個人的にはUAEの若手に注目していたので、ベテランで固めたパリ~ニースより、若手にエースを任せたティレノアロレアティコの方に力が入っていたのは確かです。時間的にイタリア開催のティレノアロレアティコが先で、パリ~ニースが後ということもあり、後半は寝落ちすることが多く、パリ~ニースには半分夢の中で、はっきりと覚えていないというのが正解かもしれませんが…
レースとしてはレムコ・エヴェネプールとログリッジが顔を揃えたパリ~ニースの方が面白そうだったのですが、シーズン初めということもあり、ログリッジはピークに程遠く、レムコも積極性は見せ、最終日は意地でステージを取りますが、第6ステージでマッテオ・ヨルゲンソンやブランドン・マクナルティに1分近く遅れ、厳しい登りに課題を残しているように見えました。
一時、総合首位に立ちリーダージャージを着ていたマクナルティも最終日に遅れ、総合で3位に後退しています。パリ~ニースをヨルゲンソンでティレノをヴィンゲゴーで征したヴィスマ・リースアバイクはログリッジが移籍しても影響が無いように見えていたのですが、バスク1周の落車がチームに大きな打撃を与えることになってしまったようです。
ポガチャルこそ不参加でしたが、UAEのチームとしては有力選手はパリ~ニースに投入していたにも関わらず、レムコやログリッジではなく、ヨルゲンソンに負けてしまうのは予想外でした。中東ツアーの頃からアダム・イエーツやジェイ・ヴァインといったサブ・エースの低迷が気にはなっていたのですが、パリ~ニースもTTこそ強さを見せたものの、登りで遅れるというパターンは健在でした。
マルク・ソレルがリタイヤしたとはいえジョアン・アルメイダ、フィン・フィッシャーブラック、フェリックス・グロスシャートナー、ブランドン・マクナルティ、ニルス・ポリッツ、ジェイ・ヴァインという名だたるメンバーでチーム総合こそ優勝になったものの、マクナルティのリーダージャージを守り切れなかったUAEはストラーデビアンケのポガチャルの圧勝が霞んでしまう感じだったのです。
本来の力からすればアルメイダかジェイ・ヴァインが総合争いをしなければいけなかったのですが、どうもポガチャルがいないとチームの雰囲気が引き締まらないという感じだったのです。
一方で若手主体で臨んだティレノアロレアティコではヴィンゲゴーには完敗したものの、アユソが総合2位、デルトロが総合4位と健闘を見せ、ヤングライダー賞をアユソが、チーム総合も優勝という結果でした。特に登りで度々遅れそうになりながら、テンポで刻みながら追いつくというしぶとさが際立っていたデルトロには注目でしょう。
こちらのメンバーはアユソとデルトロにミッケル・ビョーグ、アレッサンドロ・コーヴィー、マルク・ヒルシ、ラファウ・マイカ、マイケル・ヴィンクで、ヒルシを除けばビッグネームはありませんでした。力からすればヒルシがエースでもおかしくはないのですが、アユソをGCライダーに育てるというチームの意向が働いていたのだと思います。この辺りが来季ヒルシが移籍を決めた理由なのかもしれません。
モビスターから大きな期待をされてヴィスマへ加入したヨルゲンソンですが、ティレノの後はツールの前哨戦クリテリウム・ド・ドゥフィネで総合2位、ツールでは総合8位でレムコとの力の差は歴然でしたから、春先のティレノはレムコやログリッジの調子が上がっていなかったと見るべきかもしれません。
チーム力は高いのに、ポガチャルがいないとスイッチが入らないベテランと違い、若手はポスト・ポガチャルを巡る熾烈な争いがあるので、派遣チームが逆なら面白かっただろうと想像をしています。ヴィンゲゴーの相手はベテランに任せ、若手のアユソやデルトロでレムコとヨルゲンソンを迎え撃っていたらと思うとワクワクします。
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