ムルシア一周最終第3ステージの個人タイムトライアルは、ドーピング容疑から開放されたばかりのツール・ド・フランス王者、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)が最速タイムを叩き出し、ステージ2連勝を達成。総合優勝も飾り、完全復活を果たしたと報じられています。実際はUCI(国際自転車競技連盟)がCAS(スポーツ仲裁裁判所)に上訴する可能性が残されている限り無罪が確定したとはいえない状況なのですが・・・
例年この時期のコンタドールはパリ・ニースに参加していることが多いのですが、今年はドーピング問題で自分を支持してくれた母国への恩返しのためにという理由からUCI2.1という低いグレードレースに出ていた訳ですが、これがどうにも気になって仕方がありません。
復帰初戦のアルガルベ一周のTTで信じられないような大敗を喫したために、大事をとったということも考えられなくはないのですが、グランツールを5度も征した選手が優勝して喜ぶほどのレースではありません。ここで優勝したことよりもパリ・ニースを避けた理由が気になるのです。
今後のコンタドールはカタルーニャ一周、ブエルタ・カスティーヤ・イ・レオンに出場予定で、その後はアルデンヌクラシック(おそらくベルギー開催)に挑んだ後、5月には3年ぶりにジロ・デ・イタリアに参戦するとも報じられています。コンタドールのジロ・デ・イタリア参戦は大いに歓迎なのですが、ここまでフランス国内のレースを避けたローテーションにはむしろ不自然さを感じてしまうのは私だけでしょうか? コンタドールサイドがフランス国内で且つASO(ツール・ド・フランス主催者)が主催するレースを意図的に避けているような気がしてなりません。2008年にコンタドールがジロ・デ・イタリアへ急遽参戦しマリアローザを獲得した時も、所属するアスタナがツール・ド・フランスへ招待されないことがほぼ確定していたのです。
確かに完全無罪が確定する(UCIがCASへの上訴を見送るか、CASで無罪判決がでる)までできるだけ波風を立てたくないという気持は分りますが、ここまで露骨にフランス国内のレースを回避するということは、コンタドールサイドにはもそかしたら3年前の悪夢が・・・という気持が働いているのではと勘ぐりたくもなります。
私はコンタドールのツール・ド・フランス連覇がチームが招待されないことで途切れた時点で、ツール・ド・フランスに拘らずグランツールの最多優勝記録を狙ってもらいたいとブログに書いた記憶があります。ランス・アームストロングのツール・ド・フランス7連覇という記録を塗り替えるとすればコンタドールだけだと思っていましたが、それも2008年の不出場で不可能になってしまいました。
ツール・ド・フランスに出る度にドーピング問題にさらされる(2007年の初出場の時でさえオペラシオン・プエルトとの関わりを疑われていたのです)のであれば、ツール・ド・フランスを回避してジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャのWツールに照準を合わせて確実に勝ちに行くというのもありだと考えています。
グランツールの最多総合優勝者はエディ・メルクスの11回(ツール・ド・フランス5回、ジロ・デ・イタリア5回、ブエルタ・ア・エスパーニャ1回)です。コンタドールはツール・ド・フランス3回、ジロ・デ・イタリア1回、ブエルタ・ア・エスパーニャ1回の計5勝です。今後毎年グランツールを2勝ずつすれば3年であのエディ・メルクスの記録に並ぶことができるのです。
コンタドールが完全無罪を主張するのならフランスのレースを避けるべきではないと考えていますが、彼が受けた精神的な影響を考えるなら、非常に残念なことではありますが、今年は敢えてツール・ド・フランスをスキップするのもいいかもしれないと思っています。
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