紙すき体験をするカレンさんを横に置いて、
紙すき職人の説明がまず始まります。
材料は、この卯立の工芸館の前に
干してあるコウゾ。
これを乾かした後、
特殊な棒でたたいて柔らかくし、
それを原料にしているとのこと。
水の中にそれらを入れ、
さらにそこにトロロアオイという
植物で作ったとろみを入れて完成。
よくかき混ぜて、
紙すきの装置ですくってゆきます。
7~8回くらいすくったら終わり。
下のすのこごと持ち上げて
乾燥台へおいてゆきます。
重ねておいてあるので、
端っこに糸を入れて、
上下区別しておきます。
完全に乾けば紙になるわけです。
とまあプロの人は速やかに
作業を進めてゆくのですが、
では初体験のカレンさんはどうか。
では頑張ってください。
フランス語なんで、
なんといえばよいかわかりません。
ジュテーム、とか言ってはいけません。
黙って見てます。
で、慣れない人がこれをやったら
どうなるかというと、
やはり表面がでこぼこした
紙になってゆきます。
ああ、そうかあ。
こうなったらあかんなあ。
5500円が無駄か、と思うのですが、
ここでプロの人が秘密の技を繰り出します。
ゴムでできたチューブを
膨らんだところに充てて、
多分軽く吸っているのです。
そしたら表面がならされて
平らになってゆくではないですか。
「お兄さん、いいものを見ましたねえ。
プロはふつうこんなことをする羽目には
ならないのですが、
こんな技もあるんだという事を
知って収穫ですねえ。」
と嬉しそうに言ってきます。
「やあ、ほんまやねえ」
カレンさんはさらに数回紙すきを
やったようです。
見学の人たちもやってきたので、
doironは退散しました。
聞くところによると、
こうして紙すきをした人には、
後日乾燥してできた紙が
送られてくるそうです。
フランスまで送ったのかなあ。
ええ勉強になりましたと、
卯立の工芸館を出ました。
またしばらく和紙の里通りを
進んで行きますと、
喫茶店とかもありますね。
もし自分で紙すきとかするんなら
また違った楽しみのある旅行が
ここはできそうなところです。
そんな通りの一番奥にあるのが、
パピルス館です。
ここでも安い金額で紙すきは
できるのですが、ここでは紙の
販売店をじっくり見ることにしました。
和紙というと、やはり水彩なんかだと
書きにくいかなあと思っていたのです。
でもねえ、和紙といってもいろんな
製作ができるようで、
2年くらい前に千住博という画家が、
高野山の金剛峰寺の襖絵を描いたのですが、
いろいろと紙に注文を付けて
描いていたという番組を
見たことがあります。
それが越前和紙の会社でした。
和紙も今風にいろんな材質のものを
作るんやなあと思ってみていました。
そしてもう一つ。
絵手紙展示館に行ったときも
資料の中で、越前和紙が
絵手紙用の紙を作っている
というのも聞いていたのです。
こりゃあ、昨日の宿泊クーポンで
気にいったのがあったら
買おうと考えていたのです。
店の中を色々と見て回りました。
すると、あるじゃないですか。
絵手紙用の紙も山のようにあります。
これは良さそうですね。
そしてほかにも、巻紙とかもありました。
これまで巻紙で友達に
手紙を出したこともあります。
また、あんなこともしようかなあ
と夢を膨らませましたね。
ざっと選んで、これを買おうと
レジに持ってゆき、
クーポンで払おうとしたら、
なんと「紙などの工芸品は、
クーポンで買うときは半額になります」
とのこと。
うわーこれはお得ですねえ。
ほんの少し前に新聞に絵が
掲載されたばかりなので、
もう画家気分で大量に紙を
買ってしまいましたとさ。
続く
越前和紙の里の方に向かってゆくと、
最初に目に入るのが
「紙の文化博物館」です。
さっそく入館してゆきましょう。
共通入館券を買って入ってゆきます。
まずはテレビで紙すきの様子を学びます。
そしてそこから、川上御前の話や
昔の和紙の話などが紹介され、
例えば原料にコウゾ、ミツマタ、ガンピを
使った紙の触感や材質の違いとかを、
実際の紙で確かめられたりします。
ほかにもいろんな和紙が展示されています。
実際に書いてみないとわからないですけど、
水彩の絵手紙だって十分使えそうな紙も
たくさんありましたねえ。
この和紙の里の奥の方には
紙の販売店もありそうですから楽しみですね。
そして展示の中の一つとして、
竹久夢二の絵画展なんかも行われていました。
目と目の間が少し広くて、
少し足れ目な美人画がたくさん並んでいましたね。
年表なんかを追うと
なかなか周りに女性が絶えずおられたようですねえ。
そんな時代だったんですねえ。
それにしても、ここは紙の文化博物館。
描かれたものをおえばキリはないですね。
でもすごいなあ、
「紙」だけでこんな博物館が
できるなんてねえ。
もしかしたら「髪」の博物館てのも
あるのかなあ。
あるんなら参考に見に行きたいなあ。
どんな参考にするのかわかりませんけど・・。
