CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

ポガチャルのWツール制覇を考える(3)

2024-06-26 09:02:33 | ツール・ド・フランス
 今年のツールは昨年と逆でヴィンケゴーとファン・アールトが骨折明けからの本番になります。対してポガチャルは今季絶好調で今季初戦となったストラーデビアンケでは80km近い距離を独走で勝利すると、ポルタ・ア・カタルーニャを完勝、クラシックレースでもリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで圧勝。続く初参戦となったジロ・デ・イタリアでもステージ6勝を挙げ、圧倒的なタイム差でマリアローザを獲得しているのです。ジロの2度のTTでは現アワーレコード保持者のフィリッポ・ガンナに1勝1敗とTTの技術も磨いて来たようです。昨年の轍は踏まないぞという覚悟の現れでしょう。ジロの後はレースに出場せず、高地トレーニングを経て本番に臨むようです。

 これまではジロ・デ・イタリアを勝った選手はツール・ド・フランスでは勝てないと言われてきました。確かにジロとツールのWツールは1998年のマルコ・パンターニ以来ありません。あのアルベルト・コンタドールやクリス・フルームでさえなし得なかった快挙となっているのです。たた、個人的には2008年のコンタドールがツールに出場さえしていれば、Wツールは確実だったと思っています。あの年はヴィノクロフのドーピング違反でアスタナというチームがA.S.Oというツールの主催者に参加を拒否されてしまったのです。ドーピング陰性の選手も含めチームごと参加を拒否したのはツールのA.S.Oだけでした。参加が認められたジロ・デ・イタリアもブエルタ・エスパーニャもコンタドールが征しているのですから。

 ジロとブエルタ、ツールとブエルタというWツールはあるのに、ジロとツールのWツールが難しいのは、ジロの登りがキツク消耗が大きいためと言われて来ました。ただ、ツールを勝ちに来る選手が同じ年のジロを走ること自体が少ないという事情も大きいと思います。ツールで総合優勝するチームはエース級の選手を複数人抱えているのが普通で、3大グランツールをそれぞれのエースで分担するのが一般的になっているのです。

 昨年のヴィスマはジロとブエルタをログリッジで、ツールをヴィンケゴーでとエースを分け、結果、3大グランツールの完全制覇を成し遂げたのです。ブエルタではエースのログリッジの落車で代わりにエースを担ったセップ・クスが総合優勝しているように、ヴィスマは本当に選手層が厚いチームでした。
 また、ジロとツールではコースレイアウトや個人TTの距離が大きく異なるため、ツールの方がより総合力の高さが求められるというのもその理由になるのかもしれません。ジロは山岳に強ければ勝てることも多いのですが、個人TTの距離が長いツールでは、なかなか純粋なクライマーが総合優勝するのは難しいという事実はあるでしょう。
 




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スプロケット交換を考える(2) | トップ | ペダル考(1) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ツール・ド・フランス」カテゴリの最新記事