Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/小矢部メルヘン建築 前編

2022-08-27 11:06:20 | 旅行

2022年の記録

出張のあと、金沢宿泊を延長して、小矢部市内のメルヘン建築を散策した時の記録。

(前編は、あえてモノクロームに加工した写真をアップ。カラー版をあらためて後日公開予定)

 

 

富山県小矢部市には、「メルヘン建築」と呼ばれる西洋風建築物が多数存在する。これらは1976~1986年に市長を務めた松本正雄市長※の提案により新築する公共施設を西洋風にしたことによる。(1988年~のふるさと創生一億円事業の一環ではない)

はっきり言って、イミテーション。歴史的建造物ではないので、歴史的な“重み”を感じるところはなかった。しかし、「消えゆく昭和時代の白日夢」を感じた。事実、老朽化が進み、まもなく解体される建築物もある。僕の写真は、“作品”ではなく、まさに“記録”である。

※松本正雄:小矢部市出身。東京帝国大学工学部土木工学科を卒業後、内務省に入省。1972年(昭和47年)から小矢部市長。1986年(昭和61年)、市長在任のまま死去。一級建築士、「メルヘン建築」の基本設計を手掛けた。

 

 

小矢部市は、富山県の西端に位置する。金沢でレンタカーを借り、日帰りで散策できる。なお、小矢部市内には、三井アウトレットパーク北陸小矢部がある。

 

 

  • 東蟹谷保育所

計画時は、金沢から北陸道で小矢部へ移動する予定だったので、小矢部IC近くの東蟹谷保育所へ。すでに廃所となっていたが、保育所にしては、大きく立派。淡いピンク色の外壁の西洋風建築である。

 

 

  • 北蟹谷公民館

国道を金沢方面に少し戻ったところから北に曲がったところに北蟹谷公民館がある。近隣の住民が、清掃作業をしていたので、声を掛けてから撮影した。白亜の公民館は、現役である。

 

 

  • 北蟹谷保育所

北蟹谷公民館の奥に建つ北蟹谷保育所は、赤レンガ色で縁取られていた。夏休みで人気はなかったが、綺麗に整備されていた。

 

 

  • 蟹谷小学校

北陸道脇の小高い丘を登ったところにグリーンのグランドがあり、その奥に蟹谷小学校の校舎があった。

 

 

  • 蟹谷中学校

道路から奥まったところに蟹谷中学校があった。蟹谷小学校と似た作りだが、中央の三角形の尖塔が特徴だ。

 

  • 小矢部市サイクリングターミナル

小矢部市サイクリングターミナルは、外壁を赤レンガ色に塗装しただけといったイメージ、正直なところ、ちょっと残念。

 

 

  • 津沢子供園

狭い路地の奥にあり、こんな先にあるのかなと、ちょっと不安になるが、ちゃんとあった。

 

 

  • 津沢小学校

開けたところに白壁の校舎と体育館がならぶ。“立派”といった感想の小学校である。

 

 

  • 小矢部市消防団藪波分団

三角形の屋根があり、メルヘン建築と言えばメルヘン建築なのかもしれないが、「エッ!」って面がなくもない。

 

 

  • 藪波公民館

小矢部市消防団藪波分団とは逆に「This is メルヘン建築」といった風情なのが、藪波公民館である。外壁は赤レンガ色に塗装してあるだけで、レンガ感はないが、窓枠に立体感があるだけで、雰囲気はあがる。

 

 

  • 藪波保育所

藪波公民館からちょっと離れたところに藪波保育所がある。児童施設らしい曲線を多用した特徴的な建築であるが、メルヘン建築と呼ぶには、ちょっとムリがあるかな、というのが正直な感想。

 

 

  • 水島保育所

水島保育所は、欧米人の個人宅を思わせるこぢんまりとした造りである。どのような保育をしているかなど余計な詮索だが、家庭的な保育をしているといいな、というのは、勝手な想い。

 

 

  • 水島公民館

立体感のある白壁の水島公民館、モノクロ写真では、わからないと思うが、紺碧の空と白壁のコントラストが美しい。

 

 

  • 松沢公民館

ロシア正教会の聖堂を連想させる玉ねぎ帽子とチョコレート色のカラーリングが美しい。また、紺碧の空に白雲が浮かび、画的には空にアクセントができて美しい風景になったとほくそ笑んだ。

 

 

  • 松沢保育所

モノクロ写真では、まったくわからないが、メルヘン調の黄色の外壁をしている以外は、何の変哲もない保育所建築、メルヘン建築と呼ぶにはムリがある。

 

  • 大谷中学校

象徴的な中央校舎を3棟のメルヘン建築が取り囲み、ヨーロッパの宮殿を思わせる空気が漂う。僕が最初に小矢部市のメルヘン建築を知ったのも、大谷中学校の雪景色の空撮だった。

 

 

【メモ】

終戦記念日、そして盆休みが終わる。酷暑と呼ばれた日本の異常高温もピークアウトした感じだ。30度に超える暑さも“残暑”と呼ぶべきだろう。子供の頃、土用波がたつようになり海遊びを禁止され、夏休みの宿題に精を出さないとならなくなる。(でも、屁理屈を捏ねてやらず、新学期に教師を激怒させ、それでも開き直った。・・・苦笑) 大人になった今でも、この季節になると、センチメンタルになる。(イイ歳のオヤジが、センチかよ!)

今、“取り残され感”を強く感じている。取り残されているのは日本、そして僕自身も。

 

僕が稚拙な解説するまでもなく、コロナ禍で、すったもんだしているのは、日本と中国だけだ。中国のコロナ禍は、ある意味で、プーさんのメンツ問題。過去最多の新規感染者数の記録を更新しているのは日本だけだし、最もコロナウィルスが蔓延しているとされている国への入国制限が、最も厳しいのも不思議だ。

 

物価高騰は、世界的な潮流だ。今後も沈静化する要素は見あたらない。

「物価上昇→賃上交渉→賃金上昇→さらに物価上昇」が、西側世界の潮流。仕事柄、僕のPCには、海外の港湾労働者の賃上デモと賃金アップの情報が、なだれ込んで来る。ちょっと調べると、賃上は港湾労働者に限った話ではないことがわかる。(このスパイラルで経済成長が持続する。) 

一方の日本は、販価アップ抑制と涙ぐましいコスト削減をマスコミは称賛する。(モノの原価の8割が直接、間接に海外由来なので、賃金を削らない限りコスト削減はできない。まさに竹槍戦法。) 欧米の賃上の話は、意図か、偶然か、大々的には、報道されない。完全に日本経済は、世界から取り残される。

 

個人的な愚痴になって恐縮だが、国内外の第一線に異動していく同僚に対して、僕はと言えば、幸か、不幸か、本社の安全地帯に留まっている。僕自身は、火中の栗を拾おうとして、ヤケドするのが似合っていると思っているのだが・・・・。

まぁ、ウン十年前の晩夏、友人たちは、夏休みにできた彼女とのデートに浮き足立つのをしり目に僕は黙々と競技(競歩)に没頭するしかなかった。いつの時代、何歳になっても、目の前の課題に全力で、できることをやるだけなのだろうな。

 

 

旅は続く