博物館を出ると、庭に紙の材質になる
植物なんかが植えられていますねえ。
こんなやつなんですか。
きっと大事に保護されて
植えられたりしているんでしょうねえ。
紙ってすごい量を使っていますよねえ。
その最たるものが「新聞」。
毎朝あんなに多くの紙が届くのって、
なんかもう環境に悪いような
罪悪感を少し感じたりしますねえ。
では博物館を出て、
目の前の「和紙の里通り」に
入ってゆきましょう。
案内の後ろに道が続いています。
広い道ですねえ。
なんかこういういなかに
こんなまっすぐな広い道って
違和感がありますね。
調べてみたら、やはりこの道は
廃線になった電車のレール道
だったようです。
福井鉄道南越線。
廃線跡の旅なんても数えきれないほど
案内本があるよねえ。
今や廃線跡は旅のテーマの一つに
なっているもんね。
もともと旅の一つだった電車が、
廃線になっても旅になるなんて
まあ皮肉なものです。
そんな福井南越線の廃線跡は
道となり様々な紙に関する
施設を置いています。
その一つが卯立つの工芸館です。
古い建物で「うだつ」が
上がっていると言いますが、
ちょっとわかりません。
この出窓部分全体が
「うだつ」なんでしょうかねえ。
ここでは、昔ながらの道具と
工程で紙を漉いているところだそうです。
その周りに干されているのが、
紙の原料となる「コウゾ」の様ですね。
大きなものですねえ。
さあではその中に入ってゆきましょう。
今日は空いてるかなあと思って
入っていくと、おお~中には
校外学習なんかできている
めちゃんこ若い学生たちが
山ほどいます。
ごめんね~とか言いながら、
すいている方に移動です。
そこは水槽とかもある紙すきの現場です。
そこで紙すき職人のお姉さんに
「お兄さんも紙すきしますか」
と聞かれましたよ。
いやあ、こんな不器用な僕が紙すきをしたら
一体どんな紙ができるんだろうかと、
そこはそんな風にめちゃ興味を
抱いたのですが、体験は5500円。
これはちょっとむつかしいですねえ。
ちょうど外国人の女性が
今からするところなので
見せてもらいますと言い、
横の通路から見学にしました。
体験するのは僕より少し年下くらいの
フランス人で、名前はカレンさんと言います。
どれどれ。
続く
またまたブログをいったん休止。
doironの第二の誕生日のことを書きます。
doironは昨日で12歳を迎えました。
二つ目の誕生日から
もうそんなに月日が経つのです。
長いような、短いような
そんな12年でした。
いったん止まった心臓は
不屈のようによみがえり
いまもまあ不整脈はありますが
そこそこちゃんと動いています。
日本の医学はありがたいですね。
せっかく周りのみんなのおかげで
いただいた命ですから
しっかり生きなきゃと
自分の気持ちを中心に
やりたいことをやってきました。
おかげで、そんなやりかけたことが
いろんな形で実を結び始めています。
病気してよかったって感じることもあります。
まず、元気に地元町会で町会長を
やっています。
いろんな形で人の役にたてていることは
裏返せば、みんなに助けられたことへの
感謝の気持ちでもあるのです。
人のありがたさが
doironを生き永らえさせているのですね~。
それから負担を超えない範囲で
やってきた運動も
一度は少し超えて脳に影響しましたが
それも何とか人に助けられて
こうして生きているのです。
できる範囲で運動しなきゃ
という気持ちはしっかり持っているので
それはとても大事ですね。
その積み重ねのおかげで
今年は中央アルプスも行けたし
開聞岳も初完走しました。
あ、もちろん今近くにいてくれる
沢山の友達のおかげではあります。
絵もそれとなく続けて
人に少しはよろこんで
もらえるようなものが
たまには描けるようになってきました。
展示会では多くの人に見てもらえましたね。
本当にありがたかったです。
おかげで、またお知らせしますが
今年の展示会も決まったのです。
夏前の気候のさわやかなときです。
また来てくれたらなあって
心から思っています。
よろしくお願いします。
また、新聞も積極的にdoironの絵を
拾い上げてくれましたね。
これもとっても感謝です。
来年からもまた、がんばって投稿しようと
思っています。
載ればいいなあ~
そして、さらにすごいことにもなりそうです。
なんとdoironの絵に
出版物からオファーが来ました。
内容についてはもう少し詰めますが
春にはちょっとだけ世間に絵を
見てもらうことになりそうです。
中味はもう少し内緒です。
どうなってゆくのかなあと
色んな形で自分の毎日の行方を
考えたりしている今日この頃です。
家族もまあ元気にやってます。
孫も二人目ができたのでやれやれです。
占いやってた義母ちゃんが
あんたの子孫は芸術に向いているかも
と生前時に行ってたのを思い出します。
どんなふうになっていくのかなあ。
まあ命のある限り、いやお墓に入っても
