小山怜央(29歳)が13日(月)プロ棋士編入試験第4局に勝利し、3勝1敗で試験に合格しました。
多くの方に応援して頂き、ありがとうございました。
午前中、序盤に注目していたら、驚いたことに▲3四桂(59手目)辺りまで4分の消費、あらかじめ
AIで調べていた手順ですね。大事な対局にとてもこんな短い時間では指せない。予定の観戦会の準備
開始時刻を早める旨、怜央ママ(聖子さん)に急いで連絡して会場の準備を始めた。大盤解説会を
始める前に終わるのではないかという勢いであった。
定刻より30分くらい前にマイク片手に大盤に並べながら、「やっぱり行きました、▲9三銀、寄せの
手筋です。鋭い一着です。怜央なら当然の一手でしょうね。その後は『端玉には端歩』で▲9五歩で
しょうか。」すぐ踏み込んで寄せ切るのかと思っていたら、「▲7九香。用心深いですね…」と
言いかけたところでAIの数値が58%まで下がり、「おー、間違えたか。大丈夫?あれ、龍が捕まるね。
うっかりしたかな?」場内にため息。机に伏せてしまった聖子さんの姿。「聖子さん、大丈夫?まだ
少し優勢です。」とマイクで声を掛けたけれども、肩が落ちて心なしか涙ぐんでいる。勝ってから
涙ぐんで欲しいーとは思ったけれども…、観戦者が増えてきたから、「ここからが応援のやり甲斐の
あるところです。」と言いながら解説するうちに、徐々に盛り返して▲9五歩△同歩▲5一角の好手順
があることに気が付いて、「行けますよ。これで決まります。」と言った途端、俄然会場内の温度が
上がるのが感じられた。こういうときはこちらまで熱気が伝わり、「投了は近いです」と、つい言った
けれども、そこからが長かった。▲6四飛と指して△同金と取れば▲7三角打以下詰むので「良い手
ですねぇー。横山さんなら、ここで投了です。2人とも良い局面を作りますね。さすが怜央はセンス
がいい。▲6四飛ー素晴らしい投了図になりました。」と興奮気味に解説していた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/3e/c938efe97fa76f8b89d50a0f047cf59a.jpg)
ところがそのあと、芭蕉が弟子の去来に「謂(い)ひおほせて何かある」と言ったように余韻、余情を
残してこそ味わいがあるものー投了図もそうありたいと、そう言う前にどんどん指し手は進み、それと
ともに解説する僕の感銘も次第に色褪せて行き、分かりやすい局面で終局してしまった。
翌日、不満の意を伝えると怜央から「横山四段は今回の対局で最後まで指そうと決めていたのかもし
れないですね。」と試験官横山四段を思いやるメールが届いたのだった。
*18日(土)午後1時半~将棋教室。新しい顔がふえると思います。楽しい1局を振り返り、また新たな
1歩を踏み出しましょう。
多くの方に応援して頂き、ありがとうございました。
午前中、序盤に注目していたら、驚いたことに▲3四桂(59手目)辺りまで4分の消費、あらかじめ
AIで調べていた手順ですね。大事な対局にとてもこんな短い時間では指せない。予定の観戦会の準備
開始時刻を早める旨、怜央ママ(聖子さん)に急いで連絡して会場の準備を始めた。大盤解説会を
始める前に終わるのではないかという勢いであった。
定刻より30分くらい前にマイク片手に大盤に並べながら、「やっぱり行きました、▲9三銀、寄せの
手筋です。鋭い一着です。怜央なら当然の一手でしょうね。その後は『端玉には端歩』で▲9五歩で
しょうか。」すぐ踏み込んで寄せ切るのかと思っていたら、「▲7九香。用心深いですね…」と
言いかけたところでAIの数値が58%まで下がり、「おー、間違えたか。大丈夫?あれ、龍が捕まるね。
うっかりしたかな?」場内にため息。机に伏せてしまった聖子さんの姿。「聖子さん、大丈夫?まだ
少し優勢です。」とマイクで声を掛けたけれども、肩が落ちて心なしか涙ぐんでいる。勝ってから
涙ぐんで欲しいーとは思ったけれども…、観戦者が増えてきたから、「ここからが応援のやり甲斐の
あるところです。」と言いながら解説するうちに、徐々に盛り返して▲9五歩△同歩▲5一角の好手順
があることに気が付いて、「行けますよ。これで決まります。」と言った途端、俄然会場内の温度が
上がるのが感じられた。こういうときはこちらまで熱気が伝わり、「投了は近いです」と、つい言った
けれども、そこからが長かった。▲6四飛と指して△同金と取れば▲7三角打以下詰むので「良い手
ですねぇー。横山さんなら、ここで投了です。2人とも良い局面を作りますね。さすが怜央はセンス
がいい。▲6四飛ー素晴らしい投了図になりました。」と興奮気味に解説していた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/3e/c938efe97fa76f8b89d50a0f047cf59a.jpg)
ところがそのあと、芭蕉が弟子の去来に「謂(い)ひおほせて何かある」と言ったように余韻、余情を
残してこそ味わいがあるものー投了図もそうありたいと、そう言う前にどんどん指し手は進み、それと
ともに解説する僕の感銘も次第に色褪せて行き、分かりやすい局面で終局してしまった。
翌日、不満の意を伝えると怜央から「横山四段は今回の対局で最後まで指そうと決めていたのかもし
れないですね。」と試験官横山四段を思いやるメールが届いたのだった。
*18日(土)午後1時半~将棋教室。新しい顔がふえると思います。楽しい1局を振り返り、また新たな
1歩を踏み出しましょう。
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