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第107回ジロ・デ・イタリア第10ステージ

2024-05-15 09:48:02 | ツーリング
 今回のジロ・デ・イタリアも1回目の休養日を挟み2週目に入った。距離の短い3星の山岳ステージということもあり、前半の50kmほどの平坦路では強烈なアタック合戦が繰り広げられ、最初の50kmは平均スピード51.379km/hという超ハイペースになりました。

 中間スプリントを終え最初の2級山岳を前にUAEチーム・エミュレーツがプロトンの先頭に出るも、集団のコントロールは機能せず、次々とアタックが始まり、2級山岳を前にようやく27名というまとまった逃げが形成された。
 この日のUAEはお休みモードかポガチャルも積極的な動きを見せなかった。最後の1級山岳に入っても、逃げた27名からスロベニアのヤン・トラトニク(ヴィスマ・リースアバイク)が飛び出し、それを追った逃げグループもバラバラになり、ポガチャルのいる集団から5分以上もの差を築いていく。

 トラトニックは東京オリンピックでポガチャルの銅メダルをアシストした選手で、決してクライマーではない。TVでは1分程のリードを保っているトレトニックの逃げが決まりそうな雰囲気だったが、第2集団から飛び出した二人は共にフランス人クライマー。ロマン・バルデ(DSMフィルメニッヒ・ポストNL)とヴァランタン・パレパントル(デカトロンAG2Rラモンティアル)だ。残り6km辺りから少しずつ差が縮まり始め、パレパントルが腰を上げラスト3kmでアタックするとタイム差はあっという間に無くなり、わずか300mでトラトニックを捉え、先頭へ飛び出して行った。

 若干23歳のフランス人はプロ初勝利をグランツールの舞台で挙げて見せたのです。第9ステージでスプリント勝利を決めたコーイに続きまたまた若手の勝利となったジロ・デ・イタリア。明らかに世代交代が進行中だ。勿論、UAEが積極的に動かなかったこともあるのだが、こうしたチャンスを果実にモノにする選手は強い。共に登ったバルデの姿を見て育った世代なのだ。
 今回のジロではポガチャルの動きが全く予想出来ない。初日に早目の仕掛けからゴール前スプリントで敗れた翌日には確実にマリア・ローザを取りに来たかと思えば、第9ステージではチームメイトのスプリントをアシストする動きを見せ、この日も最後はひとりになりながらも落ち着きはらった様子でライバル達の動きを徹底マーク。
 チームが機能しなかったとみるのかポガチャルひとりで大丈夫とみたのかは不明ですが、こんな大人のポガチャルの姿を見るのは初めてです。明日からは平坦ステージが続くので、もう少しチームが働いても良かったと思うのですが、ここまでのポガチャルの言動から推察するに、チームを休ませたいという思いが働いているのかもしれません。
 今日の第11ステージは200kmほどの平坦ですが、第1週でスプリンター達がかなり疲弊しているようなので、風向き次第では逃げが決まる可能性が高いとみています。続く第12ステージは丘陵コースでパンチャー系の逃げが有力でしょう。第13ステージはド平坦なので、ここは確実に集団スプリントで勝者が決まるはずです。第14ステージは今回2度目の個人TT。距離が長くは無い平坦路なので、フィリッポ・ガンナが優勝候補の筆頭になるはずです。ポガチャルはライバル等とのタイム差を見計らいながら、翌日に備えて安全に走るはずです。第15ステージがマリア・ローザの行方を決定してしまうかもしれない大切なステージになります。今大会最長の222kmで獲得標高差5,700mの山岳頂上ゴールなのですから。
 




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