見守っていけたらなあって思います。
友達も、いろんな面で支えられ
楽しませてくれる人ばかりです。
実はこのXmasにもみんな集まって
楽しい忘年会をやったばかりです。
楽しかったなあ。
いやあ本当にありがたいです。
何も建設的なことはほとんどないけど
そんな12年を精いっぱい生きてきましたね。
もっとあれもやればよかったとかも
ありますが、もう今でも精いっぱい
やってきたという自信はありますから
後悔などは全くありません。
さぼらずしっかりやってきたなあと
自分で自分をほめたいほどです。
第二の誕生日を迎えて
そんな風に思えるって幸せですね。
さあ今年もあとわずか
来年はどうしようかと
もっとプランを練らなくちゃと
思ったりしているdoironなのです。
誕生日おめでとう
そして
メリークリスマス
福井の宿で目を覚ましました。
朝から少し散歩をしようと思いますが、
周りにあるのは枯れた蓮の花満載の
池と田んぼだけ。
7月から8月にかけては
蓮の花がキレイんでしょうね。
それから「そまやま温泉」というのは、
近くにハイキングコースもある
杣山というやまがあるからなんですね。
ちょっと舌を噛みそうな名前ですねえ。
う~ん、がんばってくださいね
と人出を見てたら思う温泉ですねえ。
結局、宿の周りだけくるりんと回りました。
朝飯はこんな1膳方式でした。
宿はいい宿でしたよ。
温泉もよかったしね。
旅割とクーポンを使って
格安で泊まることができたので大満足でした。
さあでは、旅行の2日目です。
効率よく回ってゆきましょう。
まずは紙の神様の訪問です。
名前は岡太神社・大瀧神社
というところです。
越前市の山の方にあります。
南越前からいったん武生の町の
端っこを抜けて走ってゆきます。
走るにつけ、昔この辺りを
福井マラソンで走ったなあ
という記憶がよみがえってきます。
制限時間が3時間20分のフルマラソン。
小さな子どももつれてきて、
観光がてら走ったのを思い出します。
30キロの関門が2時間ちょっとと
めちゃくちゃきつくて、
そこを超えたら完走という感じでしたねえ。
今もまだ田畑の真ん中を
きれいな道が走っている
という感じでした。
ナビに導かれてどんどん
山の方に入ってゆくと、
越前和紙と書かれた
観光看板が増えてきます。
そしてやっと目的の神社のところに着きました。
ここまでけっこう坂道を
登ってきましたので、
ここをチャリンコで移動するのは厳しいかな。
仕方ないので歩いて、
じっくり回ることにしましょう。
まずは神様に会いに行きます。
背の高い杉に囲まれた境内に
入ってゆきます。
じつはこの神社は、
この地方に紙の作り方を教えた
川上御膳という人なんだそうです。
きれいな水なんかもとても
よかったんだそうですね。
で、この川上御膳は紙と
ご縁のあることから、
この人が教えた紙で
日本で初めてのお札である
「太政官札」が作られたので、
お金の神様でもあると
言われているようです。
そうかあ、なおさらしっかり
お祈りしとかないといけませんね。
裏から神社に入って行ったのですが、
正面から出てゆき、
和紙の里の方まで歩いていくことにしました。
鳥居の方から出てゆき、
額束を見てみると、
大瀧神社と岡太神社と並列で
書かれてありました。
山の上部には両神社があるのですが、
下宮では両神社が本殿を共有しています。
なので両神社にお参りしたことに
なるんでしょうねえ。
これらの神様は「紙祖神」と
呼ばれているようです。
紙祖神様よろしくお願いします。
さあでは坂道を下って、
和紙の里の方へと向かってゆきます。
500mくらい歩くと
こんな石碑がありました。
秩父宮が侍従を差し遣わした
という記念碑ですねえ。
どういう差し遣わしかわかりませんが、
何かを考えてのことなんですねえ。
石碑だけでは全くわかりません。
でもねえ、こうして目にしたものを
ネットとかで調べようとしたら、
その他の項目もいろいろ出てきて
勉強になりますね。
旅をした後にまた別の面で
この地方を旅するみたいな
側面が出てきます。
そんな石碑のところには
一の鳥居があります。
両部鳥居ですね。
この神社には木造の十一面観音がいたりして、
神仏混交なんですね。
なので鳥居が両部鳥居に
なっている理由が良くわかります。
あちこち歩いている成果が
こういうところで発揮されますね。
鳥居をくぐって、
越前和紙の里の方へ行くには、
その先を右折して進んで行きます。
続く
福井の山里の温泉である
「そまやま温泉」に来ています。
周りに温泉街があったり
観光施設があったりする
わけではありません。
山間の田園なんかに囲まれた温泉施設です。
まあのんびりと温泉に入って
ゆったりとするには絶好の温泉です。
夕食にはカニ鍋を注文しておりますが、
まずはそんな温泉に入って
のんびりしましょう。
ここは無色透明の温泉ですが
アルカリ性の温泉です。
お肌キラキラかな?
