたい。
 材料は近くの山から杉を切り出しているので、間伐も同時に進みます。長年、「森は海の恋人」運動を展開してきましたが、今まさに「森から海まで」の仕事をしています。
 あれだけの大津波の影響で沿岸域の生態系がどうなるのか、海に生物が育つ下地があるのかどうか、とても心配でした。徐々に魚は増え、カキの成育も順調です。
 海の復活は専門家の目からも明らかになりました。5月から毎月、わが家を拠点に養殖場周辺の海洋を調査している京都大の研究者によると、津波の後、海水中の酸素量やカキの餌となるプランクトンが非常に多くなっているとのこと。大きな力を得た思いです。
 カキ養殖の再生に、海外からの後押しもあります。フランスの料理人たちの団体「司厨士(しちゅうし)協会」から「日本の食材の復興を支援したい」と申し出があり、種ガキの主産地・万石浦(石巻市)の生産者に義援金が送られることになりました。1960年代にフランスでカキの病気が広がった際、万石浦から種ガキが輸出されたことへのお返しだそうです。
 知り合いの日本人シェフを通じて仲介役を務めることになり、6月中旬にパリで開かれたチャリティーパーティーに招かれました。約250人が集まり、2000万円近くが寄せられました。種ガキを載せる棚の復旧資金に充てようと、現在調整を進めています。
 パーティーでは、温かい励ましの言葉もかけてもらいました。フランスの人々の時を超えた感謝の思いに、深く感銘を受けています。


 地震・津波は自然の驚異ではありますが、自然は自己回復力・自浄能力を備えているのですね。
 一方、原発事故~放射能汚染という人為的被害は・・・言葉になりません。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。