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一九八八年、世はバブル景気の頂点。「神の手」をもつ佐伯教授が君臨する東城大学総合外科学教室に、帝華大の「ビッグマウス」高階講師が、新兵器を手みやげに送り込まれてきた。「スナイプAZ1988」を使えば、困難な食道癌の手術が簡単に行えるという・・・
スナイプを使ったオペは、目覚ましい戦績をあげた。佐伯教授は、高階が切った啖呵の是非を問うために、無謀にも若手の外科医のみでのオペを命じる。波乱含みの空気のなか、ついに執刀が開始された―。
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「チームバチスタ」シリーズ(桜宮シリーズ?)は文庫化されたらとりあえず読んでいく・・・という感じ。「ブラックペアン1988」は書店で見かけて、あ、買おうかな・・・と思っていたところで、タイミング良く院長から「読み終わったからどうぞ~」と声を掛けてもらいました。ラッキー
面白かったです。1988年、バブルまっさかりの大学病院の外科医たち。バブルがはじけた後に医師になった私には、この「古き良き(悪しき?)時代」の「お医者様」たちの姿は、もはや完全に「昔話」であり「伝説」でもありますがちょっとうらやましくもありますね(笑)。
研修医の世良、渡海、高階、佐伯・・・それぞれ全く考え方は異なるものの、各々が各々のスタイルで外科医の魂を貫く姿は読んでいて清々しく感じます。
それにしても「ブラックペアン」って・・・とか、若い頃の藤原婦長、猫田主任のまた魅力的なこと、後々の「チーム・バチスタ」や「ジェネラル・ルージュ」に続く、医学生たちの姿などなど・・・美味しい隠し味もいっぱいで楽しめました
「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラルルージュの凱旋」はとても面白くて好きだったのですが、個人的には、「ナイチンゲールの沈黙」や「螺鈿迷宮」あたりの、哲学的?SF!?ファンタジー小説!?という感じのくどさに、やや食傷気味・・・と感じていた私・・・
でも、この「ブラックペアン1988」は面白く楽しく、すっきりと読めました~