梟
彼女は
ふかい森にすんでいます
爪と眼とサウンドレスの飛翔
宵のうちに
計画をたてるそうです
今夜のレストランを
どこにするのかを
彼氏はいません
きままに考えます
味覚をとわずに
今夜は食事をはやくすませて
哲学をします
何故、夜は認識できて
何故、昼間はねむいのか
彼女の世界は夜だけですから
夜があけたら
弾丸を撃つ彼氏に
いわば亡霊を撃たしめんことを
画策しなければならないのです
彼女には彼氏がいないのですが
ママからこっぴどくせかされているのです
哲学だけでは
ママを説得できません
だから亡霊をあちこちの枝に置き
彼氏に撃たしめて
世界の音をけしているのです
哲学だけでは
いくらなんでも
解くわけにはいかない、と
彼女は夜陰に
ほー、ほーと鳴くのです