どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『吉村芳生 超絶技巧を超えて@東京ステーションギャラリー』なのだ

2019年01月13日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

<リンシェメ>でランチをしたぼくらわ 東京ステーションギャラリーに移動して 1月20日まで開催している<吉村芳生 超絶技巧を超えて>を見たのだ



凄く良かった展覧会だけど 感想わ えこうに任せるのだ

東京ステーションギャラリー <吉村芳生 超絶技巧を超えて> 1月20日(日)まで

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201811_yoshimura.html

作品リスト
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/pdf/1811_yoshimura_exhibitorlist.pdf




展示構成

ありふれた風景

百花繚乱

自画像の森

主に、鉛筆や色鉛筆などで描かれた作品が多く、リトグラフやシルクスクリーンの作品などもあり、合わせて62点を展示していました。


気になった作品

6.A STREET SCENE NO.16

エッチングの作品で、独特の方法を用いているそうです。

銅板に描いた方眼のマス目をあらかじめ約10本ずつ斜線を引き、一度銅板を腐食させ、印刷すると画面には方眼と斜線だけが現れ、1番明るくしたい部分のマス目に目止めをして原版を再度腐食させると、2度腐食されたマス目は、目止めされてないマス目より少し濃い色となり、さらに明るくしたいマス目に目止めしての繰り返しで色の濃淡をつけている。

ドット絵のような感じ?


16.365日の自画像 1981.7.24ー1982.7.23|全365点より ※365点中、192点を展示

作者の誕生日の7月24日から翌年の7月23日までの1年間を写真に撮り、鉛筆で写した作品で、9年かかったそうです。描かれているのは、15センチ四方くらいで、胸から上の自画像で、撮った場所は屋内や屋外など様々で、逆光やピンボケなどもあり、そのまま描いて写真のようでした。

全部見たかった・・・。


22.ジーンズ

撮影した写真を大きく引き伸ばし、鉛筆で2.5mm四方のマス目を引く。そのマス目ひとつひとつを拡大した方眼を引いた紙に鉛筆で模写したのがこの作品で、凄かった。


23.ジーンズ 下絵(数字)

下絵で0~9の数字が書かれた色の明暗の設計図。


26.徳地・冬の幻影

冬の森を描いているが、よく見ると人や動物、龍などが隠れているそうです。でも、そのようなだまし絵的な作品は、この作品だけだそうです。

いろいろ探してみたのですが、人や動物の顔とかは、白い雪の部分にいろいろ見つけたのですが、龍の場所のみがきちんとわからず・・・。合っているかわからないのですが、画面右下の方に描かれた動物たち顔が集まっている物自体が龍の胴体で、その先が口を開いた顔みたいなものに見え、角は、木の枝とカだったと思います。でも、それが合っているかは不安なので、知っている方がいるなら、教えてもらいたい。

見ていて思ったのですが、作者が意図していない箇所で、鑑賞者が動物などに見ている部分もあるのではないか?とも思いました。


41.新聞と自画像 2009年|全364点

1年間の新聞紙の一面に毎日撮影した自画像を拡大して直接描いた作品で、1月2日は休刊なので全部で364点となっている。no.16<365日の自画像 1981.7.24ー1982.7.23|全365点より>に比べると、横顔を描いていたり、笑顔だったり、頬杖をつていたりと、こちらは表情が豊かで、見ていて面白い。


58.ヒマワリ

1輪大きく咲くヒマワリを色鉛筆で描かれ、背景が深い青色だったんで、焼失してしまったゴッホの幻のヒマワリを思い出す。でも、この作品はゴッホの退廃的な感じでなく、元気に咲くヒマワリでした。


60.未知なる世界からの視点

山口県仁保川の菜の花の風景を描いた10mを超える作品で、上部には川に映る葉の花を下部には地上に咲く花となっており、解説によると、上下逆さまにして完成とした。

2つ世界が混在して、死後の世界のような気がした。


61.無数の輝く生命に捧ぐ

チラシに載っている作品で、この1点を見たいがために展覧会に行きました。

金網のフェンス越しに見える藤の花を描いた7mの作品で、フェンスを取り除き、白の背景と藤の花を色鉛筆で描いている。制作の動機は東日本大震災で、花の一つ一つが亡くなった魂と思って描いたそうです。

背景が白だからか、制作動機のエピソードを知って見ているので、天上に咲いている藤の花のように思えてくる。

作品の右側には、描き途中の花や葉があり、未完となっている。

あと、この作品の前には、構想写真も展示していました。


他にも、17mの作品の<ドローイング 金網>や、色鉛筆で描かれた<タンポポ>も良かった。

作品を載せてないので、展覧会のチラシの画像を載せます。(クリックすると大きな画像で見れます。)
 


吉村芳生さんの作品は、写真のように細かいし、凄かったです。1番惹かれたのは、『百花繚乱』の色鉛筆で描かれた花たち、作品によってはダメージ加工をしているものもあったり、藤の花を描いた<無数の輝く生命に捧ぐ>は見ていて救われるような気分になりました。

あと、1週間ほどで終わってしまいますが、すごくオススメだと思いますよ!!


巡回情報

奥田元宋・小由女美術館 2月22日(金)~4月7日(日)

「えき」KYOTO 5月11日(土)~6月7日(日)

水野美術館 2020年4月11日(土)~5月31日(日)


今回も素晴らしい作品を見てましたし、美味しいものを食べることが出来て大満足でした。

ありがとうございます。