Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/東京散策倶楽部 第6回

2021-07-30 22:13:38 | 旅行

2020年の記録

 

赤レンガの東京駅丸の内口と皇居の間に日本のオフィス街の中心・丸の内がある。

 

 

年の瀬も迫った師走の日曜日、野暮用があって会社に行ったあとに丸の内界隈を散策した時の記録。

 

 

日本工業倶楽部会館は、1920年(大正9年)竣工の本格的なセセッション様式の地上5階、鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)で、1999年(平成11年)に登録有形文化財として登録されたが、老朽化のため、2003年(平成15年)に南側部分を保存・再現したうえで建て替え、三菱信託銀行本店ビルとして竣工した。なお、日本工業倶楽部は、1917年(大正6年)に創立された社団法人で、現在は財界人の交流の場となっている。

 

 

日本工業倶楽部会館から西に向かって歩くと、すぐに和田倉門に突きあたる。その先に皇居があり、黄色く色づいたいちょうの並ぶ日比谷通りを南に進む。

 

 

明治生命保険相互会社本社本館(明治生命館)は、1934年(昭和9年)竣工の5階分のコリント式列柱が並ぶ古典主義様式の8階建て鉄骨鉄筋コンクリート建築である。太平洋戦争後は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)アメリカ極東空軍司令部として使用された。現在は、明治安田生命保険の本社屋として現役利用されている。1997年(平成9年)、昭和の建造物として初めて重要文化財の指定を受けた。

 

 

三菱一号館は、1894年(明治27年)建設の煉瓦造洋風事務所建築を2009年(平成21年)美術館として復元したものである。当初設計図の内残存していた22枚・解体時実測図・内外装写真・保管部材・明治期の建築雑誌などの資料を基に再設計したものであるが、現在の建築基準法に適合させるための設計変更をしている。また、赤レンガ230万個は、当時に近い製法で製造したとしながらも中国製を採用している。蛇足ながら、僕の社会人としてのキャリアは、三菱一号館が再建された場所で、スタートしている。

 

 

KITTEは、旧東京中央郵便局舎を一部保存・再生して建設された地上38階地下4階の鉄骨造(一部SRC造)建築である。(2012年=平成24年)

旧東京中央郵便局舎は、日本建築の柱梁構造を思い起こさせるモダニズム建築の名作として1931年(昭和6年)竣工である。

 

30年ほど前の夏の日、今の会社から内定をもらった僕は、この東京中央郵便局前で、紺碧の空を見上げて、「22年間の奮闘のゴールは、〇〇だったのか」と呟いた。子供の頃から、「良い小学校に行くのは、良い中学校に入学するため、良い中学校に行くのは、良い高校に入学するため、良い高校に行くのは、良い大学に入学するため、良い大学に行くのは、良い会社に就職するため。そして、良い会社に勤めていれば、良い妻を娶り、良い家庭を築き、幸せな人生が送れる」と父親に言われ続けた。あいにく僕は、良い学校に入学することはできず、次の進学に起死回生を狙ってきたものの、結局、僕の人生は、〇〇に就職で詰んだと感じた。当時は、終身雇用があたりまえで、転職ブーム(転職雑誌デューダ創刊)がはじまるのは、2~3年あとのことだ。

 

今度来る夏に僕の会社は、東京駅を挟んで反対側の大手町に移ることが決まっている。

 

 

旅は続く