出てくる温度は低いので
加温しているようです。
静かな温泉で、露天風呂に使っていると、
山をバックにあるので
もうなんか野生動物になったような
そんな気分です。
タヌキもこんなんかなあ。
ああ、これで日ごろの疲れが
溶けるわあというくらい
じっくりと温泉につかります。
え?日ごろに疲れがあるのかって?
そりゃあありますよ。
地元じゃいろんな役をしてますしねえ。
でもねえ一方で、
やるだけやってあかんかったら
交代させてくれたら
もっといいのですがね。
それにやはり絵描きのことも、
いろいろと悩みがあるんですよ。
大きな声では言えませんが、
ちょっとお絵描きで、採用したいという
提案も来てますしね。
来年新たな絵の展示会もしよう
と思っているので、
より楽しんでもらえるようにと、
なんか未知の世界に
足をかけているような
ところもあるのです。
でもまあそれもうれしいことかな。
そんなことを考えながら
温泉を心行くまで楽しみました。
さあでは夕食に向かいましょう。
まずはビールを注文します。
突き出しのように出てきたのは、
さすがにそまやま温泉の温泉名である
「花ハス温泉」なので「レンコン」でした。
プハ―、ビールがうまい。
これはもうどこで飲んでもうまいけど、
旅のビールは開放感もあって
一段とうまいですねえ。
こんな刺身も何となく北陸風ですねえ。
そしてもうすぐにカニ鍋が
出来上がってゆきます。
結構なボリュームです。
食べきれないほどのカニの量ではないけど、
幸せです。
そもそも一人なので無口ですが、
なおさら無口になってカニをつつきます。
おいしいですねえ。
でもねえ、カニってやっぱり
大勢で食べる方がいいですねえ。
口からカニの足の甲羅を出して
バカなこと言いながらつつく。
そんなんが、よりカニを
引き立てますねえ。
大勢でカニをつつく、
そんな旅行もできたらいいですねえ。
おいしかったです。
そうそうお酒は、ビールの後
日本酒も頼みました。
なんか面白いお酒の名前だったし、
一本頼んでみました。
名前の通りおいしい深さがありましたね。
食事を終えて
部屋に帰る前に星を見に外に出ましたが、
ちょっと雲が多くて星空は無理でしたね。
部屋で追いビールをしながら
明日の計画を練ります。
旅館にあった資料なんかを
基に計画ですね。
来年は、もちろんウロウロ歩きや
旅もするし、できれば山にも行きたいけど、
心持ち絵に力を注ぐ分を
増やすつもりです。
今回ここを旅で訪れたのは、
そんな気持ちに何らかの
後押しにならないかと、
越前和紙の勉強をするつもりでした。
なので、まずは紙の神様を訪ねましょう。
福井の山奥にそんな神様がおられます。
それから紙を作っている
人々を訪ねましょう。
紙すきをしている場所に行き、
その現場を頭に入れて、
いろんな紙の勉強をしましょう。
旅でもらったクーポン券は
そのあたりで使うのがいいんでしょうね。
そして最後は、昔々のその昔、
doironの先祖はこのあたりにも
いたんじゃないかと噂のある
「武生」の市街地も歩き回って
みようかなあとか考えているうちに
睡眠の世界に突入していった
doironだったのでした。
続く