CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

インタビューから紐解くログリッジの魅力(1)

2024-11-04 14:37:09 | プロ・ツール
 今季、ヴィスマ・リアースバイクからボーラ・ハンスグローエへと移籍したプリモシュ・ログリッジ。先日のさいたまクリテリウムにも参戦してくれた選手ですが、スキージャンプの選手という異色の経歴を持ち主なのです。2007年のノルディックスキージュニア世界選手権ではスロベニアチームの一員として団体優勝をしているのです。
 2012年にスキージャンプ選手を引退し、自転車ロードレース選手としてのトレーニングを始め、アドリアモービルにてプロキャリアスタートするのです。ログリッジが23歳の頃のことです。異種競技からの転向組としてはレムコ・エヴェネプールが有名ですが、レムコは22歳でアルカンシエルを獲得しているのと比べれば、ログリッジは遅咲きの選手でしょう。

 それでも2016年にチーム・ロットNL・ユンボ(現チーム・ヴィスマ・リアースバイク)に移籍すると、初出場のグランツールであるジロ・デ・イタリアの第1ステージ個人タイムトライアルで2位、第9ステージの個人タイムトライアルでは優勝し、一躍ビッグネーム入りを果たします。既にログリッジは27歳になっており。かなり遅咲きの選手だといえるでしょう。
 翌2017年にはスロベニア人として初のツール・ド・フランスでのステージ勝利を飾ります。2018年にはバスク一周で総合優勝、ツールでも総合4位と躍進を見せるのです。2019年にはティレーノ〜アドリアティコ、ツール・ド・ロマンディでも総合優勝し、ジロの優勝候補に名が挙がりますが総合3位の結果に終わりました。30歳でジロの優勝候補に名が挙がるだけでも凄いことなのですが、ログリッジの全盛期はここから始まるのです。

 同年のブエルタ・ア・エスパーニャではライバル達に圧倒的かつ安定的な走りを見せ、自身初のグランツールでの総合優勝に輝いたのです。この年からブエルタを3連覇することになったログリッジですが、何故かツールには縁が無く、2020年は同国の後輩ポガチャルに大逆転を許し、総合2位。第20ステージ迄着用していたマイヨジョーヌを自信が得意とする個人TTで失ってしまうのです。

 同年はリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを勝ち、ブエルタも連覇しているので決して調子が悪かった訳ではなく、タディ・ポガチャルという若き怪物が強過ぎたのでしょう。ログリッジが生まれた時代が悪かったという人もいるでしょう。ただ、ポガチャルとは10歳も年齢が違うので、やはりデビューが遅すぎた結果だと私は考えているのです。
 



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さいたまクリテリウムを考える(3)

2024-11-04 08:58:22 | ツール・ド・フランス
 そんなログリッジをさいたまクリテリウムに招待したA.S.Oは流石でした。しかも、マイヨ・ロホの着用まで許しているのです。3大ツールの主催者はそれぞれ異なり、互いにライバル意識が高く仲が良くないとも言われていたのですが、近年はそうでもなくなっているのでしょうか?

 ツール・ド・フランスの名を冠した大会でマイヨ・ロホが走ることはそれだけ異様なことなのです。マイヨジョーヌのポガチャルに代わりマイヨ・ロホのログリッジが参加したのには何らかの意向が働いたと見るべきでしょう。今年は世界選手権にも出場したログリッジはポガチャルのアルカンシエル獲得に大きく貢献したと思っています。
 さいたまクリテリウムの前日にCycle Sportsのインタビューで「彼とは友達ですし、彼が今、成し遂げていることは本当にすごいことです。信じられないほどのレベルですから、僕たちは彼をどうやって倒すかを考えるのではなく、自分たちをどう改善できるかを考えています。彼はもう20歳というような年齢ではありませんが、まだ若いですし、彼が持っている楽しさが最大の強みだと思います。それが自転車レースに対する姿勢を支えているんです。もちろん、パフォーマンスやパワーなどの数値も素晴らしいですが、楽しむという部分が彼の本当の強さだと思います」と応えていたログリッジ。友人という域を超えてリスペクトする存在になっているのかもしれないです。
 ポガチャルの代理を頼まれ、マイヨ・ロホ着用を条件にログリッジが受けたというのが私の見立てです。ポガチャルの代わりである以上勝ちたいという気持ちがあったのでしょう。雨が強くなる中、残り1周を前にレインジャケットを脱ぎ、マイヨ・ロホ姿になったログリッジが、新城とバルデを牽き連れて逃げに出たのです。

 バルデ、新城と集団に吸収されていく中、単独走行になったログリッジが逃げに逃げますが、マイヨヴェールのギルマイ擁するアンテルマルシェが追い。ゴール前スプリントでギルマイに優勝はさらわれたものの、カヴェンディッシュやフィリップセンを抑え2位でゴール。ゴール前で脚がカラ回りしていたので、変速のミスがあったのかもしれません。

 レース後、J-Sportsのインタビューを着替えを理由に拒んでいたので相当悔しかったのだと思います。この負けず嫌いが彼を強くしているのでしょう。それにしても優勝がマイヨヴェールのギルマイ、2位がマイヨ・ロホのログリッジ、3位がステージ35勝の新記録を達成したカヴェンディッシュ、ポイント賞はフィリップセン、山岳賞はバルデとA.S.Oの筋書き通りの結果となりました。
 



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