出会いがしら
スーパーで
昔の知り合いに
顔つきあわせた
ほんとうにまったくの
出会いがしらというタイミング
ふたりで顔見合わせて
ノドのあたりで
コトバ つまっているらしい
面影
雰囲気
不明瞭なスケッチ
そのうち
眼から崩れてゆく
やっと
「お元気?」
「うん」
最小の挨拶的コトバ
別れる時にそのひとは
「また逢う日まで」
ぼくは
「唄の文句や」
と返したが
レジがつかえていたので
それっきり
右と左にはなれていって
そのひととぼくは
天日にさらされてひからびたように
乾燥しきって
パリパリになったが
それを入れる箱もない