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第107回ジロ・デ・イタリア第11ステージ

2024-05-16 09:47:30 | ジロ・デ・イタリア
 イタリアの内陸部から一山超えてアドリア海へ抜けるジロ・デ・イタリアの第11ステージはゴールスプリントに持ち込まれ、ジョナサン・ミラン(リドル・トレック)が第4ステージに続き2勝目を挙げた。彼のゴール前のスプリント力は凄く、第4ステージのゴール前20mの出力が何と1940Wという驚異的なもので、最高速度は75.4km/hにもなるのだ。

 この日のステージは200kmを越える長丁場だったのだが、全体的に下り基調と追い風の影響もあり、平均速度が47km/hを越えていた。序盤から3人の逃げが形成されるも、ゴールスプリントを狙うチームがほとんどアドバンテージを与えなかったため、残り35km地点でプロトンに吸収される。
 向かい風の中のゴールスプリントは混沌を極め、落車も発生した。2位でゴールしたティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)は進路妨害で集団最後方の89位と降格となってしまった。2位はケイデン・グローヴズ(アルペシン・ドゥクーニンク)、3位はジョヴァンニ・ロナルディ(チーム ポルティ・コメータ)が繰り上がった。
 総合順位に変動は無くマリア・ローザはポガチャルが11日連続で着用することになる。心配なのは、残り20kmで彼のアシストとして働くフェリックス・グロースシャルトナー(UAEチーム・エミレーツ)が落車に巻き込まれてしまったことだろう。本格的な山岳ステージが始まるまでに快復できるのか、万全に見えるポガチャルにはマイナス要因となる。
 心配と言えば、ヴィスマ・リアースバイクだろう。前日に第9ステージの勝者オラフ・コーイが、そしてこの日は総合5位でヤングライダー賞のキアン・アイデブルックスが相次いで発熱でリタイヤしていることだ。5類に移行しているとはいえ、もし新型コロナ感染なら、まだまだリタイヤ選手が増えるかもしれないのだ。

 そんな状況の中でも、この日の逃げにはヴィスマが2人を送り込んでいた。昨年の覇者ログリッジがボーラへ移籍し、今年のエースと参戦したクリストフ・ラポルトが早々にリタイヤ、ロベルト・ヘーシンク、オラフ・コーイ、アイデブルックスとリタイヤが相次ぎ、チームは半分になってしまっているのだ。ティム・ファンダイケとエドアルド・アッフィニの170kmにも及ぶ逃げの姿にチームの強さを感じた。
 レース序盤からLOOKの795ブレード2RSやサーベロのS5という超高級バイクが画面に映し出され、長く大きな展開もなく退屈なレースも自転車好きには堪らない時間だった。大きなプロトンの中では埋もれてしまうバイクも、こうした逃げではじっくりと見られるので、良い目の保養になった。
 TREKやスペシャライズドが主に使用しているコンポのSRAM REDの新型がようやく一般販売されることになったようだ。新型RED AXSはプロツアーでは先行して使用されていたようだが、その詳細はベールに包まれたままだった。

 前作のRED E-TAPから5年の時を経て開発された新型RED AXS(レッド・アクセス)は無線電動変速による2x12スピード、あるいは1x12スピードという基本構成は先代と変わらないものの、シフト/ブレーキレバーの変化を中心に、前後ディレイラーやクランクセット、チェーン、ブレーキシステムなどあらゆる部分で効率化と軽量化を達成しているようだ。

 バイクのコンポーネントはシマノ、スラム。カンパニョーロとあるのだが、ヴィスマやUAE、アルペシンなどの強豪チームが使用するシマノのDURA-ACE Di2の使用率が高い。近年はTREKやスペシャライズドといったアメリカのメーカーがスラムのコンポを選ぶようになり、この日のステージ優勝者ジョナサン・ミランはTREKのバイクに新型のRED AXSを使っている。
 国内の初期販売はグループセットとクランク、カセット、チェーンでの展開となる模様。グループセットにはシフト/ブレーキセット/FD/RD/バッテリー/充電器/160mmローター/チェーン/ハンマーヘッド Karooサイクルコンピューターが含まれて504,600円とDURA-ACE Di2よりは少し高目の価格になっているようだ。
 機械式105やULTEGRAを使用している者としてはDi2でさえ憧れの存在だというのに、この最高峰のコンポは夢のまた夢の世界。ただ、夢見るのは無料なので、こうしたニュースには胸が躍る。
 今日の第12ステージは193kmの丘陵コースになる。4級山岳が4つ、等級の付かない6つの起伏が選手達の脚を容赦なく削る。クラシックレースにも強いポガチャルには有利なコースなのだが、グロースシャルトナーの落車の影響がやや心配だ。



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