ロバート・キャパ・・・酒と女と写真を愛した男。五つの戦争を撮り歩き、一介の無名の写真家から、10年で世界に名を知られるようになった男。
ヨーロッパの片隅で大勢の仲間と明るくシャンパンを煽るかと思えば、前線で、頭を吹き飛ばされる危険とともに、シャッターを切る。
娼家で名もなき女と一夜を明かし、ハリウッドのヒロインと熱烈な恋に堕ちる。
命を削り、名声を手に入れ、地雷を踏んでその生涯を閉じるも、死してなお、賞にはその名が冠され、報道写真家、戦争写真家の代名詞とも言うべき存在となる。
泥臭く生き、ポーカーの負けを背負って、笑いながらまた、戦場へと旅立つ男。
一日一日を、ただただ自分に正直に、生きるべく生き、死ぬべく死ぬ。
「君がいい写真を取れないのは、半歩踏み込みが足りないからだ」
まるで、自分に言われているかのよう。
今日からはあと半歩、前へ出よう。