旅
そんなに 陽気でもない日に
ぼくは 旅にでた
古い駅についた
人は見当たらないちいさな街
たとえであえたとしても
こんにちは
おはようございます
こんばんは
なんて いいっこないだろう
さいしょに 見つけた のはらで
ゆっくり あおむけにねころんで
ゆめ まぼろし それから なにをみるのだろう
スクラップをひらいて
はりつけた 一日 一日 をはがして
みのまわりを 紙の数いっぱいの世界に変え
すずしい顔をしてたちさるだろう
すきな音楽だけを聴いて
目をとじて
音の底に自分を鎮める
ふらふらと 手と足が
むなそこで ゆらめいて きもちがいい
スローモーションの映像をみているようだ
月にのって
空のおくまでつれてゆかれ
ドンドン底のない空に
じぶんを
ゆっくり とかしてゆく
そういう旅なら いくらでも