
ログリッジにヴィンゲゴーというWエースにワウト・ファンアールトという最強の布陣だったヴィスマですが、ログリッジが去ってしまったのは非常に大きな痛手となってしまったようで、春先からワウトやヴィンゲゴーが次々と落車による怪我で長期離脱を余儀なくされます。何とかツールには間に合わせて来たヴィンゲゴーも準備不足の為か最終週に失速しポガチャルに大敗を喫してしまいます。

クスをエースに臨んだブエルタでもエースとしてのクスは早々にその役割を降りてしまうのです。その後は好調のワウトのためのアシストに徹し、ワウトはポイント賞に加え山岳賞迄手に入れてしまったのです。
第15ステージでUAEのジェイ・ヴァインに山岳賞のポイントで並ばれた時は、ポイント賞に狙いを絞ると思っていたのですが、第16ステージでは積極的に逃げに乗り、クライマーのジェイ・ヴァインに山頂スプリントで勝ち、山岳賞も狙って来たのです。
確かにここまで3勝と絶好調のワウトでクライマー並みに登れてしまえば無敵です。逃げにUAEはジェイ・ヴァインの他にデルトロとマルク・ソレルも入れていて、3対1だったにも関わらず最初の1級に続き2つ目の1級もトップ通過。最後の登りを考えれば逃げ切りは難しい状況だったので、ワウトの山岳賞狙いは無謀にも見えたのです。

その後の直後の下りで貰い落車で無念のリタイヤになってしまったワウト。今年のヴィスマ凋落の象徴のような感じでした。骨折は無かったようですが、裂傷が深く、おそらく世界選手権は無理ですし、今季中の復帰は難しいと思います。
完璧だったチームからログリッジというたったひとつのピースが抜けただけで、チームがここまで変わってしまうものなのでしょうか?良くも悪くもログリッジとワウトはヴィスマの支柱だったのだと思っています。昨年のブエルタで最後まで総合争いをしていたら、クスのマイヨ・ロホは無かったかもしれません。それでもヴィスマの総合優勝は確実で、3大ツールの完全制覇という偉業は為されていたはずです。

どちらかというとチームの指示に従順に従う選手や、クスのようにアシストとしてより力を出せる選手が多い感じのヴィスマにあって、ログリッジとワウトの闘志がチームにエネルギーを注入させていたのではないでしょうか?レースの勝ち方を知るログリッジが去り、ワウトが春先に怪我で離脱してから、ヴィスマに覇気が感じられなくなっていたのです。
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