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今年最後のモニュメントはアルカンシエルを着たポガチャルが40kmを越える独走で勝利しました。世界チャンピオンがイル・ロンバルディアで優勝したのは、2006年のパオロ・ベッティーニ以来です。これでポガチャルはイタリアのファウスト・コッピが1946年から1949年までに達成した4連覇に並ぶ記録を打ち立てたことになります。
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来年は史上初の5連覇に挑むことになるでしょう。また、ポガチャルは同じシーズンにジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、世界選手権、イル・ロンバルディアの4レースで優勝した史上初の選手になっているのです。メルクスのポガチャルは既に自分を越えているという言葉は決して謙遜ではなかったようです。
またもう一人のトリプルクラウイン達成者ステファン・ロッシュもポガチャルを絶賛しています。「メルクスとポガチャルのサンドイッチされているのもいいものだね。僕が達成したのが37年前、そしてそれはメルクスの13年後だった。当時でも”新時代”、”新世代”、”二度と不可能”などと言われていたからね。でも記録は破られるためにある。だからこうしてポガチャルが達成してくれたことで、トリプルクラウンが非現実的なことではないことを証明してくれたと思う。今年の走りはただ”驚異的”、という一言に尽きるよ。彼は今シーズン何度となく大逃げを決めてきた。まあでも本心はアタックを見たときには、正直メルクスと僕の記録に並ぶにはまだ早かったかなぁと思ったんだよ。でも彼は自分自身を疑うことなく、本能の赴くがままに自信をもって仕掛けていたね。」
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「メルクス、そして僕が達成してから37年、最強と呼ばれた男たちは何人もいた。ミゲーレ・インデュライン、ランス・アームストロング、アルベルト・コンタドール、クリス・フルーム、彼らもトリプルクラウンを達成できる実力は持っていたんだよ。でも彼らは得意分野が山岳やTTに特化していて、それ以外のレースでは勝てないという弱点もあったんだ。だけどポガチャルは平坦でもはや差があるだけではなく、今年の世界選手権が自分向きという”運”も引き寄せたんだよ。まあ次の達成者が出るまでにはまたしばらく時間がかかるだろうね。」(cyclingtimeより引用)
それでもポガチャルは止まらない。これからどれだけの勝利を積み重ねていくのか、私たちは今それを証人としてそれを見届けることができる”最強の時代”にいるのかもしれません。野球界では大谷翔平という怪物がMLBで大活躍していますが、サイクル・ロードレース界にもタディ・ポガチャルという怪物が新たな伝説の扉を開こうとしているのです。
私はランス・アームストロングのツール・ド・フランス7連覇をこの目で観て来ましたが、当時偉大と言われた記録は抹消されています。ランス・アームストロングの熱い走りに魅せられてロードレースに嵌って行った自分には、「ドーピング問題」で消えて行った記録と選手達の記憶が沢山残っています。メルクスやロッシュの時代にはなかった厳しいアンチドーピングのルールがある時代で、メルクスやロッシュの記録を塗り替えることは不可能に近いと思っていたのですが、ポガチャルが今それを成そうとしているのです。
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