
只今、石坂まさを著による特別企画として、石坂まさをと深い親交があった、吉本興業の会長故林裕章さん、その義父であり現在の吉本興業の礎をつくった、林正之助さんの二人の思い出を綴った手記作品『~浪花の夢~笑売人』を、3回にわたって連載しています。
~浪花の夢~ 笑売人
著 / 石坂まさを
企画 / 下家 猪誠
正之助さんは、怒りっぽい人ではなかったが、私を可愛がってくれたせいか、よく怒られた。
寿司屋では、たいていの人は大トロから食べるらしいが、貧乏性の私は甘いタレの付いたタコから食べた。
すると会長は、「すしの食べ方にもルールがある。お金のことを考えず大吐露から食べなさい」と、怒った。
お金が欲しければ儲ければいいではないか、というのが会長の考え方である。
吉本会館の千メートル先の千日前の角には、吉本が経営するパチンコ屋があったが、その一日の売り上げが千五百万円もあるとは、誰も知らなかった。
ひと月に四億五千万円である。
会長は、「商売とは、人にわからないように儲けなければいけない」というのが、口癖だった。
会長が亡くなってしばらくして、関西テレビで「笑売人」というドラマが放映されたが、その主題歌「浪花の夢」は、会長に可愛がられた石坂まさをにしかかけないとプロデューサーにおだてられ、私が担当した。
♪銭が仇の世の中だろと 俺は浪花の夢を売る・・・・・ そして私は、この歌を聴くたびに正之助さんのいない寂しさを感じたものだ。 ここだけのはなしだが、二番の詞のなかに「徳利一本 めざしが二匹 ごめんなさいねと云うお前」というフレーズがある。 それは息子の裕章さんの家に泊まったとき、奥さんのマサさんが僕に出してくれた質素なおかずである。 そのことを思い出して書いたのだった。 今、目が見えなくなった私が一番見たいのは、裕章さんの男らしい笑顔だ。 裕章さんという人は、同志社大学を出て何年かして吉本興業に入り、正之助さんの目に留まり、マサさんの婿養子になった。 あるとき、マサさんが私に話してくれたことが、その後、ずっと続く関係のきっかけになったのである。 彼女はその頃、近くの神社にお百度参りをしていたらしい。 それは、旦那さんの裕章さんに「金のなる木と心の友だちが出来て欲しい」と念じているからだといったのだ。 それを聞いた私は、決心した。 金のなる木になれないが、心友になりたい。 そう思って、裕章さんと心から付き合ってきたのだった。 だからといって、裕章さんが孤独だったわけではない。 夫婦仲も良かったし、会社では社員に慕われ、そして何よりも、正之助さんとは、実の親子以上に絆が強かったと思う。 もちろん、会社経営のパートナーではあったが、義父を思う気持ちは血のつながりよりも強かったような気がする。
三笠優子さんが歌ったこの歌は、カラオケなどで広く歌われた。
▲この手記を書くモチーフになっているのが、故林正之助会長をテーマにした関西テレビで放映された「笑売人」というドラマです。
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